チェットを存分に堪能できる盤・・・ではないけれど。
でも当時のハードバップが凝縮されている盤。
Chet Baker – Art Pepper – Phil Urso – Picture Of Heath(Pacific Jazz PJ-18, 1965年USモノラル再発盤)
盤仕様・特徴
- リリース年:1965年(オリジナルは1956年、ジャケットやパーソネル等は1957年公開)
- レーベル:Pacific Jazz – PJ-18(Liberty配給)、World-Pacific Records傘下
- フォーマット:LP, Album, Reissue, Mono(ステレオ盤も存在、今回はモノラル盤)
- ラベル仕様:センターレーベルに「Pacific Jazz a division of Liberty Records Los Angeles, California」表記
- ジャケット:William Claxton撮影写真、Woody Woodwardデザイン。裏面ライナーノーツはLars Werner(1957年1月)
- マトリクス・ランアウト:
- サイドA:PJ-18 A 860(ラベル:A 860)
- サイドB:PJ-18 B-860(ラベル:B 860, A刻み消し有)
- 権利・著作表記:©1961 World-Pacific Records, Liberty Records配給
パーソネル
- Chet Baker – トランペット
- Art Pepper – アルトサックス
- Phil Urso – テナーサックス
- Carl Perkins – ピアノ
- Curtis Counce – ベース
- Lawrence Marable – ドラムス
トラックリスト
- Picture Of Heath(Jimmy Heath)6:44
- For Miles And Miles(Jimmy Heath)6:24
- C.T.A.(Jimmy Heath)5:09
- For Minors Only(Jimmy Heath)3:59
- Minor-Yours(Art Pepper)6:40
- Resonant Emotions(Jimmy Heath)5:41
- Tynan Time(Art Pepper)5:31
作曲家:A1–A4, B3 Jimmy Heath/B2, B4 Art Pepper
この盤特有のポイント・コレクター情報
- PJ-18はChet Baker×Art Pepper傑作バップ〜クールジャズの代表的セッション。
- J・Heath作品中心で、ピアノのCarl Perkins、ベースCurtis CounceなどUS西海岸ならではの柔らかなアンサンブル。
- 1965年Liberty配給再発(モノラル盤)は音質・収集価値とも安定、オリジナル盤より入手性が高い。
- ラベル・ジャケットともPacific Jazz独特の意匠。ランアウトマークで状態・プレス時期判別可。
まとめ
『Picture Of Heath』(Pacific Jazz PJ-18, 1965年モノラル再発)は、Chet Baker・Art Pepper・Phil Ursoの西海岸セッションを記録した名盤。Jimmy Heathの美しい曲構成、Carl PerkinsとCurtis Counceのリズムセクション、洗練されたクールジャズ~バップが詰まった定番LPです。
私の持っている盤、Chet Baker Art Pepper Picture Of Heath PJ18 青銀
これがいいんですよね。これが。
これは今年のはじめの方に、2025年初頭に入手した盤です。
もともとチェット・ベイカーは好きで、ディスクユニオンのセールに参加すると、結構な頻度で「Playboys」のジャケットを目にする。(売れ残る)
それもそのはず。チェット・ベイカーとアート・ペッパー、西海岸ジャズのスターの夢の共演盤ということだけあり、オリジナルはいつも決まって高価です。
安くても3万円以上。高くて5万円以上の価格で出品されます。
それでも売れるのだから、このアルバム?もしくはPLAYBOYSのジャケット?に人気があるんでしょうね。
でも、私はこのブログで何度も書いているように、ジャケットにはこだわりません。状態だけではなくて、ジャケットそのものにも。
Teddy Edwards Howard McGhee Together Again! M3588 DG マトD2 オリジナル
こちらの記事なんて、ジャケットなしの状態で持っていますからね。
まぁ、さすがにジャケットなしだとなんか味気ないのでいつか国内盤でいいからジャケットを間に合わせたいなと思いつつ、そのまま放置してしまっています。
話がそれましたが、このアルバム。個人的にはどうもオリジナル盤は「ジャケット」で人気が高まっているような気もするのですが、単純にメンバーからしてすごいですよね。
チェット・ベイカーとアート・ペッパー。
正直、自分はこの2人以外のプレーヤーはあまり知らないので評価はできないのですが、
とにかくそれだけディスクユニオンのセールに行くたびにplayboysが出品されて、ときにあっという間に売り切れるのを見ると、「チェット・ベイカー好きとしては見逃せない」作品であるのは確かです。
いつか欲しいと思っていた。
だけど、オリジナル盤を買うことはできないし・・・
とあれこれ考えているときに、たぶん今回ご紹介している盤、セカンドバージョンの存在を知ったんだと思います。
ご存知のように、オリジナルはworld pacificから販売されて、その後、world-Pacific Recordsがリバティ社に買い取られて?(あまり詳しくないのですが多分そういう経緯だと思います)、リバティとして販売されたアルバム。
まぁ、要はworld-Pacific Recordsから出ているのとほぼ同義なので、音も同じなんじゃないかと勝手に解釈しています。オリジナルと。
