このアルバムは結構好き。
Jackie McLean – Makin’ The Changes(New Jazz NJLP 8231, Prestige再発, 1965年ブルーラベル・RVG刻印盤)
盤仕様・特徴
- リリース年:1965年(オリジナル録音は1957年2月15日・8月30日)
- レーベル:New Jazz – 8231 / Prestige – NJLP 8231(Prestige傘下のNew Jazzシリーズ)
- フォーマット:LP, Album, Reissue(米国盤)
- ラベル仕様:青(ブルー)Prestigeラベル(New Jazzブランド)
- カッティング仕様:ランアウトに「RVG」刻印あり(Rudy Van Gelderカッティングの証)
- 録音:1957年2月15日(A1, A3, B1)、8月30日(A2, B2, B3)Hackensack, NJ:Van Gelder Studio
- ジャケット:カバーデザインはEsmond Edwards
パーソネル
- Jackie McLean – アルトサックス(全曲)
- Mal Waldron – ピアノ(A1, A3, B1)
- Gil Coggins – ピアノ(A2, B2, B3)
- Arthur Phipps – ベース(A1, A3, B1)
- Paul Chambers – ベース(A2, B2, B3)
- Arthur Taylor – ドラムス(A1, A3, B1)
- Louis Hayes – ドラムス(A2, B2, B3)
- Curtis Fuller – トロンボーン(A2, B2, B3)
- Webster Young – トランペット(A2, B2, B3)
トラックリスト
- Bean And The Boys(Coleman Hawkins)
- What’s New(Haggart, Burke)
- I Never Knew(Kahn, Fiorito)
- I Hear A Rhapsody(Gasparre, Fragos, Baker, Bard)
- Jackie’s Ghost(Ray Draper)
- Chasin’ The Bird(Charlie Parker)
A1, A3, B1: 1957年2月15日録音
A2, B2, B3: 1957年8月30日録音
この盤特有のポイント・コレクター情報
- Prestige傘下の“New Jazzブルーラベル”は、1960年代中期Prestige再発シリーズの定番で、入手性・音質ともにバランスが良い。
- ランアウトの「RVG」刻印は、Rudy Van Gelder本人カッティングの証で、高音質・オリジナル性の指標。
- 複数録音・メンバー編成を収録した異色構成。Curtis Fuller、Webster Youngらが一部で参加。
- Prestige~New Jazzのハードバップ黄金期らしいリラックス&クリエイティブなセッション。
まとめ
『Makin’ The Changes』(New Jazz NJLP 8231/Prestige, RVG刻印・ブルーラベル盤)は、Jackie McLeanの多彩なハードバップ・セッションを綴る一枚。1957年の2度の録音で豪華メンバーを分割起用、RVGカッティングによる高品質サウンドが味わえるレア・再発版です。
私の持っている盤、Jackie McLean Makin’ The Changes NJLP8231 右紺 RVG刻印盤
これは、本当に良い買い物をしたと思っています。
先日紹介した、dippin’を購入したときに、同時に入手した盤。
【悪かろうはずがない】Hank Mobley – Dippin’ BST84209 青黒Liberty vangelder
dippin’目当てで、diskunion町田のこのセール、

に参戦して、先にdippin’を手に入れて、「まぁ、これでいっか。帰ろうかな。」と思って、最後に一列だけ見たときに入手した盤。
■JACKIE MCLEAN / MAKIN’ THE CHANGES
【規格番号】NJLP8231
【外装】C VG
【盤質】B VG++
【特記事項】US盤/右紺/RVG/JKT不良
外装Cと書かれているように、ジャケットの状態は悪いん・・・だと思います。
しかしジャケットの状態に興味がないので、何が悪いのかわかりません。
とりあえず正面から見て普通に「ジャケットしていればいい」としか思わない私にとっては「お買い得な一枚だ。」としか思えずに、そのままdippin’とともに購入しました。
価格は1,980円。正直、なんら思い入れがあるアルバムというわけでもなく、もともとジャッキー・マクリーンが好きなわけでもないので、そこまで買うつもりはなかったのですが、これまでっもディスクユニオンなどのジャズレコードセールで出品されるとオリジナル盤は「目玉」として取り上げられるだけのことはあり、少し気になっていました。(まさにメディア戦略に踊らされているわけで)
