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【ちょっと地味で録音が…】Miles Davis The Beginning PRLP7221 USモノラル再発盤 RVG

3.0
miles davis

たしかにちょっと地味に感じる。

安心して聞けるというのはあるけれど。

この記事を書いた人

  • ケン

    私自身の苦い後悔を原点に、「レコードの価値を未来へ繋ぐ」という信念で、一枚一枚の記事を執筆しています。収集の喜びも、売却の知識も。セカンドコレクターとして全力で文章を綴ります。 → プロフィール

Miles Davis – The Beginning(Prestige PR 7221/PRLP 7221, 1962年USモノラル再発盤)

盤仕様・特徴

  • リリース年:1962年3月(録音:1955年6月7日、ニュージャージー・ヴァン・ゲルダー・スタジオ)
  • レーベル:Prestige – PR 7221, PRLP 7221(オリジナルPrestige 7007 “The Musings Of Miles” 再発。カバー表題は「The Beginning」、ラベル面は「In The Beginning」表記あり)
  • フォーマット:LP, アルバム, モノラル, リイシュー(US盤)
  • ジャンル・スタイル:ジャズ(Bop)
  • ジャケット:デザイン/フォトはDon Schlittenによるもの。
  • 録音:Van Gelder Studio(ハッケンサック、ニュージャージー)録音エンジニアはRudy Van Gelder。
  • マスター:Rudy Van Gelderによるマスタリング(RVG刻印有り)。
  • プレス:Abbey Record Manufacturing Co., Inc.
  • マトリクス・ランアウト:
    • サイド1:C RVG [2か所のクロスアウト] PRLP 7221-A
    • サイド2:RVG E [2か所のクロスアウト] PRLP 7221-B AB
    • マトリクス刻印バリエーション複数あり(AやGなどアルファベット違いも確認)。

パーソネル

  • Miles Davis – トランペット
  • Red Garland – ピアノ
  • Oscar Pettiford – ベース
  • Philly Joe Jones – ドラムス

トラックリスト

  1. Will You Still Be Mine(作曲:Dennis)
  2. I See Your Face Before Me(作曲:Schwartz & Dietz)
  3. I Didn’t(作曲:Davis)
  4. A Gal In Calico(作曲:Schwartz, Robbin)
  5. A Night In Tunisia(作曲:Gillespie, Paparelli, Levine)
  6. Green Haze(作曲:Davis)

録音:1955年6月7日、Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey

この盤特有のポイント・コレクター情報

  • 本作はMiles DavisがPrestigeで初めてリーダー録音した「The Musings Of Miles」(Prestige 7007)を、1962年に「The Beginning」のタイトルで再発した仕様。
  • カバー表題とラベル表記に違いがあり、盤ラベルには「In The Beginning」と表記されている点が識別ポイント。
  • 初回盤(Prestige 7007)と異なるジャケット、ラベル仕様およびマトリクス刻印(RVG+クロスアウト箇所)がコレクターの判別要素。
  • 録音はバン・ゲルダーによるワンホーン・カルテット構成。ベースにOscar Pettiford、ドラムにはPhilly Joe Jones、ピアノにRed Garlandと、のちの“ファースト・グレート・クインテット”の礎となる布陣。
  • B面の「A Night In Tunisia」や「Green Haze」など、バップ路線とマイルスらしいクールな進行が一聴の価値あり。

まとめ

『The Beginning』(Prestige PR 7221/PRLP 7221, 1962年USモノラル再発盤) は、マイルス・デイヴィスがPrestige期に残した初期カルテット録音の中核的存在。「The Musings Of Miles」の再発盤としてジャズ・コレクターから評価を受けており、録音・カッティング共にRVGならではの透明感あふれる音質が魅力です。

情報元Discogs URL:

Just a moment...