ちなみに私が購入したのはこちらの盤。
◆CHET BAKER / PICTURE OF HEATH (PJ18)
外装:B/VG+ ◎盤質:B/VG++ US盤/青銀/ジャケスレ、割れ 3/8(土)『今週の廃盤レコードセール』オンラインショップ出品 : ディスクユニオンJazzTOKYO▼3/7追加分▼
ずっとこの、playboysのセカンドバージョンにあたるpicture of heathを狙っていたのですが、なかなか巡り合わず。
このjazztokyoのセールで出品されることを知り、抽選券をもらって並んでゲットした一枚。
幸いなことに、確か抽選券の番号も1番か2番くらいの若い番号で、さらに幸いなことに、セール棚の前面、1番前に並んでいたため難なくゲットできました。
その後、いろいろ見て回っていましたが、どうやら同じのを狙っていた人がいたようで、ずっとその人に見られていました。
レジに行ったら「キャンセル待ち」のように、同時に飛び込んできました。
でも、結局キャンセルせずにそのまま買ったんですけどね。
状態は、このあとに試聴用リンクも載せますが、とても良いです。
VG++と書かれていますが、決してそんなことはなく。
実際に聴感としてはEXに近いです。
ノイズなく楽しめます。
肝心の音質は、やはりすこぶる良いです。
繰り返しになりますが、オリジナルを持っているわけでも、聴いたことがあるわけでもないので比較はできませんが、「PLAYBOYSのオリジナル盤を大枚はたいて買うなら絶対にこのPICTURE OF HEATHの方がお買い得だ。」と胸を張って言えます。
チェットのトランペットとアートペッパーのアルトサックスの音が伸びやかに部屋全体に広がって心地よく聞けます。
ピアノやテナーサックスの音も良いです。
で、演奏自体はどうか。
正直、チェット・ベイカーやアート・ペッパーの持つ、アンニュイな演奏・雰囲気はなし。
こちらのブログでも、
チェットのペットは溌剌として、テクニックも素晴らしく、ガッツのある、歌心の溢れるフレーズを連発している。
チェット&ペッパー若かりし頃 『Picture of Heath』=『Playboys』 - ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ米国西海岸ジャズは、東海岸とは全く違った味わいがある。クールでスマート、端正、良く練られたアレンジ。この3つが、西海岸ジャズの特徴と言えるだろう。東海岸の様な熱気溢れる、エモーショナルな演奏とは正反対の「クールでスマート」な演奏。東海岸の一...
と語られているように、チェットもアートペッパーも、演奏全体もはつらつとしている。
そのため、いわゆるチェット・ベイカー・シングスのような、あるいはアート・ペッパーミーツザリズムセクションのような、ゆったりとしたどこか心に染み入るような演奏を期待していると期待外れ。(私もそれを期待していたフシがあったのは確かです。)
じゃあ、「ダメなアルバムか?」と言われるとそんなことはなく。
アート・ペッパーのサックスとチェット・ベイカーのトランペット。フィルアーソのテナーサックスが交互に、入れ代わり立ち代わり鳴り響くため非常に面白い。
「お、まずはアート・ペッパーからか。次はチェット。うーん。次にフィルアーソ。またアートペッパーか。・・・」
なんていうように、1枚のアルバムで2度3度味わいを買える上質なアルバムだと思います。
ゆったりとしたジャズを期待すると期待外れかもしれませんが、この頃の西海岸、1960年前後の西海岸のハードバップを楽しむにはぴったりなアルバムだと感じます。
余談ですが、このアルバムを入手した数日後に、名古屋にある行きつけのレコード屋、ラジオデイズレコードさんに立ち寄りました。
そのときに、このpicture of heathを入手した話をしたら、
「良い盤買いましたね~。」の話のあとに、店主もdiscogsで調べ始めて、
「お、この盤お買い得やな。買っちゃおうかな。」
とおっしゃっていました。
こちらはplayboysのイタリア盤。
結局数日後にもう一度、お店に立ち寄ったら、この盤、買われたそうです。
今見た限りだとあまり状態の良い盤はありませんでしたが、ディスクユニオンのセールやdiscogsで状態の良い安い盤があったらこれを買ってもいいのかもしれません。
しかしこれ、わからないのが、
この『Picture of Heath』は、米国西海岸ジャズの良いところを一枚のアルバムに凝縮して伝えてくれる良いアルバムです。ちなみにこれ、昔は、LPのA面、B面を入れ替えて『Playboys』(写真右)というアルバム名で発売されていました。
チェット&ペッパー若かりし頃 『Picture of Heath』=『Playboys』 - ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ米国西海岸ジャズは、東海岸とは全く違った味わいがある。クールでスマート、端正、良く練られたアレンジ。この3つが、西海岸ジャズの特徴と言えるだろう。東海岸の様な熱気溢れる、エモーショナルな演奏とは正反対の「クールでスマート」な演奏。東海岸の一...
という話。
ラジオデイズレコードの店主も同じことを言っていました。
「これ、picture of heathがオリジナルですよね。そう記憶しているんですけど・・・(discogsで再調査)あれ?ほんまや。Playboysがオリジナルや。なんでやろ・・・。」
そんな会話をしました。
どうやら本当にはじまりはpicture of heathだったという意見があるようです。でもdiscogsではPlayboysがオリジナルとなっている。どちらが正しいのか・・・
わかりませんが、でも。
セカンドコレクターの私としては、このpicture of heathで十分楽しめます。(価格は7000円台だったと記憶しています)
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