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Blue Note(ブルーノート)レコードの年代判別ガイド|住所・耳・溝でオリジナル盤を見分ける方法

レコードの知識

Blue Note(ブルーノート)レコードの年代判別ガイド|住所・耳・溝でオリジナル盤を見分ける方法

中古レコード店の棚から引き抜いた、憧れのBlue Note(ブルーノート)。値札には「NYラベル」と書かれ、相場より少し安い。あなたは今、目の前のBlue Note盤を手に取りながら、スマホでこの年代判別ガイドを読んでいませんか?

「これは本当にお買い得なオリジナル盤なのか、それとも後年の再発盤なのか……」

その迷いは正解です。Blue Noteの世界では、ラベルの住所だけを信じると、1966年以降の安価な再発盤を掴まされるリスクがあります。しかし、安心してください。私が3万枚の査定で培った「住所・耳・溝」の3点確認術を使えば、目の前の盤の正体をわずか30秒で見破ることができます。

この記事では、あなたが店先で迷うことなく、自信を持って「本物の音」を手に入れるための鑑定チャートを公開します。

この記事を書いた人
  • ケン

    私自身の苦い後悔を原点に、「レコードの価値を未来へ繋ぐ」という信念で、一枚一枚の記事を執筆しています。収集の喜びも、売却の知識も。セカンドコレクターとして全力で文章を綴ります。 → プロフィール


なぜ住所だけでは不十分なのか?Blue Note年代判別の「3つの神器」

かつての私もそうでしたが、多くのコレクターが最初に覚えるのは「ラベルの住所」です。しかし、住所はあくまで「目安」に過ぎません。Blue Noteの年代判別を完璧にするには、以下の「3つの神器」をセットで見る必要があります。

  • ラベル住所(Address): おおまかなリリース時期を示す「ヒント」
  • 耳マーク(Ear Mark): 1966年以前の製造を証明する「絶対的な証拠」
  • 深溝(Deep Groove): プレス機の世代を特定する「年代の刻印」

なぜ住所だけでは不十分なのか。それは、Blue Noteが1966年にLiberty(リバティ)社に売却された際、「古い住所が印刷されたラベルの余り」をそのまま使って再発盤をプレスしたという歴史があるからです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 鑑定の優先順位は「耳 > 溝 > 住所」の順で確認してください。

なぜなら、住所がどれほど古く見えても、盤面に「耳」がなければ、それは1966年以降のプレスであることが確定するからです。この優先順位を間違えると、数万円の損失に繋がります。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。

【秒速判定チャート】ラベル住所・耳・溝の組み合わせ一覧表

店頭でスマホを片手に確認できるよう、主要な判別基準をマトリックス形式でまとめました。目の前の盤の特徴と照らし合わせてみてください。

ラベル住所 耳(Pマーク) 深溝(DG) 推定年代・プレスの正体 価値の目安
161 Lexington Ave あり 両面あり 1951〜1957年(超初期オリジナル) 家宝級のオリジナル
47 West 63rd あり 両面あり 1957〜1959年(初期オリジナル) 垂涎の初期オリジナル
63rd (INC/Rあり) あり 片面/両面 1959〜1962年(中期オリジナル) 納得の真贋、高価値
New York USA あり なし/片面 1962〜1966年(後期オリジナル) 黄金期を締めくくる逸品
New York USA なし なし 1966年以降(Liberty社による再発) 納得の音質だが再発盤
Division of Liberty なし なし 1966〜1970年(Liberty期再発) 入門に最適な再発盤

1966年の罠を回避せよ!「耳なしNYラベル」とオリジナル盤の境界線

ここで、あなたが最も注意すべき「1966年の罠」について詳しく解説します。

Blue Noteのオリジナル盤を定義する最大の要素は、プレス工場であるPlastylite(プラスティライト)社です。Plastylite社でプレスされた盤には、必ずデッドワックスに手書きの「P」の文字、通称「耳マーク」が刻印されています。

しかし、1966年にBlue NoteがLiberty社に買収されると、プレスは別の工場へ移り、この耳マークが消滅しました。「NY USAラベル」と「Liberty社による再発」は、ラベルデザインが酷似していますが、耳マークの有無という決定的な違いがあります。

耳マークのないNYラベルを「耳なしNY」と呼び、コレクターの間では明確に区別されています。耳マークのない盤は、たとえラベルがNY住所であっても、オリジナル盤としての価値はありません。

刻印の深層:RVGとVAN GELDER、そして「手書き」の意味

次に、盤面の「音の戸籍」とも言える刻印を確認しましょう。

Blue Noteの音響を支えたエンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)。ルディ・ヴァン・ゲルダーが直接カッティングを施した証であるRVG刻印は、Blue Note特有の音質を決定づける核心的な要素です。

  • RVGスタンプ: 1500番台から4000番台初期の標準。
  • VAN GELDERスタンプ: 1960年頃から移行。
  • 手書きRVG: 1500番台の極初期に見られる希少な仕様。

このRVG刻印がない盤は、ヴァン・ゲルダー以外のエンジニアが別のマスターからカッティングした可能性が高く、Blue Note特有の「迫りくる音圧」が欠けていることが少なくありません。音質と市場価値の両面において、RVG刻印の有無は決定的な判断材料となります。

よくある質問:ジャケットと中身の住所が違うのは「偽物」か?

店頭でよく遭遇するのが、「ジャケット裏の住所は47 West 63rdなのに、中のレコードはNew York USAラベル」というケースです。こうした不一致は「ニコイチ(中身の入れ替え)」を疑うべきでしょうか?

結論から言えば、必ずしも偽物ではありません。

当時のBlue Noteは、在庫のジャケットと新しくプレスした盤を柔軟に組み合わせて出荷していました。特に住所の切り替わり時期(過渡期)には、古い住所のジャケットに新しいラベルの盤が入っていることは日常茶飯事でした。

Blue Noteの出荷管理は現代ほど厳格ではなく、プレスの切り替わり期には新旧のパーツが混在して出荷されることが一般的であった。

出典: LondonJazzCollector “Blue Note Label Guide” – LondonJazzCollector, 2023年参照

大切なのは、ジャケットの住所に惑わされず、盤そのものが持つ「耳マーク」や「深溝」の証拠を優先することです。

まとめ

Blue Noteの年代判別は、一見複雑ですが、以下の3点をチェックすれば答えは出ます。

  • 耳マーク(Pマーク)はあるか?(1966年以前の証)
  • 住所はどこか?(Lexington > 63rd > NY USA)
  • 深溝(DG)はあるか?(4000番台初期までの証)

これで、目の前のBlue Note盤の正体は暴かれました。もしその盤に耳マークがあり、住所が年代と一致しているなら、それは手に入れる価値のある「本物の Blue Note」です。

自信を持って、その1枚をレジへ持っていってください。あなたが手にするのは、単なる古いレコードではなく、ジャズ黄金時代の熱狂そのものなのです。

参考文献

  • LondonJazzCollector “Blue Note Label Guide”
  • Radio Days Records “Blue Noteの鑑定”
  • Discogs Database (Blue Note Pressing Variations)

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