ああ。これなら良い。
すごく良い。
John Coltrane Quartet – Ballads(Impulse! AS-32, 1963年USステレオ・ゲートフォールド・リイシュー盤)
盤仕様・特徴
- リリース年:1963年(録音:1961年12月21日、1962年9月18日・11月13日, Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey)
- レーベル:Impulse! – AS-32(US盤/オレンジ/ブラックリング“ABC-Paramount Records”ロゴラベル/両面ランアウト溝に“VAN GELDER”“STEREO”刻印)
- フォーマット:LP, Album, Reissue, Stereo, Gatefold(ゲートフォールドジャケット仕様/ステレオ再発盤)
- ジャケット:デザイン:Viceroy(2)、カバーフォト:Jim Marshall
- レコード会社:ABC-Paramount Records, Inc.
- ラッカー盤カッティング:Van Gelder Studio(名エンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダーによる録音・カッティング)
- マスタリング:Longwear Plating
- ランアウト刻印:
- サイドA:AS-32-A STEREO LW VAN GELDER
- サイドB:AS-32-B STEREO LW VAN GELDER
- ラベル詳細:オレンジ/ブラックリング、“A PRODUCT OF ABC-PARAMOUNT RECORDS, INC.”(1963~66年オリジナルラベル。似た型番AS-32のラベル・クレジット違い(1967-68年)に注意)
パーソネル
- John Coltrane – テナーサックス
- McCoy Tyner – ピアノ
- Jimmy Garrison – ベース
- Elvin Jones – ドラムス
- プロデューサー:Bob Thiele
- エンジニア:Rudy Van Gelder
- カバーデザイン:Robert Flynn(2)
- カバーフォトグラフ:Jim Marshall(3)
トラックリスト
- Say It (Over And Over Again)(作曲:Frank Loesser, Jimmy McHugh)– 4:17
- You Don’t Know What Love Is(作曲:Don Raye, Gene DePaul)– 5:12
- Too Young To Go Steady(作曲:Harold Adamson, Jimmy McHugh)– 4:21
- All Or Nothing At All(作曲:A. Altman, J. Lawrence)– 3:34
- I Wish I Knew(作曲:Harry Warren, Mack Gordon)– 4:55
- What’s New(作曲:Bob Haggart, Johnny Burke)– 3:44
- It’s Easy To Remember(作曲:Lorenz Hart, Richard Rodgers)– 2:47
- Nancy (With The Laughing Face)(作曲:Jimmy Van Heusen, Phil Silvers)– 3:11
録音:1961年12月21日、1962年9月18日・11月13日/Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
全曲スタンダード・バラードで構成。本盤はオリジナル・リイシュー版(AS-32, 1963年ラベル仕様)。
この盤特有のポイント・コレクター情報
- 盤・ラベル識別:1963-66年オリジナル盤は“ABC-Paramount Records”クレジット/ラベル型・マトリクス表記で識別。ラベル下部の記載やマトリクス部分が似ている再発(1967-68年)と混同に注意。
- 「VAN GELDER」刻印:録音・カッティング共にルディ・ヴァン・ゲルダー担当。両面ランアウトに“VAN GELDER”“STEREO”の刻印があり、音質・オリジナル性の証。
- 本作は一般的なモダンジャズとは異なり、スタンダード曲の抒情的かつ静謐な演奏が中心。クールジャズやモーダルジャズ的要素を持つ演奏はコルトレーン・カルテットの柔軟なアプローチが窺える。
- メンバー各々(コルトレーン、タイナー、ギャリソン、ジョーンズ)は本作以前の“激しい表現”と対比し、繊細で抒情的な解釈を披露。コレクター間では盤仕様(ラベル、刻印、カバー内のデザインやフォト)の細かな違いが重視される。
まとめ
『Ballads』(Impulse! AS-32, 1963年USステレオ・ゲートフォールド盤) は、John Coltrane Quartetによるスタンダード曲集として特異な存在。ヴァン・ゲルダースタジオ録音、オリジナル“ABC-Paramount”ラベル仕様盤は、抒情的な表現・静謐な音響美を味わえる作品であり、盤仕様やマトリクス刻印にもコレクター的価値が認められます。
情報元Discogs URL:
私の持っている盤、John Coltrane Quartet Ballads AS-32, USステレオ Vangelder
今気づいたのですが、このブログで、このジョン・コルトレーンの「ballads」を取り上げるのはかれこれ5回目です。




なんともお恥ずかしい話ですが、その間、買っては手放し買っては手放しを繰り返してきたこの盤。
それだけ、「大名盤」と言われるこの盤ですが、いざ収集するとなると、様々な「難しい問題」にぶつかることがわかります。
一番最初に入手したballadsはこちら。

今考えれば、これを手放さなければ、何も問題なかったんですけど・・・
かれこれ、これを入手したのは7年前くらいだったのでしょうか?
