なんかまず、すこぶる音が良い。
なんでだろう・・・
Quartet: Chet Baker & Russ Freeman – Quartet: Chet Baker & Russ Freeman(World Pacific Records WP-1232, 1957年US盤・クールジャズ)
盤仕様・特徴
- リリース年:1957年(録音:1956年11月6日、ロサンゼルス)
- レーベル:World Pacific Records – WP-1232(mono盤)
- フォーマット:LP, Album(US盤/ハイ・フィデリティLONG PLAY仕様、周波数帯域30-15000Hzの高音質録音)
- ジャケット:デザイン:William Claxton、イラスト:John Altoon(典型的な西海岸ジャズの抽象的イメージを象徴)
- プロデューサー:Richard Bock
- 録音:ロサンゼルス、1956年11月6日
- 技術データ:HIGH FIDELITY LONG PLAYING仕様
パーソネル
- Chet Baker – トランペット
- Russ Freeman – ピアノ
- Leroy Vinnegar – ベース
- Shelly Manne – ドラムス
トラックリスト
- Love Nest – 4:14
- Fan Tan – 5:37
- Summer Sketch – 4:34
- An Afternoon At Home – 5:08
- Say When – 5:00
- Lush Life – 4:43
- Amblin – 7:12
- Hugo Hurwhey – 4:23
録音:1956年11月6日、ロサンゼルス
本盤はWorld Pacific WP-1232(US盤)。全8曲中6曲はRuss Freeman作、他2曲はスタンダード「Love Nest」「Lush Life」となる。
この盤特有のポイント・コレクター情報
- 本LPは1950年代西海岸ジャズを象徴するクールジャズ作品として評価が高い。特にChet Bakerの中音域中心の即興演奏と、Russ Freemanによるオリジナル曲が特徴。
- 「Love Nest」「Lush Life」などジャズスタンダードのほか、Freemanによるモダンな楽曲も多数収録。
- Shelly Manne、Leroy Vinnegarといった同時期の西海岸ジャズ界の名手が参加。
- ジャケットアートワークはWilliam Claxtonによる写真・John Altoonのイラストで、1950年代のジャズLPコレクションでも人気。
- レーベル名義はWorld Pacific(Pacific Jazzの後身)で、モノラルのオリジナル盤(WP-1232)はクールジャズ・コレクターから高く評価されている。
まとめ
『Quartet: Chet Baker & Russ Freeman』(WP-1232, 1957年US盤)は、チェット・ベイカーとラス・フリーマンが西海岸のトップ・リズム陣と組み、クールジャズ様式を確立した歴史的アルバムです。抑制された美的表現と、流麗なインタープレイが刻まれた一枚。
情報元Discogs URL:
私の持っている盤、Chet Baker & Russ Freeman Quartet WP1232 US再発
こちらは、PJ1232の再発バージョンです。
オリジナルはこちら。
オリジナルコレクターの方からしたら、
「うわ!そんなの持っているの!?」
と笑われてしまうかもしれませんが、セカンドコレクターの道を選択した私にとってはこれでいいんです。
しかしこのアルバム、ある程度のレベル(?)のコレクターになればわかるように、オリジナル盤でもさほど高額というわけではありません。
以前、ディスクユニオンのセールで出品されたときには18,000円で出品されて、店頭では売れず(オリジナル盤が)、オンラインで出品されて売り切れていました。
その前も12000円とかでセールで出品されて、店頭では売れずオンラインで売り切れていました。
そう。
本当に本当の人気盤であれば、もう店頭に並んだ時点で売り切れるのですが、この盤は結構、意外と売れ残ります。
だけど、いつものコレクターあるあるで、
「ほしい」と思う前はそうした、「購入できる状態」になって手放してしまうのですが、(大抵その後、後悔する)「ほしい」と思ったときには手に入らないのが城跡なんです。
このチェット・ベイカーカルテットも「ほしい」と思う前は上記のように何度も「購入の機会」に巡り会いましたが、全部スルーをして、結局「再発盤」を入手することになってしまいました。
しかも、かなり強引に。
ここ最近、かなり、
あ、その前に忘れてしまわないように。
この盤を買うことになったきっかけとなった文章はこちらです。
Chet Bakerの歌はステキだな、と思う反面、ムシズが走るような嫌悪感を感じる筆者ですが、トランペットに集中した本盤は、Chet Bakerのレコードの中で一番のお気に入り。
『Chet Baker』Russ Freeman and Chet Baker, Quartet(World Pacific PJ1232)12inchPacific Jazzは12…
私がレコードを購入するときに参考にしている、購入の基準にしているcotton clubさんが、このようにチェットの中で一番のお気に入りと書かれていたから。
ここ最近、私自身、レコードを買いすぎていて全く仕事に集中できていない上、出費も激しくなっていたので、
「しばらくレコードを買うのはやめにしよう」
と思い、その前に手に入れる盤としてこのchet baker quartetを選びました。
だから、少し強引な手段でこれを手に入れることにしました。
どうせ「ほしい」と思った盤がそのほしいと思ったタイミングで手に入ることはめったにないから。
そこで選んだのが、「discogs」でした。
もちろん、オリジナル盤が入手できればいいのですが、そもそも入手できないし、できたとしても基本高い。
