レコードの正しい保管方法|カビ・反りを防ぎ、大切な一枚の価値を守る完全ガイド
ご実家の整理で見つかった大切なレコード。「これは形見として残そう」と決めたものの、どうやって保管すれば良いか分からず、お困りではありませんか?レコードは非常にデリケートで、間違った保管方法は価値を大きく損なう原因となります。この記事では、あなたの大切な「音の形見」を、カビや反りから守り、その価値を未来へ繋ぐための正しい保管方法を徹底解説します。
なぜレコードはデリケート?劣化の3大原因を知ろう
レコードの価値を維持するためには、まず敵を知ることから始めましょう。レコードを劣化させる主な原因は「湿気」「熱」「圧力」の3つです。これらが、それぞれ「カビ」「反り」「キズ」という最悪の結果を引き起こします。正しい保管とは、この3つの大敵からレコードをいかに守るか、ということに他なりません。
【基本のき】レコードの正しい置き方・収納方法
保管方法で最も重要かつ基本的なのが「置き方」です。間違った置き方は、レコードに修復不可能なダメージを与えてしまいます。
絶対にNG!やってはいけない置き方
まず、絶対にやってはいけない置き方を2つ覚えてください。
- 平積み(重ね置き): レコードを何枚も水平に重ねて置く方法です。下のレコードに重み(圧力)がかかり、盤が歪む「反り」の直接的な原因となります。また、ジャケット同士が密着し、湿気がこもりやすくカビの原因にもなります。
- 斜め置き: 壁などに立てかけて斜めに置く方法です。これもレコード自身の重みで盤が歪み、「反り」を引き起こします。
唯一の正解は「垂直に立てて保管」
レコードの唯一正しい置き方は、本棚に本を立てるように「垂直に、まっすぐ立てて保管する」ことです。これにより、レコードへの不要な圧力を最小限に抑え、反りを防ぐことができます。ジャケット同士が過度に密着しないため、通気性も確保しやすくなります。
レコード棚の選び方のポイント
垂直に保管するためには、専用のレコード棚や、頑丈なカラーボックスなどを活用するのがおすすめです。選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 強度: レコードは見た目以上に重いです。100枚で約20kgにもなります。棚板が重みに耐えられる、頑丈なものを選びましょう。
- 通気性: 湿気がこもらないよう、背板がないオープンなタイプの棚が理想的です。
- 仕切り: レコードが倒れて斜めにならないよう、ある程度の枚数ごとに仕切りがあるものが望ましいです。
カビを防ぐ!湿気対策のポイント
レコードの大敵である「カビ」は、一度発生すると完全に取り除くのは困難です。カビを防ぐためには、湿気対策が欠かせません。
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保管場所の選び方
まず、風通しが良く、直射日光の当たらない、温度と湿度の変化が少ない場所を選びましょう。押入れやクローゼットの奥、地下室、屋根裏などは湿気がこもりやすいため、避けるべきです。
定期的な換気と除湿剤の活用
理想は、定期的に部屋の換気を行い、空気の流れを作ってあげることです。それが難しい場合は、レコード棚の近くに市販の除湿剤を置くだけでも効果があります。特に梅雨の時期は注意が必要です。
反りを防ぐ!熱と圧力から守る方法
盤が波打つように変形してしまう「反り」は、再生時の音飛びの原因となり、レコードの価値を致命的に下げてしまいます。
直射日光は天敵
レコードの主成分である塩化ビニールは熱に非常に弱いです。直射日光が当たる場所に置くと、短時間で反りが発生してしまいます。窓際など、直射日光が当たる可能性のある場所には絶対に置かないでください。
レコードを詰め込みすぎない
棚にレコードをぎゅうぎゅうに詰め込むと、レコード同士の圧力で反りの原因になります。また、取り出す際にジャケットや盤面を傷つけることにも繋がります。棚には少し余裕を持たせ、スムーズに出し入れできる状態を保ちましょう。
まとめ:正しい知識で、大切な一枚を未来へ
レコードの保管は、少しの知識と気配りで、その価値を大きく左右します。「垂直に立てる」「湿気と熱を避ける」という基本を守るだけで、あなたの大切な「音の形見」は、何十年先も美しい音を奏で続けてくれるでしょう。正しい保管を実践し、故人との思い出、そして音楽の価値を、未来へと大切に繋いでいってください。
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