その当時、レコードの知識もほとんどなく、しかもその当時のレコードはまだ安かったので、確か同盤を8,800円で購入しました。
だけど手放してしまいました。
理由?
状態は記事内でも書いているように、結構良かったと思います。
だけど、ABCパラマウントがセカンドだと思っていたこと、(その可能性があると思ったこと)、なによりもそのあたりの時期から、
「Recordと言ったらモノラルでしょう!」
という神話に触れるようになり、ステレオに対して価値を感じなくなったこと。(多分その時から、片方のチャンネルでしか流れないコルトレーンのサックスに違和感を感じていたんだと思います。)
ソレラがあり、結局手放してしまいました。
「いつかモノラルオリジナルを手に入れるまで・・・」
そう決意を固めて。
でも、待てど暮せど、オリジナルのモノラル盤に巡り会う機会がなかったので、
「それならいしばらくステレオvangelderで我慢するか・・・」
と、思い購入したのがこちら。

やはり、この記事内でも書いているように、サックスの音の定位が左に偏っていることが気になっていることを書いていますが、まぁ、それは許容範囲内でした。
比較的安価で手に入れたこともあって。
ところが、聴いているうちにどうしても気になってきたことが。
それがこの記事で書いたこと。

B面の1曲目だったか、たしかそのあたりで、「ビリビリ」という信号のビビリ音がするんです。
そのことは、このように以前書いていました。
しかし、
当時のインパルス盤に多いプレスミスによるビリつき
と記載されているように、一回だけ、インパルス盤特有のビリつきがあります。
しかし、インパルス盤はそういうものと諦めていますし、1回だけなので耐えられます。
と、以前は書いていたんですけど、これ、結局、耐えられませんでした。
まだ、ノイズはわかるんです。キズやプレスミスによる「パチ」という周回ノイズは。
それも、cotton clubさん同様、基本的に3回以上なるとちょっと許容範囲外なんですけど・・・
だけど、この「信号のビビリ音」というべきか、ビリ付きがどうしても耐えられませんでした。
だって、演奏中に、突然、「ビリビリビリ」ってなる部分があるんですよ。
どうしてもそれが気になって鑑賞に集中できません。
ということで、売ってしまいました。
そして今思えば、
当時のインパルス盤に多いプレスミスによるビリつきなく音質としては大変良好です。
John Coltrane And Johnny Hartman - John Coltrane And Johnny Hartman [LP]-中古レコード Paddy Field RECORDSJohn Coltrane And Johnny Hartman – John Coltrane And Johnny Hartman ( Impulse! - A-40 ) STEREO, 見開きジャケット1968年US リイシュー( ジ...
と、書かれていますが、最初に手に入れたballadsのオレンジラベルと、今回ご紹介する予定の同様のオレンジラベルでは同様の「ビリ付き」は感じなかったので、もしかしたら、赤黒ラベル特有の現象なのかもしれません。
ちなみに、John Coltrane And Johnny Hartmanの赤黒ラベルでも同様の現象が2回ありました。
これが、赤黒特有の減少なのか?オレンジだとこの減少は抑えられるのか?不明ですが、少なくとも、coltrane johnny heartmanのレコードでも同様の現象がありました(やはり赤黒)。
あまりにもそれが目立つので2枚買って2枚手放して、ようやく3枚目でビビリ音なく、安心して聞くことができる盤に出会えました。
僕の知る限りでは、このas32とas40だけなんですけど、このビビリ音がちょっと気持ち悪い。
【信号のビビリ音に悩む?】John Coltrane Quartet Ballads as32 赤黒 vangelderむずかしいところ・・・John Coltrane - Ballads (AS-32)基本情報 アーティスト: John Coltrane アルバムタイトル: Ballads カタログ番号: AS-32 (Impulse!) 音源フォーマット...
ほんとうにこれが困る現象です。
で、そのあとに、モノラルのオリジナルをdiskunionのjazz tokyoで入手したものの。
まさかまさか、最後の部分でひとつだけ「針飛び」。
うーん、針飛びと言っても、本当に最後の最後の一音のみ。
これさえなければ、完璧な状態と言っても差し支えないのに。
どうするか・・・
このまま、持っておいて、より完璧な状態の盤が出たらそっちに乗り換えて、今のこの盤は売却してしまうか。
【針飛びはどこの箇所だろうと気になる】john coltrane ballads A32 MONO vangelder オレンジ艶ABC針飛びかよ・・・John Coltrane Quartet – Ballads (Impulse! A-32)基本情報 アーティスト: John Coltrane Quartet アルバムタイトル: Ballads カタログ番号: Impu...
