洗練された美しさ。だけど少しだけ・・・
Roy Haynes With Phineas Newborn & Paul Chambers – We Three (New Jazz NJLP 8210)
基本情報
- アーティスト: Roy Haynes (drums), