ビルエヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』は人生を謳っている

ジャズ界に燦然にきらめく名盤の『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』。 

やはり、ジャズ(JAZZ)を語る上では、この名盤の存在を欠かすことはできません。 

すでに知っている方も多いかもしれませんが、今回は、そんなワルツ・フォー・デビーの詳細や魅力について書き綴っていきたいと思います。 

目次
* 1 ワルツ・フォー・デビーの詳細
* 1.1 演奏者
* 1.2 演奏内容
* 1.3 裏話
* 1.4 レーベル
* 1.5 オリジナル盤
* 2 『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』総評

ワルツ・フォー・デビーの詳細

1961年6月25日に、ヴィレッジヴァンガードというライブハウスでの演奏が録音されたアルバムです。 

ジャズといったら、この演奏を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 

スイングジャーナルという雑誌で行われた、好きな名盤ランキングでも、堂々1位に輝いています。 

演奏者

ビル・エヴァンス:ピアノ
スコット・ラファロ:ベース
ポール・モチアン:ドラムス

この3人によるトリオの演奏です。 

いわゆる黄金トリオによる作品。 

このトリオによる作品は全部で4作品しかありません。 

中でも、この『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』の人気は格別です。 

演奏内容

これまた、僕がわざわざ言う必要もないくらい。 

いろんなサイトでも語られている内容です。 

ちなみに、厳密には、『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』は、6月25日に演奏された一部で、もう一部は、『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジヴァンガード』にも録音されています。 

こちらも名演なので、近い内にレビューしようと思いますが・・・ 

今回は、『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』。 

内容がとにかくいい。 

まず、始まりのビルエバンスによるピアノの一音。 

そこから壮大な物語が始まります。 

冒頭から終わりまで。 

一切耳が話せない緊張の演奏の数々。 

もちろん、ピアノのビルエバンスの演奏もすごいのですが、スコットラファロのベースも格別。 

僕は音楽的なことはほとんど無知で、中でもベースの魅力はまだわかりきれていない部分があるのですが。 

『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』におけるスコット・ラファロのベースはメロディアス。 

リズム隊であるはずのベースがそこまで大きな色を出すことができるその演奏に、惚れ惚れします。 

一曲目の『マイ・フーリッシュ・ハート(My foolish heart)』は、長らく演奏され続けているスタンダード曲ですが、その中でも、この『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』での演奏は格別です。 

ゆっくりと、夜の静けさに楽しむのに、これほど適した曲はないのではないでしょうか。 

とにかく、「美しい」の一言につきます。 

それでいて、親しみやすい演奏なのも特徴です。 

2曲目の表題曲。 

『Waltz for Debby』。 

ビル・エバンスの姪である「デビイ」のために作られたというこの曲。 

リリシズムな曲調の中にも、素晴らしい世界観を連想させるタッチの連続。 

愛らしい曲調で誰もが安心して聴ける名演だと思います。 

裏話

実はこの当時、ビル・エバンスのライブはさほど、人気が高くなかったようで。 

このライブ、ヴィレッジヴァンガードにおける観客も、知り合いなどを呼んできてもらったらしいです。 

だから、演奏中に話し声や、グラスの響く音。 

さらには地下鉄の電車が走る音まで聴こえてくるんですね。 

最後の曲、『デトゥアー・アヘッド』の演奏終了後に聞こえる男性の笑い声。 

あれはもはや、語り草とも言えますね。 

レーベル

レーベルはリバーサイド(Riverside)です。 

ビル・エバンスは多くの録音をこのリバーサイド(Riverside)で残しています。 

オリジナル盤

レコードのオリジナル盤は、MONOがRLP-399、STEREOがRLP-9399です。 

どちらもかなり高額です。 

モノラルはdiskunionなどのレコード店で20万円近くで取引されています。 

ステレオでも、10万円以上するのが相場です。 

ですが・・・ 

希少価値で言うと、断然、ステレオ。 

僕も、やはり、「ジャズ好き」を語るからには、モノラル、ステレオ。 

どちらのオリジナル盤も求めました。 

結果、両方手に入れたのですが・・・ 

(ステレオは本当に珍しい。僕が買ったのはヤフオク(Yahoo!オークション)だったのですが、それ以降、ほとんどヤフオクにもステレオ盤は登場しません) 

モノラルは針飛びをするほど、状態があまり良くなかったのと。 

やっぱり聴き比べた結果、ステレオのクリアな音質の方が、ビル・エバンスのピアノの綺麗さを存分に楽しめるような気がしたので。 

モノラル盤を売ってしまい、ステレオのオリジナル盤のみ手元に残っています。 

でも、聴けない・・・ 

さぞや、『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』のステレオオリジナル盤を愛聴しているのか・・・と思いきや(笑) 

実はそんなに聴けていません(笑) 

演奏が凄い・・・ 

凄すぎるので(笑) 

気軽な気持ちで聴けないんです。 

演奏そのものは、すごく深く、素晴らしいのですが。 

「さ~て、今日は、『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』でも聴こうかな。」 

なんていう気軽な気持ちでは聴けないんです。 

心構えを落ち着かせて、しっかりと向き合わないと聴けないんです(笑) 

考えすぎかもしれないんですけど。 

そのくらい。 

『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』のステレオオリジナル盤は、「緊張を強いる」音楽とも言えるのかもしれませんね。 

もちろん、良い意味でですよ。 

『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』総評

と、まぁ、いろいろ書いてきましたけど。 

『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』。 

人生で必ず一度は聴くべき名盤です。 

ジャズ界で人気が高いままなのも頷けます。 

YouTubeとかで聴くのではなくて。 

せめてCD。 

できればレコードで聴くのがおすすめです。 

ビル・エバンスが奏でる世界観にグイグイ引き込まれます。 

まさに、『ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)』は、人生を謳っている名演と言えるかもしれません。 

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