やっぱり最高ですよ・・・文句なし一級品!
Lee Morgan – The Cooker (Blue Note BLP 1578)
基本情報
- アーティスト: Lee Morgan
- アルバムタイトル: The Cooker
- カタログ番号: Blue Note – BLP 1578
- 音源フォーマット: モノラル
- リリース年: 1966年(再発盤)
- オリジナルリリース: 1958年1月
- レーベル: Blue Note Records Inc.
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Hard Bop
トラックリスト
- A Night In Tunisia (Gillespie, Robin)
- Heavy Dipper (Lee Morgan)
- Just One Of Those Things (Cole Porter)
- Lover Man (Ramirez)
- New-Ma (Lee Morgan)
参加ミュージシャン
- Lee Morgan – トランペット
- Pepper Adams – バリトンサックス
- Bobby Timmons – ピアノ
- Paul Chambers – ベース
- “Philly” Joe Jones – ドラムス
録音詳細
- 録音場所: Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
- 録音エンジニア/ラッカー盤カッティング: Rudy Van Gelder(RVG刻印あり)
- プロデューサー: Alfred Lion
補足情報
- ジャケットデザイン: Reid Miles
- カバーフォト: Francis Wolff
- ライナーノーツ: Robert Levin
- この1966年リリースの再発盤にはPlastylite “ear”(Pマーク)はなく、両面にRVG刻印があるのが特徴[1]。
- マトリックス/ランアウト情報:
- Side A: BN-LP-1578-A 9M RVG
- Side B: BN-LP-1578-B 9M RVG
- 「A Night In Tunisia」や「Heavy Dipper」など、Lee Morganのオリジナル曲とスタンダードを収録したハードバップの名盤[1]。
- Jazz Messengersでも度々演奏される「A Night In Tunisia」は特に人気が高い[1]。
アルバムの特徴・評価
「The Cooker」は、若きLee Morganがハードバップの旗手として頭角を現した重要作です。Pepper AdamsのバリトンサックスやBobby Timmonsのピアノが加わったアンサンブルは、エネルギッシュかつ洗練された演奏を展開しています。特に「A Night In Tunisia」のエキゾチックなアレンジや、Morgan自身のオリジナル曲「Heavy Dipper」「New-Ma」などが高く評価されています。
私の持っている盤:Lee Morgan The Cooker BLP1578 NY RVG 溝・耳なし
「なんだ、オリジナルじゃないのね・・・」
オリジナル盤のコレクター、さらには、リーモーガンマニアからは、そう、侮蔑されそうな盤ですね。
lee morganのcooker、RVG刻印はあるけれど、溝と耳なし。
つまり、libertyバージョンとほぼ同等でしょう。
繰り返しになりますが、こんな盤を紹介したところで、本物のコレクターにはバカにされてしまいそうですが、私にとってはこれでも十分な宝物です。
昨日、最近ご無沙汰だった、lee way
Lee MorganのLee Wayとオリジナル盤レコードは結局どこで買えばいい?という見解
を聞いてみて、「うーん、やっぱりいいな。」
と思った反面、ちょっと気になったことがあります。
「やたらと、静かな場面が多くない?」
ということ。
特に、ベースソロやドラムソロ、ピアノソロが多く、意外とリーモーガンのトランペットの機会ってそこまで多くないように感じます。
まぁ、それもそのはず。1枚のLPに4曲しか入っていないから、片面2曲ずつ。
言い方悪いんですけど、ちょっと「間延び」しているように聞こえない部分もなくはない。
こんなこと言ったら怒られそうだけど。
だけどいいものはいい。
モーガンのトランペットも伸びやかだし華やか、ジャッキー・マクリーンのアルトサックスも良い味を出している。
4曲目なんかは、冒頭、ジャッキー・マクリーンがソロを吹こうとしたら、それに被せてリーモーガンがトランペット吹き回し、ジャッキー・マクリーンを制する。まるで「下がってろ!」とでも言わんばかりに。
なにかジャッキー・マクリーンのアルトサックスに納得いかない部分があったのかな?
挙げ句、4曲目はマクリーンのソロはなし。
なんていう、ある意味面白みあるアルバムではあるんですけど、でも、最近手に入れた「the cooker」と比べるとなにか「物足りない」感じを覚えていました。
というわけで、もう1アルバム聞いたあとだったけど、もう一つのアルバム。the cookerを聴くことにしました。
このアルバム、手に入れるまで相当に時間がかかりました。
前述のlee wayは、コロナ禍もあり、オンラインで出品されて、たまたま見かけて「とんでもない安い値段」で手に入った代物。(しかもオリジナル)。
しかしthe cookerは一向に手に入らない。
私の行きつけの名古屋のレコード店の店主、radio days reocords
の店主さんと電話で雑談しているときに(たしかもうこれも4~5年くらい前だと思うのだけど)、その店主が、
「lee morganのわたしの一番のお気に入りはthe cookerですね!ベニー・ゴルソンの束縛から解放されて、奔放に吹くモーガンが最高です!」
という話を聞き、「おお!そこまで言うなら、このcookerを手に入れてみよう!」と思い、マークしていたのですが、これが本当に手に入らない!