と、あれこれ悩んだ挙げ句、結局手放してしまいました。
でもそうですよね。
前述のように、赤黒ステレオの「信号のビビリ音ひとつ」で悩んで結局手放してしまう人間が、モノラルオレンジの「終わり間際の針飛び一つ」気にせず聴き続けられるとは到底思えません。
結局、これ、何回も何回も聞き返した挙げ句、「やっぱりダメだ」と思い手放してしまいました。
で、最終的に購入したのが、ステレオオレンジABCオリジナル
というわけです。
冒頭にも書いたように、それだったら、最初から一番最初に購入したステレオオリジナルを手放さなきゃよかったのに・・・
結局、相場より高い35000円という価格で入手する羽目になってしまいました。
しかしもう、それでいいんです。
いったん、収集を終わらせようとしていたので。
最近、怒涛のように買いすぎてしまって止まらなくなってしまっていたので、これで休止しようという目的があったので。
ジョン・コルトレーン、ステレオオリジナル(ABC)の35000円は相場からすると少し高いです。もしくは相場通りという感じで、決してお買い得ではありません。
でもだからこそ、売れ残っていました。
辺に、ディスクユニオンのセールに参加して、体力を使ったり時間を無駄にしたり、交通費を無駄にしたり、「せっかく来たのだから・・・」と別に欲しくもないものを買うこともなく。
普通に購入できました。
それでいいんだと思います。
自分の中ではもしかしたら、あくまでもこのballadsに置いてだけの話ですが、「セカンドコレクター」の名前が泣いていそうですが、「オリジナル」以外は「安物買いの銭失い」なのかもしれません。
で、実際に4回目?くらいに買い直したballadsステレオABCオリジナルの感想は?
はい。
もう何回もこのブログで書いている。
ということは、もう何回も聴いているのですが、このアルバム。
ステレオオリジナルはすごくいいです。
そもそもステレオオリジナルで買い直そうと思ったきっかけは、いつものようにcotton clubさんの影響から。
モノラルもすごく良いマスタリングで、甲乙つけがたいけど、個人的にはステレオが好き。ステレオの音はしっとりしていて、心を穏やかにしてくれる。
モノラルの良さはコルトレーンがセンターから聴こえてくること。主役はセンターにいて欲しいと思っているので、その点ではモノラルが良いと思う。
『コルトレーンのBalladsが大好きでたまらない』昨日、8月22日は都内の病院へ行く日だったので、恒例のレコード探しの日。 ,新宿ジャズ館、Judgement Recordsを廻って、午後3時頃にJazz T…
これを見て、「まぁ、確かに、ステレオでもいいよな。」と思い始めました。
実際、以前にモノラルオリジナルを聴いたとき、確かに良いには良かったんですけど、なんていうか言葉で言い表せないんですけど、「ステレオvangelder」を聴いたときに感じたような、感動というか、心のざわめき・同時に落ち着きみたいんはちょっと弱かったように感じました。
「うーん、いいにはいいな。」
という感じだった気がします。
今回改めて、ステレオオリジナルを聞いてみると、やっぱり良い。
確かに、コルトレーンは左のチャンネルの閉じ込められている。
だけどその分、コルトレーンのサックスが冴えているように聞こえる。
もうひとつ、レコード購入時の参考にしているmoreさんも、
さすがに赤黒ラベルだとmono盤はないがインパルスはステレオこそ価値があると一人思っている。セカンドラベルの赤黒は人気こそないが音質は全く変わらない。
ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.45
確かに、vangelder刻印さえあれば、赤黒もオレンジラベルも音質はさほど変わらないというのは同意見。
しかし、先程も書いたように、少なくともことballads、and johnny hartmanに関して言えば、特有のビリ付きがある盤が多いので、そういう盤にあたったときは、ある意味、「ノイズの少ないキズ盤」にあたったときより苦しい。
でも、「インパルスはステレオにこそ価値がある」というのはまさにそうと思うくらい、やっぱり美しい。
何よりも、やっぱりビリつきがないので安心して聴いていられる。
多少のスクラッチ音はありましたが、まぁ、信号のびり付きに比べると遥かにマシ。
どうして、赤黒になるとあんなにビリ付きがあるんだろう。
少なくとも、balladsに関しては都合、3枚の「オレンジラベル」を買ったことになるけれど、オレンジラベルではビリ付きはありませんでした。(たまたまの可能性もありますが)。
というわけで。
価格は相場よりも高かったけど大満足。
まぁ、こういう「大切にしたいレコード」だけはオリジナルで手に入れて、
それ以外は安いけど音がオリジナルに近くて良い、セカンドバージョンを買い揃えていくのが、一番賢いコレクター道なのではないかと勝手に思っています。
音?やっぱり良いですよ。
vangelderのマジックで、美しく奏でられるコルトレーンのサックスの音が最高です。
もちろん、エルヴィン・ジョーンズもマッコイ・タイナーも、ジミー・ギャリソンも最高です。
ようやく、balladsの迷走に終止符を打てた気がします。
もちろん、いつかモノラルのオリジナルの状態の良い盤はほしいけど、まぁ、それは焦らなくてもいいかな。
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