引越しプロ直伝!レコードの安全な荷造り完全ガイド【破損させない5ステップ】
大切なレコードコレクションを、引越しで新居へ運ぶと決断されたのですね。処分ではなく、これからも音楽を楽しむ選択をされたこと、素晴らしいと思います。しかし同時に、「輸送中に大切なレコードが傷ついたらどうしよう…」という不安もお持ちではないでしょうか。
ご安心ください。この記事では、元大手引越会社で美術品などの貴重品輸送を専門としていたプロの視点から、レコードを安全かつ確実に新居へ運ぶための荷造りの全手順を、具体的なステップで徹底的に解説します。
荷造り前に揃えるべき必須アイテム
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レコードの安全な運搬には「レコード専用ダンボール」が不可欠です。サイズが合わない箱は、破損の最大原因になります。
完璧な梱包は、適切な道具選びから始まります。特にダンボールは、レコードの安全を左右する最も重要なアイテムです。
- レコード専用ダンボール: LP盤(12インチ)がぴったり収まるサイズの専用品を必ず用意してください。一般的な引越し用ダンボールでは大きすぎて、箱の中でレコードが動いてしまい、角が潰れたり盤が割れたりする原因になります。
- 緩衝材(プチプチ): レコードを数枚ずつ包み、盤面を保護するために使用します。
- エアクッションや丸めた新聞紙: ダンボールの隙間を埋め、レコードが動かないように固定するために使います。
- 丈夫なガムテープと養生テープ: ダンボールの底抜けを防ぐため、底面は十字に補強するのが基本です。
- 油性ペン: ダンボールの中身と注意事項を記載するために必須です。
【5ステップで完璧】レコード梱包の全手順
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レコードは必ず「縦置き」でダンボールに詰め、隙間を完全に無くすことが、破損を防ぐための絶対的なルールです。
道具が揃ったら、いよいよ梱包作業です。以下の5つのステップを順番に守るだけで、プロレベルの安全な梱包が実現できます。
Step1: レコードを保護スリーブに入れる
レコード盤がジャケットから飛び出さないよう、ビニール製の保護スリーブ(外袋)に入っていることを確認します。もしスリーブがなければ、この機会に用意することをお勧めします。ジャケット自体の擦れも防げます。
Step2: 数枚ずつプチプチで包む
レコードを5枚〜10枚程度の束にし、プチプチで全体を優しく包みます。これにより、レコード同士の摩擦を防ぎ、外部からの衝撃を和らげます。
Step3: ダンボールに「縦置き」で詰める
これが最も重要なポイントです。レコードは本棚に収納するのと同じように、必ず「縦向き」でダンボールに詰めてください。寝かせて平積みにすると、下になったレコードに重みで歪み(反り)が生じ、再生できなくなる危険性があります。
Step4: 隙間を緩衝材で完全に埋める
縦置きで詰めた後、ダンボールの上下左右にできた隙間を、エアクッションや丸めた新聞紙で徹底的に埋めます。箱を軽く揺すってみて、中のレコードが全く動かない状態が理想です。
Step5: ダンボールを閉じて「ワレモノ」「この面を上に」と明記する
ガムテープでしっかりと封をしたら、ダンボールの上面と側面の見やすい位置に、赤い油性ペンで「レコード・ワレモノ」「この面を上に ↑」「平積み厳禁」と大きく記載します。この表示が、引越し作業員への最も重要なメッセージとなります。
絶対にやってはいけない!レコード梱包のNG例
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「平積み」「隙間だらけ」「普通サイズのダンボール使用」の3つは、レコード梱包における三大NG行為です。これだけは避けましょう。
良かれと思ってやったことが、実はレコードの寿命を縮めることもあります。以下の3つのNG例は絶対に避けてください。
- NG例①:平置きで重ねる
前述の通り、レコードを平積みすると自重で反ってしまいます。ダンボールの中だけでなく、一時的な保管でも平積みは厳禁です。 - NG例②:隙間があるまま封をする
輸送中のトラックの振動は想像以上です。少しでも隙間があると、レコードが箱の中で動き回り、角打ちや盤の割れに繋がります。 - NG例③:大きすぎるダンボールを使う
「大は小を兼ねる」はレコード梱包では通用しません。サイズが合わない箱は、大量の緩衝材を必要とするだけでなく、箱自体の強度も不安定になりがちです。
よくある質問
Q. 大量のレコードを運ぶ場合の注意点は?
A. レコードは非常に重いため、一つのダンボールに詰め込みすぎないことが重要です。重すぎると底が抜けたり、持ち運びが困難になったりします。ダンボール1箱あたり、LP盤で70〜80枚程度を目安にしてください。複数個になる場合は、必ず連番(例: 1/5, 2/5…)を振りましょう。
Q. 引越し業者に作業を任せる場合の注意点は?
A. 見積もりの段階で、必ず「価値の高いレコードコレクションがある」ことを業者に申告してください。業者によっては、美術品輸送のオプションを提案してくれる場合があります。また、作業当日も、レコードが入ったダンボールの場所を現場責任者に直接伝え、「特に慎重な取り扱いをお願いします」と一言添えるだけで、作業員の意識は大きく変わります。
まとめ:万全の準備で、大切なレコードと新生活へ
レコードの荷造りは、少しの手間と知識で、その安全性が格段に向上します。この記事で解説した5つのステップを守れば、あなたの大切なコレクションは、きっと無事に新居へとたどり着くでしょう。万全の準備で不安を解消し、新しいお部屋でまた素晴らしい音楽ライフを楽しんでください。
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