ある意味では、morganの最高傑作とされる、candyや、その他の1500番台の方が、値段が高い分見かけることが多く手に入りやすいかもしれません。
このthe cooker、正直、リーモーガンのブルーノートの中では「安い部類」に入ります。
いや、それは言いすぎだけど、「中間」の部類です。
高価格分類→candyをはじめとする1500番代
中間分類→leewayやcookerをはじめとする4000番代前半
安価分類→charismaなど、ジャズ・ロックに走った4000番代後半
こんな感じでしょうか。安価分類と言っても1万円以上はします。
あくまでも「ブルーノートのリーモーガンの中では安い」というだけの話。
で、だからこそ、逆にthe cookerは手に入らないんだと思います。
セールで出品されても、すぐに売り切れて相場すらまともにわからない。
あくまでも個人的な意見ですが、リーモーガンのアルバムの中では、値段的な(ある意味での)親しみやすさもあり、一番手に入りにくいのがこのthe cookerなんじゃないかと思います。
というわけで、もう5年くらい探し求めていたけど一向に手に入らないので諦めかけていたんですけど、
たまたま名古屋に行く機会があり、radio days recordsさんに立ち寄って、エサ箱を漁っていると、ありました。
「ん?the cookerやん!」
さすがに驚きました。
たぶん、ディスクユニオンとか大手のレコード店ではこんな感動ないでしょうね。
エサ箱を漁っていて普通にlee morganのthe cookerが手に入るなんて!
これがradio days recordsの最大の魅力なんだと思います。
で、この盤は、(最終的には手に入れたのですが)耳なし、溝なし、RVGありのいわゆるlibertyに近い。
5年くらい前の私だったら、
【脅威の世界】想像を超えた創造。the amazing bud powell vol.1&2 BLP1503&1504
この記事でも書いたように、「耳マークなしなんて買わねぇよ!」だったんですけど、いや、本当、仮に上記記事を参考にした人がいるのであれば申し訳ないんですけど、「耳マークありとなしではそんなに違わない」と今の私は思います。
確かに違うとは思います。
実際、完全オリジナルの「lee way」(当然耳あり)と今回の「the cooker」耳無しを聴き比べると、まぁ、当然アルバムが違うんだから音質も違うのは当たり前なんですけど、それでも確かに「微妙になにか」違うような気がします。
うーん、音圧?音圧の面では、lee wayのオリジナル盤の方が圧倒的で、the cookerのリバティ盤はなにかちょっとほんの少し・・・いうなれば、10mm程度?なにかの面で、lee wayとは違う気がするんですけど(繰り返しになりますがアルバムが違うんだから音質が違うのも当然ですが)、あまり気になりません。
なので今の私は「耳マークの有無」はさほど問題ありません。
値段は、3万円弱。
うーん、痛い。
でも、めったに手に入らない。
しかし状態が完璧だったら迷わず買っていたんですけど、2曲目の冒頭に演習傷があり、「サーッ」とノイズが入る。
これ、今わかったことなんですけど、たぶんこうした円周キズは、針飛びのあるキズやプレスミスを爪楊枝やマチ針で修復したあとなんじゃないかと思います。
わかりませんけど。
で、その「サーッ」とかかるノイズが気になって、そのときは購入しませんでした。
1週間、実家である伊勢に帰って考えに考え抜いて、結局帰りの名古屋にradio days recordsによって、今度こそ購入しました。
で、今。
家でもう一度聞いてみましたが、確かに「意識して聞けば」サーッというノイズは入りますが、少なくとも「針飛び」に比べれば全然大したことありません。
【針飛びはどこの箇所だろうと気になる】john coltrane ballads A32 MONO vangelder オレンジ艶ABC
逆を言えば、そこを除けば、それ以外気になるノイズは一切ありません。
言うなれば、「99点」のレコードでしょうか。
まぁ、オリジナルじゃないという点で言えば、決して「安い買い物」ではなく、(discogsでの2025年4月22日現在の中間点が14000円という相場を考えればなおさら)むしろ「高い方」かもしれませんが、繰り返しになりますが、私の中で、「lee morganのthe cooker」は一番手に入りにくいアルバムと思っているので、ここはもう仕方ない。
むしろ状態は良かったので満足です。
音質に関して。
さっきも少し触れましたが、全く問題ありません。
オリジナル盤との比較はできませんが、十分満足できます。
なによりも、pepper adamsのサポートもバッチリ出し、存分にlee morganを楽しむことができます。
radio days reocordsさんの店内で試聴しているときに、店主が、1曲目を聞き終えて一言。
「まぁ、ここからはデザートみたいなもんやな。」
とおっしゃっていました。
なるほど。確かに、チュニジアの夜に比べると、2曲目のheavy dipperは少し、勢いが落ちるかもしれません。
しかし、B面のすこぶる名演たるや・・・
こちらでもlee morganを「これでもか!」というくらい味わうことができて、もう文句なしの一級品。
これを、RVGの音質で楽しむことができるんだから最高のアルバムじゃないでしょうか。
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