夜のお供にはピッタリのジャズ。
Gerry Mulligan – Night Lights (Philips PHM 200-108, 1963)
基本情報
- アーティスト: Gerry Mulligan
- アルバムタイトル: Night Lights
- レーベル: Philips – PHM 200-108 (モノラル) / PHS 600-108 (ステレオ)
- リリース年: 1963年
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Cool Jazz
- 録音場所: Nola Penthouse Studios, New York City
- 録音日: 1963年9月12日(主)、10月3日(追加曲)
- エンジニア: Tommy Nola
- レコード会社: Mercury Record Corporation
トラックリスト
- Night Lights (Gerry Mulligan)
- Morning Of The Carnival (Luiz Bonfá) – 「Black Orpheus」より
- In The Wee Small Hours Of The Morning (David Mann, Bob Hilliard)
- Prelude In E Minor (Frédéric Chopin)
- Festive Minor (Gerry Mulligan)
- Tell Me When (Gerry Mulligan)
※Verve再発盤にはボーナストラック「The Lonely Night (Night Lights 1965 Version)」が追加される場合あり[5]。
参加ミュージシャン
- Gerry Mulligan – バリトンサックス、ピアノ(track 1)
- Art Farmer – トランペット、フリューゲルホルン
- Bob Brookmeyer – バルブトロンボーン
- Jim Hall – ギター
- Bill Crow – ベース
- Dave Bailey – ドラムス
全曲Mulliganによるアレンジ[1][3][4][5][6]。
盤仕様・デザイン
- オリジナルはPhilips白プロモラベル盤も存在
- カバーデザイン:O. Hardimon(Oliver Hardimon)による都会的な夜をイメージした印象的なアートワーク[2][4]
- ライナーノーツ:Willis Conover、Hal Mooney(録音監督)
- 録音はAmpexレコーダー、15ips(インチ/秒)の高音質で収録[1]
- カタログ番号:ジャケットはPHM 200-108、ラベルはPHM-200-108[1]
内容・特徴
- 本作はGerry Mulliganのクール・ジャズ後期の代表作で、バリトンサックスの柔らかい音色と、アート・ファーマーのフリューゲルホルン、ジム・ホールのギターが織りなす都会的で洗練されたアンサンブルが特徴[2][3][4][6]。
- 「Night Lights」「Festive Minor」などムリガンのオリジナルに加え、ボッサ・ノーヴァやショパンなど幅広い選曲。
- 全体的にムーディーでリラックスした雰囲気、バラード中心の構成。
- スローでナイトムード漂うジャズ・ノワール的な世界観と、ブラジリアン・リズムの融合が聴きどころ[2][4][6]。
- 録音・演奏ともに高品質で、オーディオファイル向けリイシューも人気[2][4]。
- Allmusicでは「イノベーションは少ないが、心地よくリラックスした名演」と評価[5]。
補足・コレクター情報
- Philipsオリジナル盤は米国プレスのほか、WingレーベルやLimelightレーベルでの再発も存在[3][6]。
- Acoustic Sounds SeriesやVerve再発盤は180g重量盤、オリジナル・アナログテープからのリマスターで高評価[2][4]。
- プロモ盤は白ラベル仕様[1][6]。
『Night Lights』は、Gerry Mulligan Sextetによる1963年のクール・ジャズ名盤。バリトンサックスとギター、フリューゲルホルン、バルブトロンボーンの繊細なアンサンブル、都会的でリリカルな夜のムードが特徴。オリジナルPhilips盤はコレクターズアイテムとしても人気が高い一枚です。
私の持っている盤、Gerry Mulligan Night Lights PHM200-108 promo
おそらくは、ジャズファンであれば、多くの人が知っているであろうgerry mulligan ナイトライツ。
わたしも多分に漏れず、ジャズをCDで聞いていた時代から聞き惚れていたアルバムでした。
こちらにも書かれている、スイングジャーナル「読者が選ぶジャズ名盤ベスト100」の中に、90位台ですが、取り上げられていることを知り、そこから、CDで聴くようになりました。
ジャズについてあまり詳しくなくてもこのロマンチックなピアノのスタートが、ビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビーを想起させて、ジャズ初心者にピッタリの名盤と言えます。
更にそのピアノを、バリトンサックス奏者のジェリー・マリガンが弾いているというのだから、とても興味深いですよね。
しかしこのアルバム。あまりジャズレコードコレクターの中ではそれほど人気があるようには思えます。
当時、ジャズCDからジャズレコードコレクターに移行して、そこからもちろん、このジェリー・マリガンのナイトライツも探してはいました。
しかし意外と見つからないので、「まぁ、いつか縁があれば」程度に思っていました。
そんな中、いつも見ていた、
このダックスープのオンラインジャズレコードショップでこのジェリー・マリガンのナイトライツが出品されていました。
もう4年くらいくらい前でしょうか?
このダックスープというオンラインレコードショップで出品された瞬間、焦りました。
「うわわわわ!急いで買わないと・・・」
と思いつつ反面諦めていました。
こういう「お、これは!」というレコードはあっという間に売り切れてしまうから。
しかも、プロモ美品ですよ。
価格は確か9,800円。
安い。
今discogsで見ると相場は、
この様になっています。
だいぶ、少なくともプロモの値段は上がりましたね。
でも、なんとかその当時、購入することができました。
実際に聞いてみると・・・
B面に20回程度の軽い周回ノイズがあるのは気になりますが、まぁ致し方ないでしょう。
かなり音は良いです。
さすがモノラルプロモだけあって、しっかりとサックス、ピアノ、ギターの音色が優しく鳴り響きます。
優しい夜のお供にピッタリの演奏、ピッタリのレコードです。
最初のジェリー・マリガンのピアノの音からノックアウトされますよね。
良いレコードだと思います。
ただ、どちらかと言うと、大衆的なジャズという感じで、深いジャズを好むジャズレコードコレクターにはあまり注目されていない作品でもあります。
ディスクユニオンなどで出品されても、少なくとも「ステレオオリジナル」あるいはそれに近い「US盤」なんかは結構残っていることが多いです。
ステレオ盤は聴いたことがないのでわかりませんが、それでも1万円以内で購入できるので買っていいんじゃないかと思います。
しかしこのレコード、モノラル盤は話が別。
ディスクユニオンやらHMVやらで出品されるとものすごい勢いで売り切れます。
実際、私の過去のディスクユニオンの出品価格のデータベースを見てみても、ステレオは販売価格がわかるものの、モノラルオリジナルやUS盤の販売価格はわかりませんでした。
どうなんですかね。
このレコード。
ステレオで聴く価値はないのでしょうか?
いや、私はそうは思いません。
聴いたこともないのに言うのはなんですけど、
でもやはりまだレコードには「モノラル信仰」の風潮があって、
「モノラルじゃないと価値はない。ステレオレコードには価値はない」
という考えが、奥深くはびこっているように思えます。
このレコード。
モノラルオリジナルやUS盤(オリジに近い)を買い求めたり、高いお金を払うくらいだったら、ステレオのオリジナルやそれに近いUS盤を買った方が「幸せ」なんじゃないかと思います。
「それはあなたがモノラルプロモを持っているからだよ。」
と言われたら何も言い返せませんが、個人的には高いお金を払ってオリジナルやUS盤を払うくらいなら安くてもオリジナルに近いステレオの方が幸せなんじゃないかと勝手に思っています。
演奏に関しては・・・今さら私が細かく言う必要もないので割愛します。
とにかく繰り返しになりますが、夜の優しいお供にピッタリの演奏です。
心が穏やかになるアルバムです。
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