それだったら、セカンドバージョンのWP1232でいいんだけど、それもめったに手に入らない。
むしろ、この盤においては、セカンドバージョンのほうが意外と入手困難かもしれません。
長年、ディスクユニオンの情報をオンライン、オフラインで追ってきましたが記憶の限りでは一度も目にしたことがありません。
そこで仕方ないので、discogsに目をつけて、このセカンドバージョンを調べてみるとありました。
価格は確か5000円くらい。
「ありました」といっても、その存在に気がついたのは1ヶ月くらい前の話。
前からその存在は知っていたものの、discogsで買ったこともない上、そこまでそのときはほしいと思っていなかったので気には止めていませんでした。
しかし1ヶ月経ってもまだ在庫が残っていて、
「いったんこれでラストレコードにしよう」
と決めたこともあり、購入を真剣に考えるようになりました。
アメリカからの発送なので、送料含めて8,000円くらい。
以前、hals recordsさんで、税込み6050円で出品されたのを見たことがありましたが、当然、注文はしましたが、残念ながら先に買い手がいて購入できませんでした。
ハルズさんは、以前、といっても3~4年以上前の話ですが、までは結構朝早く購入の申請をすれば変えることが多かったのですが、今はほとんど買えなくなりました。
ただ、日本のディスクユニオンのレコードがそれほど売れていない現状、ヤフオクとメルカリで最近出品したら、2商品とも海外の方が買ったことを考えると、もしかしたら、外人の方が買っているのかもしれません。
まぁ、そんなこんなで。
唯一、私がオンラインで、このWP1232、Chet Baker & Russ Freeman Quartetを見たのはこのくらいです。
そのくらい、めったに見ない。
だから、送料含めて8,000円くらいだけど思い切って買ってみました。
そして、この記事を書いた前日。
無事2週間位?かかって到着したので早速聴いてみることにしました。
開封してみると、結構盤が埃だらけ。
ジャケットはボロボロ。
ジャケットがボロボロなのはほとんど気にしないのでいいのですが、盤が埃だらけのせいか、傷があるからなのか、ちょいちょいノイズがあってちょっと残念でした。
「だから、discogsで買うのは嫌なんだよな・・・」
と思ったのですが、試しにクリーニングしてみたら、不思議なことにノイズがほとんどしなくなりました。
あんまり考えにくいことですが、盤の溝にホコリや汚れが溜まっていてそれが起因して発生していたノイズなんでしょうか。
とにかく、今のところ、結構クリアに聞けていい。
夜、静かになってからあらためてじっくり聴いてみると・・・
すごく良い。
8曲中6曲をラス・フリーマンが作曲していますし、これは実際にはラス・フリーマンのアルバムじゃないかと。
『Chet Baker Quartet / Quartet: Russ Freeman, Chet Baker』 | 心に残った音楽♪おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v
こういう前評判もあり、これまで購入を見送ってきましたが、予想に反してすごく良いアルバムです。
まず、1曲目の1音目から度肝を抜かされます。
「ものすごく良い音・・・」
これまでパフィシックレーベルのレコードは何枚も買ってきましたが、
その中でこのアルバムが一番良い音だと感じました。
再発なのに。
眼前に飛び出してくるようなチェット・ベイカーのトランペットに心が湧き踊ります。
ラス・フリーマンのピアノも決して主張しすぎず、美しくメロディーラインを奏でています。
専門的なことはよくわかりませんが、この2人の掛け合い。
十分に美しいです。
なによりも、chet bakerの絶頂期のワンホーンアルバムはこれくらいしかない(はず)ので、かなりゆったりと、じっくりとチェットベイカーのトランペットを楽しめて良い。
chet baker singsは、ご存知のようにボーカルが前に出ているのでトランペットはどちらかと言うとおまけ的な立ち位置。
他のパシフィックレーベルのチェットは二管・三管編成が中心。
リバーサイドのチェットは、リバーサイドのやり方の影響か、かなりパシフィックレーベルのときとは違って、ちょっと肩に力を入れすぎている印象が強い(in new yorkは良い)
chet bakerのトランペットを堪能するのであればこのアルバムがベストチョイスだと思います。
A面3曲目のSummer Sketchなんて、本当に美しいチェット・ベイカーのトランペットが聞けて良い。
4曲目の、An Afternoon At Homeの出だしで急にテンポというか音が変わるからびっくりするけれど、やっぱりこの曲も美しいチェットのトランペットが奏でられていて良い。
全体的に、チェット・ベイカーのトランペットを味わい尽くすのに絶好の盤だと思います。
何も知らない素人の私の勝手な論議ですが、「トランペット」って顕著に人柄が出る楽器だと感じます。
テナーサックスは「情熱」や「感情」が出る楽器。
トランペットは本当に、同じ楽器でも吹く人によって聞こえ方が全く変わってきます。
リー・モーガンは圧倒的な自信と創造性。
マイルス・デイヴィスは完成された芸術品のような美しさ。
フレディー・ハバードはイケイケなストレート・アヘッドな音楽。
このチェット・ベイカーは、西海岸特有とでも言うか、なんか、伸びやかでどこか優しく、そしてどこか切ない、どこか悲しいフレーズを吹いてくれます。
なにげに、こういうところが好きかもしれません。
オリジナルでも、ディスクユニオンであれば、だいたい2万円以内で手に入る盤。
再発でもオリジナルでもどちらでもいいけれど、とにかくやはり「状態の良い盤」で手に入るなら、入手するのがおすすめです。
discogsでの購入は初めてだったので勇気が入りましたが、買ってよかったです。
でも、やっぱりジャケットはオリジナルのほうが良さそうですね。
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