今更私が言うまでもないことですが、文句なし。超一級品の作品、アルバムです。
やはりこのアルバムは、RVG盤で聴きたい。
ジャズ談義でもこのように語られています。
この盤はガーランドのキンコンカンコンで始まる①イフアイワーベルが親しみやすく、この盤の人気を高めていると思う。選曲も10月分が多く、ビバップらしい曲がラスト⑥ウッディンユーくらいなので聞きやすい。(hand)
マイルスの全作品の中で、私はこのRelaxin’が一番好きだ。マイルスのデリケートな演奏が、ミディアムテンポで表現されている最高に「粋」を感じる一枚だ。冒頭の「曲名は後で教えるよ」とのマイルスの声。そこからはじまるリラックスした雰囲気の中での最高な演奏。二曲目のガーランドがイントロをマイルスの指示で弾き直すところや、B面最後のワインストック、マイルス、コルトレーンの会話の面白さがアクセントになり、演奏はそういう雰囲気と一体化した素晴らしいもので、ジャズってなんてかっこいい音楽なんだと感じさせてくれる。また、ここでのレッド・ガーランドのソロは、彼のすべての演奏の中でも最高の部類に属すると思う。(しげどん)
https://www.jazzdangi.com/miles-davis/miles-davis-%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E4%BD%9C-3/
そうなんですよね。
始まりからした超ワクワクするし、ジョン・コルトレーンの演奏も完成されていて素晴らしい。何よりマイルスの超絶頂期。
無駄を省いた音の粒たちにうっとり。
確かにビバップっぽい曲がラストの6だけなのもすごくありがたい。
とにかく聞き惚れるアルバムです。
特に、後半にくる「It Could Happen To You」を持ってくるという憎らしい選曲にもついうっとりさせられてしまいます。
The Miles Davis Quintet – Relaxin’ With The Miles Davis Quintet (Prestige PRLP 7129, 1958)
盤仕様・特徴
- リリース年: 1958年3月
- レーベル: Prestige – 7129 / PRLP 7129
- フォーマット: LP, モノラル, Abbey Press
- プレス仕様:
- イエロー・ファイヤーワークス(花火)ラベル
- 「Prestige Records, Inc., 203 South Washington Ave., Bergenfield, N.J.」住所表記
- 両面ディープグルーヴ(2.75インチ)
- Abbey Record Manufacturing Co., Inc.プレス(ランアウトに「⇧」矢印刻印、21mmの小プレス痕がSide Aにあり)
- ランアウト刻印:両面に「RVG」+「⇧」+sideways “c”/”C”
- ジャケット仕様: 厚紙、ラミネート加工フロント
- カタログ番号: ジャケット:7129/ラベル:PRLP 7129
パーソネル
- Miles Davis – トランペット
- John Coltrane – テナーサックス
- Red Garland – ピアノ
- Paul Chambers – ベース
- Philly Joe Jones – ドラムス
- プロデュース/監修: Bob Weinstock
- 録音/マスタリング: Rudy Van Gelder(Van Gelder Studio, Hackensack, NJ)
- デザイン: Esmond Edwards
- ライナーノーツ: Ira Gitler
トラックリスト
- If I Were A Bell (Frank Loesser)
- You’re My Everything (Warren, Young, Dixon)
- I Could Write A Book (Rodgers-Hart)
- Oleo (Sonny Rollins)
- It Could Happen To You (Burke-Van Heusen)
- Woody’n You (Dizzy Gillespie)
この盤特有のポイント
- Prestige黄金期のオリジナル・プレス:花火ラベル、両面ディープグルーヴ、RVG刻印、Abbeyプレス(矢印刻印)の組み合わせはコレクターズ仕様。
- Abbeyプレス特有の21mm小プレス痕(Side A)、両面2.75インチDG。