なので、まぁ、別にアルバムに対しての知識は、正直なかったものの「1,980円でRVG刻印つきならいいか」と思って購入したまでです。(好きな方には申し訳ない限りです。
しかし、このアルバムを聴いたのは昨日。
その前々日に、このアルバム。
【正直あまり…】Jackie McLean – Lights Out!(Prestige PRT7757, VANGELDER刻印)
を聞いて、正直な話、がっくり来ていたあとの話でした。
なんだか、正直、ダラッと演奏しているだけで何がいいのか全然わからなかったLights Out。
だから昨日、このMakin’ The Changesを聴くときもさほど期待せずに聴きました。
・・・それが功を奏したのか、
それとも「お得値で買えた」という心理的効果が大きかったのか
それとも本物のモノラルで聞けたからなのかわかりませんでしたが、
結構このアルバム、良いです。
実際、いつも私が、ジャズレコードを購入する際に参考にしている新宿ジャズ談義においても、このように
編集の曲順などには正直言って疑問がある一枚だが、演奏はすばらしくマクリーンにとっても上位にランクされる作品だと思う。
Curtis Fuller カーティス・フラー サイド参加作 CDレビュー ①
と、マクリーンのページにおいては、

やや否定的な意見が多かったものの、カーティス・フラーのページにおいてはなぜかどちらかと言うと好評傾向にある。
で、自分自身の意見で言えば・・・
こっちのアルバム、「Makin’ The Changes」においてのマクリーンは結構いいです。
好きです。
何が違うのか?
と言われると、音楽的な面では正直ほとんどわからないものの、少なくともマクリーンがシャキッとしている。
RVGのちからにもよるものだと思うのですが、全体の音もすごく良い。
音圧があり、演奏全体がまとまってしっかりと聞こえる。
何よりも、マクリーンのアルトサックスが結構「炸裂している」という感じで結構いいです。
冒頭のbean and the boysは、ちょっと走り過ぎてるきらいのあるアーサーテイラーのドラムに煽られたマクリーンのアルトが炸裂。
Jackie McLean リーダー作 1ジャッキー・マクリーンのリーダー作を網羅的にレビュー。初リーダー作からプレスティジ諸作 1957年までを紹介
全体を通して、個人的にはこのアルバムにおけるマクリーンはメリハリがしっかりとしていて、心地よく身を委ねられる好演だと思います。
これはぜひとも、RVG刻印盤で聴いてみたい、両アルバムです。
また、What’s Newをはじめとするスタンダードナンバー中心なので、安心して聴いていられるというのも、私個人的な高評価な理由かもしれません。
あらためて今、録音したWhat’s Newの演奏を聞いていますが、いいですね。
マクリーンのアルトサックスがなんていうか心を洗うかのような鮮烈な演奏で、それでいてカーティス・フラーのトロンボーンも、ウェブスターヤングのトランペットも良い。
個人的には全体的にバランスの取れたアルバムだと思います。
ビバップ曲は不要だった。
Jackie McLean リーダー作 1ジャッキー・マクリーンのリーダー作を網羅的にレビュー。初リーダー作からプレスティジ諸作 1957年までを紹介
という意見もあり、確かに少し、最後の曲として「Chasin’ The Bird」を持ってきていることでバランスを崩している感じがあるものの、だけど、ここでもマクリーンのアルトサックスを心地よく聴くことができて、これはこれでありかな?と感じたりします。
なんていうか、確かにチャーリー・パーカーのビバップ曲ではあるものの、変な表現ですが、あまり「ビ・バップビバップしてない」のがいいところです。
繰り返しになりますが、全体的に個人的には高評価のアルバムです。少なくともLights Outよりも百倍良い・・・
状態が一発、少しの深めのノイズが入る以外悪くないのも、評価の高いポイントだったのかもしれません。
試聴用リンク
追記:
あ、そうそう書き忘れていた。
B1にあたる、4曲目。
「I Hear A Rhapsody」
これ、すごく名演です。
最初にジャッキー・マクリーンとマル・ウォルドロンのピアノだけのデュオで始まり、途中からドラムとベースが入ってくる。
それまでのジャッキー・マクリーンの、なにか「語りかけるかのような情緒深いアルトサックス。」
心に突き刺さります。
最後の方も、再びマクリーンとマル・ウォルドロンのデュオに戻る。
この粋な演出にしてやられます。
極論言うと、この一曲のためだけでも聴く価値のあるアルバムと言えるかもしれません。
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