右紺(再発RVG)なら買って大満足の商品。
Miles Davis All Stars – Walkin’ (Prestige PRLP 7076)
基本情報
- アーティスト: Miles Davis All Stars
- アルバムタイトル: Walkin’
- カタログ番号: Prestige – PRLP 7076, 7076
- 音源フォーマット: モノラル(リイシュー含む)
- リリース年: 1957年(オリジナル)、1964年(再発)
- レーベル: Prestige Records Inc.
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Hard Bop
トラックリスト
- Walkin’ (Carpenter) – Miles Davis Sextet
- Blue ‘N Boogie (Gillespie, Paparelli) – Miles Davis Sextet
- Solar (Davis) – Miles Davis Quintet
- You Don’t Know What Love Is (Raye, DePaul) – Miles Davis Quintet
- Love Me Or Leave Me (Donaldson) – Miles Davis Quintet
参加ミュージシャン
- Miles Davis Sextet (A面)(1954年4月29日録音):
- Miles Davis – トランペット
- J.J. Johnson – トロンボーン
- Lucky Thompson – テナーサックス
- Horace Silver – ピアノ
- Percy Heath – ベース
- Kenny Clarke – ドラムス
- Miles Davis Quintet (B面)(1954年4月3日録音):
- Miles Davis – トランペット
- Davey Schildkraut – アルトサックス(クレジットなし)
- Horace Silver – ピアノ
- Percy Heath – ベース
- Kenny Clarke – ドラムス
録音詳細
- 録音日・場所:
- 1954年4月3日(B面)
- 1954年4月29日(A面)
- Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey(ルディ・ヴァン・ゲルダー自宅スタジオ)
- 録音エンジニア/ラッカー盤カッティング: Rudy Van Gelder(RVG刻印あり)
- プロデューサー: Bob Weinstock
- ライナーノーツ: Ira Gitler
- カバーデザイン: Hannan
補足情報
- 本作は1954年に10インチ盤でリリースされた『Miles Davis All-Star Sextet』と『Miles Davis Quintet』の音源を12インチLPにまとめたコンピレーション。
- 「Walkin’」はハードバップ時代の象徴的楽曲で、Miles Davisの代表曲の一つ。
- 「Solar」はMiles Davis名義だが、実際にはギタリストChuck Wayne作の「Sonny」と酷似していると指摘されている。
- Davey Schildkraut(アルトサックス)はクレジットされていないが、B面3曲に参加。
- 初期盤はイエローNJラベル、ディープグルーヴ、RVG手書き刻印あり。
- 1964年以降の再発盤はブルー・トライデントラベル、ラミネートカバー。
- 「Walkin’」と「Blue ‘N Boogie」はセクステット、「Solar」「You Don’t Know What Love Is」「Love Me Or Leave Me」はクインテットによる演奏。
アルバムの特徴・評価
「Walkin’」は、ハードバップ時代の幕開けを告げる歴史的名盤です。J.J. Johnson、Lucky Thompson、Horace Silver、Percy Heath、Kenny Clarkeらとのセッションは、即興性とアンサンブルの妙が際立ち、Miles Davisのキャリアにおいても重要な位置を占めています。特にタイトル曲「Walkin’」は、以降のジャズの方向性に大きな影響を与えたと評価されています[5]。
私の持っている盤、Miles Davis All Stars Walkin’ PR7076手書きRVG刻印 右紺
最近は、会食やら体調やらが続き、バタバタしていてジャズレコードを聞く機会はあまりなく、更新が少し止まっていました。
そもそもこのブログは、前日の夜に聞いたレコードを、忘備録的な意味も兼ねて、ここに記録しているというブログです。
なので、コレクションはそれなりにあるのですが、それを記事として書くには一度レコードを聞き直さないとならないので、聞く機会がないと記事更新は進みません。
かといって、体調が悪いときにジャズレコードを聞きたくなるか?
