【あなたはどっち?】Miles Davis  Miles Davis And The Modern Jazz Giants PRLP7150 右紺RVG

4.0
miles davis

すっかり忘れていました。

やっぱりこのアルバム良いです。

Miles Davis – Miles Davis And The Modern Jazz Giants (Prestige PRLP 7150)

基本情報

  • アーティスト: Miles Davis
  • アルバムタイトル: Miles Davis And The Modern Jazz Giants
  • カタログ番号: Prestige – PRLP 7150
  • 音源フォーマット: モノラル
  • リリース年: 1959年(コンピレーションとしてリリース、1964年以降もリプレスあり)
  • レーベル: Prestige Records Inc.
  • ジャンル: Jazz
  • スタイル: Bop, Hard Bop

トラックリスト

  1. The Man I Love (Take 2) (Gershwin) – 7:59
  2. Swing Spring (Miles Davis) – 10:46
  3. ‘Round About Midnight (Hanighen, Williams, Monk) – 5:25
  4. Bemsha Swing (Monk, Best) – 9:33
  5. The Man I Love (Take 1) (Gershwin) – 8:29

参加ミュージシャン

  • Miles Davis – トランペット
  • Milt Jackson – ヴィブラフォン (A1, A2, B2, B3)
  • Thelonious Monk – ピアノ (A1, A2, B2, B3)
  • Percy Heath – ベース (A1, A2, B2, B3)
  • Kenny Clarke – ドラムス (A1, A2, B2, B3)
  • John Coltrane – テナーサックス (B1)
  • Red Garland – ピアノ (B1)
  • Paul Chambers – ベース (B1)
  • Philly Joe Jones – ドラムス (B1)

録音詳細

  • 録音日: 1954年12月24日(A1, A2, B2, B3)、1956年10月26日(B1)
  • 録音場所: Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
  • 録音エンジニア: Rudy Van Gelder
  • スーパーバイザー: Bob Weinstock

補足情報

  • オリジナル盤はイエロー/ブラックのファイヤーワークスラベル、Bergenfield, N.J.アドレス、ディープグルーヴ、コーティングジャケット仕様[1][2]。
  • 「The Man I Love」(Take 1)は元々10インチ盤でリリースされていた音源。
  • 1954年のクリスマス・セッションは、Miles DavisとThelonious Monkが唯一スタジオ録音で共演した歴史的セッションであり、Milt JacksonやModern Jazz Quartetのメンバーも参加[6][7]。
  • 「’Round About Midnight」は1956年のMiles Davis Quintetによる録音で、John Coltraneらが参加。
  • ライナーノーツ: Ira Gitler
  • マトリックス/ランアウト: PRLP-7150-A RVG / PRLP-7150-B RVG(RVG刻印入り)[2]。
  • コレクターズアイテムとしても人気が高く、アナログ盤は重厚な音質で評価されている。
  • 本作は、Prestigeレーベルの10インチ時代の名演や未発表曲をまとめたコンピレーション的内容。

アルバムの特徴・評価

「Miles Davis And The Modern Jazz Giants」は、Miles DavisとThelonious Monkの唯一のスタジオ共演を記録した歴史的名盤です。1954年のクリスマス・セッションでは、MonkとDavisの緊張感あふれるやりとりや、Milt Jacksonのヴィブラフォンが印象的な「The Man I Love」など、モダンジャズの巨人たちの個性がぶつかり合う名演が収録されています。また、John Coltraneを含む1956年のクインテットによる「’Round About Midnight」も本作の聴きどころです。Prestigeレーベルを代表する重要作であり、ジャズ史に残るセッションとして高く評価されています[6][7]。

私の持っている盤、Miles Davis  Miles Davis And The Modern Jazz Giants PRLP7150 右紺RVG

このアルバム、1ヶ月くらい前に伊勢に行って、帰ってくるときにオンラインで取り寄せておいた、このアルバムを町田店で試聴して購入。

そのまま1ヶ月くらい聞かずにそのまま放置してしまっていました。

で、昨日、思い出して聞いてみた次第です。

なんだか、「20年前の懐かしい記憶」が蘇ってきました。

20年前。つまり私が20歳のとき。

当時勤めていたブックオフで、同じアルバイトで片思いをしていた女性が、「私ジャズ好きなんだよね。」と言ったのをきっかけに、その子と仲良くなりたくてひたすらジャズアルバムを聞き漁りました。