- 音質はVan Gelder録音によるアナログらしい温かみと空気感が魅力。
- 「Relaxin’」は「Cookin’」「Workin’」「Steamin’」と並ぶPrestige 4部作の一つで、特に人気が高い。
- ラミネートジャケットやマトリックス刻印のバリエーションもコレクターズポイント。
内容・評価
- 1956年5月11日&10月26日録音。リラックスした雰囲気とマイルスのミュート・トランペットが印象的。
- 「If I Were A Bell」「Oleo」「Woody’n You」など、ライブでも定番の名演を多数収録。
- 黄金のクインテット(Coltrane, Garland, Chambers, Philly Joe)によるハードバップの代表作。
- AllMusicやThe Penguin Guide to Jazzでも高評価。ジャズ入門者からコレクターまで幅広く支持される名盤。
まとめ
『Relaxin’ With The Miles Davis Quintet』PRLP 7129は、Prestigeレーベルの中でも特に人気の高いマイルス・クインテットの名盤。両面ディープグルーヴ、RVG刻印、Abbeyプレス(矢印刻印)という初期仕様の決定版で、音質・内容・仕様の三拍子が揃ったコレクターズ・アイテムです。
私の持っている盤、The Miles Davis Quintet Relaxin’ With The Miles Davis Quintet PRLP7129 NJ RVG
個人的には、マイルスのアルバムの中では一番好きかもしれません。
もちろん、マイルスの名盤といえば、kind of blueやsomethin’elseなどが挙げられると思います。
もちろん、あれもオリジナル・もしくはオリジナルに近いバージョンで持っていて、好きではあるんですけど、あれ、どうしても。
気になる点が・・・キャノンボール・アダレイがいるんです。
別にキャノンボール・アダレイが嫌いというわけではないんですけど、自分自身、あまり気づかずにいたのですが、ジャズの楽器においてなぜかそれほど「アルトサックス」が好きになれないみたいです。
アート・ペッパーは少し別。
【至上の雰囲気】Art Pepper Meets The Rhythm Section C3532 2色 マトD2 ジャズレコードオリジナル盤収集のはしり
このミーツザリズムセクションは最高のアルバムだと思っています。
とはいえ、art pepperの作品なら全部好きかと言われるとそうでもなくて。surf rideも一度は買いましたけど、全然好きにはなれませんでした。
そんなふうに。
自分の中では、結構、アルトサックスに好き嫌いが分かれるようで、話を戻すと、kind of blueやサムシン・エルスは、嫌いじゃないけれど、正直、アルトサックスがなくてもいいかななんて、素人考えで思ってしまう。
大して、このRelaxin’。
つまり、マラソンセッションにおいては、ホーンはマイルスとジョン・コルトレーンのみ。
たっぷりと存分にこの二人の競演を楽しむことができます。
しかしご存知のように、マラソンセッションは2つの録音にまたがっています。
1956年の5月と10月の録音。それらの録音がごっちゃになっているのが、このマラソンセッションの特徴。
その中でもこのRelaxin’は、10月の録音が中心なので、コルトレーンの成長がある程度、表面化し始めたあとのいわゆる「完熟したセッション」とされています。
とにかくコルトレーンのレベルの違いが顕著にわかるのが面白いともされているのですが・・・
当然私の駄耳にはそのコルトレーンの「音楽的違い」なんてわかるわけがありません。
しかし、レコードのコレクター価値的に言うと。
本当にこの「Relaxin’」は手に入らないんです。
そもそも私は、Relaxin’以外は全マラソンセッション持っていました。
steamin’、workin’、cookin’も。
ただ、状態が納得行かずに何度も買い替えをしてようやく落ち着いたのですが・・・
それでも。
「Relaxin’だけは全然手に入らない!」
と嘆いていました。
一部、ネット上でも、「Relaxin’が一番入手しづらいとされています。」と言った意見もありました。
事実これまでも何度も、様々なショップで出品されていましたが、すぐに売り切れていました。
halsさんでも、
112971
MILES DAVIS
RELAXIN’
METRONOME
7129
N-