といわれると、これがならないんですよね。
風邪を引いているときに、ジャズレコードをきいて体調が良くなったなんて言う話は聞いたことがありません。
ジャズレコードは心のオアシスや癒しになるという意見そのもの(があれば)は賛同ですが、体調を良くする効果はないと感じます。
ともあれそんなこんなで記事更新が止まっていました。
昨日無理やり聞いたのが今回紹介する、「Miles Davis All Stars Walkin’ PR7076手書きRVG刻印 右紺」というわけです。
無理やりって言うと語弊がありますが、とにかく聞きました。
このレコードって、非常に取り扱いが難しい一枚と感じます。マイルスの中でも。
カインド・オブ・ブルーやサムシン・エルスみたいに、マイルスの中でトップクラスを争うほど「高額な人気レコード」というわけでもないし、ブルーヘイズや「In Person Friday and Saturday Nights at the Blackhawk」のように人気が低いアルバムというわけでもない。(左記アルバムが好きな方はすみません。少なくとも、in personに関しては、演奏にハサミを入れているという点で私はあまり好きになれません。メンバーはモブレー含めてすごいんですけどね。)
で、このwalkin’のアルバム。ちょうどそれらの中間くらいに位置するアルバムなんじゃないかと思います。
オリジナル盤を入手しようとすると、私の持っている情報によれば直近のディスクユニオンセールで、VG++、小キズありで58,000円で出品されていました。
いや、そう考えると、マイルスのレコードの中でも「高額」の部類に入るのかもしれません。
しかしとにかく私の中ではすごく扱いの難しいアルバムで、CDで聞いていたときからもちろん、知っていたアルバムだったので、「ほしい」とは思うけれど、高額なオリジナル盤に手を出すほどではない。
かといって、RVG刻印バージョンを買おうと思ってもすぐに売り切れてしまうのでなかなか手に入れるのが難しいところです。
後述しますが、実はこのアルバム、もともとステレオVANGELERバージョンを持っていました。
というか今も持っています。
こちらのバージョンで所有しています。
どうしてもこのレコード、RVG(vangelder)刻印バージョンで手に入れたかったので、
こちらのレコードショップで、販売されていたので購入したのがだいたい1年前くらいでしょうか。
疑似ステレオ・リマスターなのである。この記事を書きはじめてDiscogsで盤を確認して、はじめて知った。レコードをモノラルカートリッジ(DL102)で聴いていたので、気がつかなかったのである。疑似ステレオ盤は、なんか嫌だよね、ということで避けていたのだけど。
(中略)
ステレオ・カートリッジに変えると、驚いたことにトランペットとドラムが前に迫り出して立体的に。昔のコロンビア盤での左右で高音・低音が泣き分かれ、のような悲惨なこともない。僅かに高音が右に寄ったような気がするが気にならない。それがスパイスのように立体感を醸している。
(中略)RVGのステレオ・リマスターは買い、かもしれないね。
https://dailymusiclog.hatenablog.com/entry/2023/10/14/100328
この記述を見て、まぁ、ステレオバージョンでいいやと思い買ってみたところ、実際に違和感はまったくなかったのでそのまま持ち続けていました。
しかし、仕事で、

こちらの、2025年5月17日(土)の新宿ジャズ館のセールに行きました。
厳密には、仕事で、その近くで予定があったので、セール開始時刻から30分遅れた11時30分くらいに、ディスクユニオン新宿ジャズ館にいってみたんです。
まぁ、セール商品のリストを見ても、特に欲しいものはなかったので、「中級品でいいから何かあるかもしれない。」くらいの軽い気持ちで行ったら、エレベーターで先輩コレクターたちとすれ違い(あっちは私のことは覚えていない)、意気揚々と帰っていくところでした(おそらくdiskunion jazz tokyoに行かれたのかな?と思う)。
きっと、良い品物をゲットして、帰路に向かう途中だったようで、案の定、ジャズ館についたときには、すでに良さそうなものは持ち去られていました。
「やっぱり中級で探すしかなさそうね。」
と思って、いくつかピックアップしたけれど、どれも検盤時点で状態が良くなく断念。
その中で、唯一、眼鏡にかなったのが今回紹介している、
「Miles Davis All Stars Walkin’ PR7076手書きRVG刻印 右紺」。
「カゼヒキ」と書かれていたのですが、ステレオ針で試聴してもそのカゼの傾向はわからない。
試しに店内スピーカーのモノ針で試聴させてもらってもカゼの傾向はなし。
価格は、まぁ、相場です。
右紺手書きRVGとしてはこんなものでしょう、という価格。
で、問題は、ステレオリマスターとはいえ、一枚自宅に持っていること。
「持ってなければ即買いなんだけどね。」
と迷った挙げ句、ステレオリマスター盤を手放す前提で結局買っていまいました。
たぶん、コレクターあるあるだと思うんですけど、「既存の盤と入れ替え」というのは、全く新しい盤を買うときと比べてワクワクしないものですね。
でも、実際に家に帰って聞いてみてもカゼヒキの傾向なし。
むしろノイズほぼなく(全くといっていい)安心して聞けるのは良かった。
演奏としては、やっぱりマイルスのミュートも当然いいんですけど、個人的にはラッキー・トンプソンが嬉しい。
