【初心者向け】レコードのオリジナル盤(初版)とは?簡単な見分け方4つのポイントを専門家が解説
ご自宅に眠っているレコード、あるいは中古レコード店で見つけた一枚が、もしかしたら数万円の価値を持つ「オリジナル盤(初版)」かもしれません。オリジナル盤とは、そのアルバムが最初に製造・発売されたレコードのこと。後から再生産された「再発盤」とは区別され、コレクターの間で高値で取引されることが多くあります。この記事では、専門的な知識がない方でも楽しめる、オリジナル盤を見分けるための簡単な4つのチェックポイントを解説します。
ポイント1:レコードの中心「レーベル」のデザインを確認する
最も分かりやすく、重要な手がかりがレコード盤の中心に貼られている「レーベル」です。レコード会社は、時代と共にレーベルのデザインや、記載されている会社の住所表記を変更することがよくあります。
例えば、有名なジャズレーベル「ブルーノート」では、初期のオリジナル盤には「767 Lexington Ave NYC」という住所が記載されていますが、年代が下ると住所が変わったり、デザインがシンプルになったりします。まずは、お持ちのレコードのアーティスト名やアルバム名で検索し、発売当時のレーベルデザインと見比べてみることが、オリジナル盤探しの第一歩です。
ポイント2:盤の末尾にある「マトリックス番号」を読み解く
レコードの溝が終わった、中心レーベルの周りのツルツルした部分(デッドワックスやランアウト・グルーヴと呼ばれます)を見てみましょう。ここには、製造時に刻まれた英数字が刻印されているはずです。これを「マトリックス番号」と呼びます。
全てに当てはまるわけではありませんが、一般的に、この番号の末尾が「-1」や「A」で終わるものは、一番最初に作られたスタンパー(金型)からプレスされた証であり、オリジナル盤である可能性が非常に高くなります。虫眼鏡などを使うと見やすいでしょう。
ポイント3:ジャケットの作りやコーティングに注目する
盤だけでなく、レコードを収めるジャケットにもヒントは隠されています。古い時代のオリジナル盤には、現代のレコードには見られない特徴的な作りのものが多くあります。
- コーティングジャケット: 表面がツルツルと光沢のあるビニールでコーティングされているものは、古い年代の盤によく見られます。
- 額縁ジャケット (Frame Cover): ジャケットのフチが裏側に折り返して貼り付けられており、まるで絵画の額縁のように見える作りのものです。これも初期盤の特徴の一つです。
お持ちのレコードが、やけにしっかりとした作りや、凝った加工がされていると感じたら、それはオリジナル盤のサインかもしれません。
ポイント4:盤の重さや「深溝(Deep Groove)」を感じる
これは少し感覚的な要素も含まれますが、重要なポイントです。一般的に、1950年代〜60年代頃のオリジナル盤は、後の再発盤に比べて重く、分厚い傾向があります。手に持った時にずっしりとした重みを感じるかどうかも、一つの判断材料になります。
また、中心レーベルの外周部分に沿って、指でなぞると分かるくらいの深い溝がプレスされているものがあります。これを「深溝(Deep Groove)」と呼び、これも初期のオリジナル盤によく見られる特徴です。この「重さ」と「深溝」が両方あれば、オリジナル盤である可能性はさらに高まります。
まとめ:オリジナル盤探しは、レコードの歴史を旅するようなもの
ご紹介した4つのポイントは、あくまで初心者向けの簡単なチェック方法です。実際には、さらに複雑な要素が絡み合ってオリジナル盤かどうかを判断します。しかし、これらのポイントを知るだけで、レコードを見る目が変わり、一枚一枚の背景にある物語に思いを馳せることができるようになるはずです。あなたのコレクションに眠る宝物を、ぜひ探してみてください。
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