その後に分かったことですが、そのこは「ジャズが好き」と言っても、クラブジャズとか、なんていうかノリの良いジャズが好きと言うだけで、王道のモダンジャズはチンプンカンプン。

「セロニアスモンク、いいよね~。」

と、そのことお近づきになるために、聞きかじりのジャズの知識を披露して、そのことの話題を広げようとしたら、

「へ?」

と、てんでわかりませんでした。

で、結局、そのことは音楽の話題も合わずに、馬も合わずに、結局離れ離れになってしまったのですが、私には「ジャズ」という趣味だけが残りました。

その後、15年ほどして、今度は「ジャズレコード」という形で趣味が再燃することになるのですが・・・

その話はおいておいて。

その、20年前、当時好きだった女の子に好かれるために聞き始めたジャズ。

当然何の知識もなく、当時はネットなんてなかったので、雑誌や本でジャズの情報を探るしかなかった(ブックオフに勤めていたので幸い知識を集めるのにはさほど苦労しなかった)、のですが、その中で、「名盤」として取り上げられていたのが今回取り上げる、

「miles davis and the modern jazz giants」。

私の記憶に強く残っていて、今回このレコードを聞いて、その記憶が鮮明によみがえったのは、何を隠そう、この一曲目。

ミルトジャクソンのvibraphoneの旋律から始まる、the man i love。

男で、「この旋律にヤラれない人」はいるのかな?

と思うほど、極めて美しい旋律。

この一音目を聞いた瞬間に20年前の淡く、切ない恋心がよみがえってきました。

そういう、過去の音楽と恋愛を心に紐づけている人は多いんじゃないんでしょうか。

で、今冷静にある程度、ジャズの知識をつけて聞いてみても、やっぱり良いです。

当時は「喧嘩セッション」の由来も音楽のこともよくわからず、「美しい」と思って聴いていただけだったんですけど・・・

でも確かに、「モンク」は途中でピアノの演奏をやめているように感じられます。

そしてそれに対して、「ヤレ!ヤレ!」とでも言わんばかりに、マイルスがトランペットで背中を押しているように感じられます。

この「The Man I Love」も必聴盤から外せない。本当にケンカをしたのか真相は不明だが、モンクは途中で演奏をやめてしまうところが録音されているんだから面白いったらない。マイルスの「弾け弾け」といわんばかりのトランペットに押し出されてピアノを弾くモンク。それを受けてマイルスがミュートを差し込む音。すべてがドラマでしかも演奏は素晴らしい。テイク2ではハプニングなく完奏しているのに、そのやめた方のテイク1をA面の冒頭にもって来て

Just a moment...

ジャズ談義でもこのように書かれていますが、でも確かに、ハプニングのあったtake1の方が、なんか美しく感じられるんですよね。

で、このthe man i loveとか、喧嘩セッションとかについては、もう散々ネットや書籍で語られているから私はここまでにして。

私が気になったのは、B面1曲目の「round about midnight」。

当然、多くの人がマイルスデイヴィスのコロンビア盤のround about midnightを思い浮かべると思いますが、このアルバムには、マラソンセッションの5人によるround about midnightがコンピレーションされています。

当然私も、コロンビア盤のround about midnightが頭に強く残っているのですが、このプレスティッジ盤のround about midnightを聞いて、

「うーん、っていうかこっちのほうが良くない?」

と思ってしまいました。

確かにコロンビア盤のような、どこか優雅でどこか大人で、どこか妖艶な雰囲気は少し欠けているかもしれません。

しかしその分、このプレスティッジ盤のround about midnightには「鬼気迫る」感じが伝わります。

その原因はなんと言ってもコルトレーン。

正直、他の4人は、コロンビア盤のround about midnightとさほど演奏は変わらないように感じられるのですが、コルトレーンだけ、全然違うように吹いています。

コロンビア盤では、余裕をもって落ち着いて吹いているように感じられるのですが、プレスティッジ版では、まるで「残り少ない命の火を燃やし尽くすかのように」吹いています。

厳密には、そんなことはなく、コルトレーンはその後も、生きていきますが、このプレスティッジ版のラウンドアバウトミッドナイトにおける、コルトレーンは鬼気迫る感じがあります。