というか、discogsのコメントでは、
ラッキー・トンプソンのぼやけたテナーも素晴らしいです
Miles Davis - Walkin'Discogs: 1968 Vinyl, Walkin'. リリースのクレジット、レビュー、トラックを確認し、購入。
などと書かれていましたが、駄耳で音楽知識もなにもない私には、このラッキー・トンプソンの演奏のどこがぼやけているのか、よくわかりませんが(translateの問題?)、でもとにかくラッキー・トンプソンの演奏が大好きです。
とにかくこの盤。
個人的には5万円以上かけて、オリジナル盤を買うのはどうかと考えてしまうのですが、3~5,000円くらいの相場で、紺色手書きRVGで買うなら十分価値があると感じます。
(ユーチューブが著作権の関係で消されてしまうのでEvernoteのリンクに変更しました。こちらでご試聴いただけます。)
ジャケットもこっちのほうがいいですね。
おっと、音について書き忘れていました。
音はやっぱり、モノラルの右紺だけあって良い音です。
オリジナルと比較できるわけではないのですが、手書きRVGだけあって、しっかりと音が前面に出ていて、演奏全体を存分に楽しむことができます。
ちょっとRVGの録音にしては「こもった音」に聞こえるのですが、全体としてはさすがRVGと唸らされます。
ちなみに、cotton clubさんは、この盤についてこのように語られていました。
PRLP7076 Walkin’
![]()
手彫RVG、手彫AB
ボヤけたベースに金属音が強いドラムス。サビに近づくと管のエコーの量を上げていく。実にRVGらしい。キレ味が出てきて、RVGの音は完成前夜だ。
本盤は演奏が凄い。このアレンジはホレスシルバーだろうか。心得たバッキング。この時代、シルバーは間違いなくハードバップのトッププレイヤーだ。
ステレオとの比較
こちらのリンクから、PRST7076のバージョンもご試聴いただけます。ステレオ針DL103です。
聴き比べてみてください。
Miles Davis – Walkin’ (Prestige PRST 7608 / PR 7608) – パープルラベル・ステレオリマスター盤の特徴
主な特徴
- リリース年: 1968年(ステレオ・リマスター再発盤)
- レーベル: Prestige – PRST 7608(ジャケット/ラベルでPR 7608表記もあり)
- ラベル仕様: パープル(紫)地にトライデント(矛)ロゴがトップに配置された「丸紺」ラベル(Prestigeの1960年代後半再発盤特有)
- フォーマット: LP, ステレオ・リマスター(ジャケットに「ELECTRONICALLY REMASTERED FOR STEREO」と明記)
- 音源: オリジナルはモノラル録音だが、本盤は電子処理によるステレオ化(疑似ステレオ)
- マトリックス/ランアウト: 両面とも機械打刻による「VAN GELDER」刻印あり(手書きRVGではなく、機械刻印のVAN GELDER)
- プレス情報: 1960年代後半Prestigeオリジナル工場によるプレス(All DiscやAbbeyなど)
- ジャケット: 表に「This Album Has Been ELECTRONICALLY REMASTERED For STEREO」と記載、裏面に旧カタログ番号(PR 7076)も併記
- デザイン/フォト: Don Schlitten
- ライナーノーツ: Martin Williams(1968年新規解説)
音質・コレクター的特徴
- オリジナルの手書きRVG刻印盤(NJラベル)とは異なり、VAN GELDERの機械刻印が特徴
- モノラル録音のため、音像は中央寄りで擬似的な広がりを持つが、オリジナルモノ盤に比べるとやや音の輪郭がぼやける傾向あり
- パープルラベルは1967~1971年のPrestige再発盤に多い仕様で、コレクター間では「丸紺」と呼ばれる
- ステレオ再発盤は、オリジナルのNJイエローラベルやファイヤーワークスラベルに比べて中古市場で安価だが、VAN GELDER刻印で音質面の信頼性は高い
その他の補足
- 内容(収録曲・パーソネル)はオリジナル『Walkin’』(PRLP 7076)と同一
- Prestigeのリイシュー方針により、人気タイトルはこのパープルラベルで大量に再発された
- 「VAN GELDER」機械刻印は、Englewood Cliffs移転後のプレスでよく見られる
- 「丸紺」ラベルは、後のOJC(Original Jazz Classics)シリーズよりも時代が古く、オリジナル・マスターに近い音質が期待できる場合がある
まとめ
Prestige PRST 7608の『Walkin’』は、1968年リリースのパープルラベル(丸紺)、電子ステレオリマスター盤で、機械刻印「VAN GELDER」が特徴です。オリジナルの手書きRVG盤やNJラベル盤とは仕様が異なり、コレクター的には再発盤扱いですが、VAN GELDER刻印による安定した音質と、独特のラベル・ジャケットデザインが魅力です[1][2][5]。
補足
あらためて、ステレオリマスターとモノラル(どちらも刻印あり)を聴き比べてもほとんど違い、わからないですね。
むしろ、ステレオリマスターの方が輪郭が出ているようにすら感じる・・・
価格が安い分、ステレオリマスターの方がお得かもしれませんね。
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