私の持っている盤、Miles Davis The Beginning PRLP7221 USモノラル再発盤 RVG

この盤は、昔から欲しかったんです。ご存じの方が多いと思いますが、このアルバムは、「The Musings Of Miles」の再発盤で、もちろん、オリジナルが手に入るならそれに越したことはないんですけど、いかんせんオリジナルは高い。

ここ最近、出品されたのを見た記憶はないのですが、私が持っているデータによれば、

◆MILES DAVIS / The Musings Of Miles [レーベル] PRESTIGE [規格番号] PRLP7007
[ジャケット] B [盤質] B / VG+/VG++/オリジナル/US盤/MONO/NON-BREAKABLEなし・黄NYCラベル/DG/耳/FLAT/額なし446W 1st Cvr./天と背傷み大・背テープ痕/A1小キズ・B1点キズ影響僅か・他使用感少なく概ね良好 【価格】64,000 円 (税込)

Evernote

このように、VG++で64,000円。

2025年5月24日のセール。

で、いつ売れたかは知らないけれど、とにかく売れている。

売り切れている。

冷静に考えれば、狂気の値段ですよね。

レコードたった1枚に64,000円なんて。

当然、そんな金銭的な余裕があるわけではない、セカンドコレクターの私は、オリジナル盤には興味はなし。

それで、セカンド盤にあたるこの、The Beginningを探し続けたのですが、まぁ、これが、見つからない。

やはりみんな同じ事考えますよね。

オリジナルの狂気の値段で購入するなら、セカンドでいいから安くて、RVG刻印の盤がほしいと。

だからなのか、ほとんど出品されたのを見たことがありませんでした。

何故欲しかったか

まぁ、どうでもいい話しかもしれませんが、なぜこのアルバムが欲しかったかというと、やっぱりマイルスの唯一のワンホーンアルバムだからなんですよね。

他のアルバムではマイルスは、必ず、2ホーン以上で演奏しているので、マイルスのトランペットだけを味わうことができません。

唯一それに近いのは、blue hazeというアルバムなんですけど(一寸先ばりしますが、なぜかそのblue hazeのアルバムのほうが良かったと感じる)、そちらはワンホーンというわけではありません。

やっぱり帝王マイルス。

「名作」、「名盤」と言われるジャズアルバムの影には必ずマイルス・デイビスの存在が見え隠れします。

実際に私が持っているマイルス・デイビスのアルバムもどれも名盤名演。マラソンセッション4部作、カインド・オブ・ブルー、先日紹介した、someday my prince will comeやまだ、このブログで紹介していない、サムシン・エルス。

良いアルバムばかりです。

でも、これだけ名盤を作るマイルス、なのに、ワンホーン作品はひとつしかない。

そのワンホーンのアルバムをぜひ入手してみたいと思いました。

混じり気のない、マイルスのトランペットをただただ味わってみたいと思ったのが、このアルバム購入のきっかけです。

しかしどうやら、本来は2ホーンで録音したかったみたいですね。

たぶんマイルスは2ホーンで録音したかったのだろう。自分を引き立てるためにも、サウンドを複雑に輝かせるためにも。前年にはソニー・ロリンズをはじめ様々な組み合わせでセッションを行っていたが、このときにはメンバーが揃わなかったとも言われる。

Miles Davis 「The Musings Of Miles」(1955) - telの日常三昧

まぁ、真実はわかりませんが・・・

ちょっとしたこの盤に関する面白い入手エピソード

実はこのアルバム、半年くらい前に一度、ディスクユニオンのオンラインショップで入手しました。

と言ってもその時に入手したのは、こちら

Just a moment...

の右紺レーベルなので、サード以降の盤と言えるでしょう。

それでも、RVG刻印がついているなら十分と意気揚々とポチったのですが・・・

実際に届いた盤をターンテーブルに乗せてかけてみてビックリ。

「うーん・・・あれ?いいんだけど、このアルバムって、マイルスのワンホーンじゃなかったっけ?」

気のせいか・・・

と思ってしばらく聴いていても、やっぱり、管楽器が2つ以上なる。

ん?

なんだこれ?

状態も問題ない。

演奏も問題ない。

だけど、これ、本当にマイルス?

それに、このアルバムってマイルスのワンホーンアルバムじゃなかったの?

頭の中で「??」が鳴り止まない中、

2~3曲聴いた時点で流石にストップ。

何をどう見ても、マイルス・デイビスのthe beginningというアルバムだし、ジャケットもレーベルも完全にそれを指している。

それなのに、実際に流れてくる音楽は、聴いたこともないトランペットやピアノの演奏で、しかもツーホーン。

????