A-
DENMARK
\7,500
(\8,250)
Mono 緑ラベル/デンマーク盤 RVGスタンパー使用と音質に定評あり。コーティング/フリップバック・ジャケも良し。
このように出品されて、購入の手続きを進めても、
「売り切れました。」
と言われる次第。
本当に、マイルスのマラソンセッションの中で。
いや、マイルスのレコード全体の中でも、かなり入手困難なアルバムです。このRelaxin’は。
入手の経緯
でも、そうしてもうRelaxin’を求め続けて5年くらい。
案外あっさり手に入ることがあるもんですよね。
もちろん、オリジナル盤がいいにはいいんですけど、でもオリジナル盤を入手しようとすると最低でも5万前後はするので、もとからオリジナルはいらなかった。
紺色レーベルバージョンやメトロノーム、もしくはNJバージョンでいいから欲しかった。
ネットでたまに出品されるけど、高くてとても手が出せない。
例えばこういうの。

まぁ、これでも相場からするとかなり安いのかもしれませんが、正直、セカンドに3万円もかけるのはちょっと億劫でした。
で、そうこうして、ほとんど、
「まぁ、無理だろうな」
と思っていたのですが、実家の伊勢にいるときに、ちらっとディスクユニオンのオンラインショップを見ていたら、なにげにこちらが出品されていました。
「ん?」
と驚き。
というのも、NJバージョンとはいえ、9800円くらいの値段。
もちろんRVG付き。
正直、リスクは感じたものの、
「まぁ、失敗してもいいか」
と思って試しに購入。
実際に、手にして家で聞いてみたら驚愕。
状態完璧。
こちらの視聴用URLで聞いてもらえればわかるのですが、後半の方でごくごく僅かに「プチ」というノイズが一回入ったのみでそれ以外は完璧です。
全く文句なくEX+でも問題ないくらい。
しかしよくこれで、9800円くらいで手に入ったなと、衝撃です。
セカンドコレクターになってから、改めて思うことですが、
「状態の悪いオリジナルを手に入れるくらいなら状態の良いセカンドのほうが100倍良い」
これまでだって、何度か、Relaxin’。
オリジナル盤が入手できなくない機会もあったのですが、それでも「状態が良くないなら妥協して買っても仕方ない」と思いスルーしてきました。
ずっと待っていて本当に良かったと思います。
肝心の音と演奏
で、肝心の音と演奏。
もうね、最高です。
正直、オリジナルを持っているわけではないので、オリジナルと比較できるわけでもないし、メトロノームや紺色バージョンを持っているわけでもないのでそれとも比較はできない。
しかし、少なくとも。cookin’はオリジナルと近いバージョンを持っていますが、それとそれほど音質は変わらないように感じます。
やはり、プレスティッジのRVGだけあって、ボリュームをかなり絞っても演奏をじっくり楽しむことができる。
朝起きて、ボリュームの時刻を見て、
「え?こんなに小さい音量で聞いていたの?」
と驚くくらいでした。
音圧が凄まじい。
RVGの音だからやっぱりいいんですよね。
超濃厚。
超重圧。
十二分にマイルスの演奏を楽しめます。
「オリジナルのNYCならもっと良い音がするの?」
と気になる人もいるかもしれませんが、個人的には「絶対変わらない」と自信を持っています。
いや、本物のコレクターからすると、
「オリジナル盤の音を舐めるんじゃない。」
と諭されてしまうかもしれません。
批判は甘んじて受け入れます。
あくまでも私の駄耳による判断。
本当に良い音です。
よく言われる、2曲目の「マイルスによる修正」も面白い。
2曲目の冒頭。
シングルトーンで入ろうとしたレッド・ガーランドに対して、
ブロックコードで弾くように指示するマイルス。
私にはそのシングルトーンでやった場合と、ブロックコードのバージョンによる違いはわからないのですが、
なんとなくですが、最初の入りがブロックコードだからこそ、マイルスのトランペットがより鮮明になっているようにも感じます。
演奏も音もとにかく素晴らしいアルバム。
個人的には、私が今回手にしたのはNJバージョンでしたが、
紺色バージョンでも十分。
とにかく、このアルバムは絶対に状態の良いRVG盤で聞いてほしい超名盤です。
でも、何よりこのアルバム。オランダ盤だっけ?
の美女ジャケなんかも話題になりますが、やっぱりこのアルバムに関しては、オリジナルのジャケットでほしいですよね。
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