そこで気になりました。

例えば、マラソンセッションにおける4部作は、ご存じのように、

1956年5月11日

1956年10月26日

の2セッションに分かれていて、多くの人が、

「この期間でのコルトレーンの成長が著しく、10月録音の曲の方が良い」

と評しています。

もちろん、それは人によって考え方や感じ方は違うでしょうが、まるでそれと同じように。

同じ、「ラウンドアバウトミッドナイト」であるにしても、コルトレーンの演奏が全然違うように感じられます。

特にコルトレーンが好きな筆者としては、このあたりの「同じ曲なのにコルトレーンの違い」というのがどうしても気になってしまいました。

サクッとネットで調べた限りでは、

「コロンビア盤もプレスティッジ盤も、ラウンドアバウトミッドナイトは1956年10月26日に録音された」

と書かれていました。

「ん?同じ日に、別々のレーベルに向けて同じ曲を2回吹いたということ?それぞれ別のスタジオで?」

そんなことあるのか?と思い、AIに以下の質問を投げかけてみました。

milesdavisのround about midnightについて。

コロンビアの「round about midnight」のアルバムと、プレスティッジにおける、miles davis and the modern jazz giants(PRLP7150)の「round about midnight」同じ曲ですが、2種類の演奏があります。

少し調べた限りではこちら、どちらも、1956年10月26日に録音されたと書かれているようなのですが、少なくともコロンビアのラウンド・アバウト・ミッドナイトについては、コロンビアスタジオで録音されたという記録を見つけました。

真実はどれでしょうか?

同じ日(1956年10月26日)にマイルスとそのセッションたちは、コロンビアスタジオとvanlederスタジオ(?ちょっとここは定かではありませんが)で、同じ曲を別々に録音したということなのですか?

それとも全く別の日に別のスタジオで録音されたのでしょうか?

すると、どうでしょう。AIの回答はすべてまちまち。

使ったのは、

claude

perplexity

gemini

chatgpt

全部に同じ質問を投げかけたんですけど、それぞれ全く違う録音日を示してきて話になりませんでした。

そこで、

コロンビア盤ラウンドアバウトミッドナイト

Just a moment...

マイルスデイヴィスアンドザモダンジャズジャイアンツ

Just a moment...
Just a moment...

それぞれ、discogsの、録音日やスタジオの情報を読み込ませ、回答を求めたところ、

  • コロンビア版:1956年9月10日にコロンビアの30丁目スタジオで録音
  • プレスティッジ版:1956年10月26日にVan Gelder Studioで録音

 

ということで落ち着きました。

すべてのAIで同じ回答が出たので、おそらく間違いないでしょう。

Just a moment...
Just a moment...
‎Gemini - マイルス「Round About Midnight」録音日
Created with Gemini Advanced
ChatGPT - Round About Midnight 録音日
Shared via ChatGPT

どこまで、同じものが見られるのかはわかりませんが、良ければ、上記がAIの回答のリンクです。

まぁ、そもそもdiscogsの情報が合っているとは限らないんですけどね。

とはいえ、とにかく。この情報が正しいと仮定するならば、コロンビア盤とプレスティッジ盤の「round about midnight」には1ヶ月ほどの録音時期の差があるわけです。

この1ヶ月の間に、「コルトレーンに何があったの?」と言いたくなるような鬼気迫る感覚を感じられます。

ちなみに、コルトレーンが「化けた」とされるアルバムのgiant stepsはどうやら、1959年5月のセッションのよう。

ジャイアント・ステップス - Wikipedia

同じく、真骨頂とされるblue trainは、1957年の9月みたいですね。

Just a moment...

その辺のコルトレーンの「変化」の事情はわかりませんが、私としては明らかに、1956年の10月に録音したとされる、「プレスティッジ盤のround about midnight」の方が好き。

それか、コロンビア盤を聞き慣れすぎて、単純にプレスティッジ版の「round about midnight」が新鮮に聞こえているだけなんでしょうか・・・?

あなたはどっち?

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あ、そうそう。肝心の音ですが・・・

右紺RVGですが。全然問題ないですよ。

確かに、他のプレスティッジオリジナル、いわゆる黄黒に比べると、音の迫力の面では劣るように感じなくないんですけど、ミルトジャクソンが奏でる、美しいvibraphoneの演奏を楽しむには、この右紺RVGで十分です。なにせ、3,000円台だから文句なし。

オリジナルは最低でも10倍はするでしょうしね・・・

このアルバム聴くなら、右紺。オススメです。(状態が良ければ)

というか、RVGのvibraphoneの音色。改めて聞くと、すっごく綺麗ですね。「黄昏のヴェニス」のアルバムを持っていますけど、そっちよりもやっぱり、音は綺麗です。RVGはvibraphoneの音色にこだわりがあったのでしょうか?

 

 

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