ずっと頭の中でハテナが鳴り響いていたのですが、今の時代はすごいですね。

とりあえず、何がなんだかわからないんですけど念の為、AIにその音源を聞かせて、その楽曲がなんのアルバムなのかを言い当ててもらいました。

すると驚愕・・・

「その楽曲は、king curtisのsoul meetinというアルバムの音源です。」

Just a moment...

いやいやいやいや。

そんはずはないでしょう・・・

と、何度試しても同じ回答が出てくる。

で、試しにYou Tubeで、king curtisのsoul meetinのアルバムの音源を聞いてみたら、全く一緒・・・

愕然としました。

こんなことって、あるの?

逆にスゲェ・・・

つまり、レーベルとジャケットは完全に、マイルスの「the beginning」で、実際に流れてくる楽曲は「king curtisのsoul meetin」のアルバム。

考えられる答えは一つだけ。

溝にカッティングしたのは、king curtisのsoul meetin。

だけど、レーベルとジャケットは、マイルス・デイヴィスのthe beginning。

つまり、

レーベルとジャケット・レコード盤の入れ間違えというわけです。

まぁ、長年、レコードを集めてきていますが、こんな事態は初めてです。

流石に返品を願い入れて受け入れてもらいました。

まぁ、ある意味笑える事態。

それから約半年後、ようやく本物のthe beginningを入手

で、その偽物のthe beginningを手放してから、

しばらく。

やはり、本物のthe beginningが欲しくて、オンラインとかで探し回るもののなかなか見つからない。

もうダメだね。

と諦めかけていて、ここ最近書いているように、いったん、レコード収集を終わりにしようと思っている中で、試しに、the beginningのディスクユニオンの販売ページをたまたま、久しぶりにのぞいてみたら、

「あるやん・・・」

本当に不思議なものですよね。

必死になって探しているときは全く見つからないのに、

「もういいや。」

と諦めたら普通に見つかる。

もう、嫌になりそうです。

一般的な感覚では、なにか家の中でなくした探し物。

探しているときには見つからないのに、1週間後にふらっと普通にどっかから出てくる。

そんな感じに近いのでしょう。

で、ようやく、様々な障壁を乗り越えて、このマイルス・デイヴィスのthe beginningを昨日、聴いたわけですが・・・

実際に聞いてみて

うん。

たしかに良いアルバム。

マイルスのワンホーンアルバムで、

(あ、そうそう。さすがに前述の思わぬトラブルで、今回ターンテーブルに載せるのは恐る恐るでした。)

マイルスのトランペットをじっくりと堪能できる。

1曲目の、Will You Still Be Mine。

素敵じゃない。

だけど、2曲、3曲と聞き続けていく中で、徐々にこんな感情が芽生えてくる。

うーん・・・なんか地味。

しかも、RVGの録音もあまり良くないように感じる。

うん。というか、明らかに音があまり良くない。

演奏も少し地味めだし、録音もいまいちパッとしない。

だからか聴いていても、あまり胸に響かない。

まぁ、演奏の技術的なことは素人の私にはてんでわかりませんが、でも、なんだかマイルスも淡々と吹いている感じがする。

で、この記事を読んでそれも少し納得。

何となくアルバム「The Musings Of Miles (Prestige PRLP-7007)」全編で陰鬱とした雰囲気を感じられるのは、直前にバードの死去を含め憂鬱になりそうな出来事を経てたからなんですね。
https://kaji-jazz.hatenablog.com/entry/2022/09/07/060000

なるほど少しそれなら納得。

だけど、

こう書かれているように。

⑤曲目『チュニジアの夜』はディジー・ガレスピー作曲のジャズスタンダードですが、ちょっと物足りない、弱弱しい、少しはずれた感じの『チュニジアの夜』だなと思ったかたも多いのではないでしょうか?

【マイルス・デイヴィス】The Musings of Miles  アルバム レビュー 考察10  
本作は全編ワンホーン、マイルスのみのトランペット。非常にシンプルなカルテット編成ですので、僕みたいなフォーン・セクションがバリバリな音圧の曲が苦手な人にはとてもしっくりくるのではないでしょうか?

このような意地見目な印象を受けるのも確か。

RVGの音も、なんだか奥まった演奏のような印象で良くない。

ちょっと、マイルスの流れるような流麗なトランペットを期待して高いオリジナル盤を買うと公開するかもしれません。

3000円くらいのセカンドで購入できたのでまぁ、満足です。

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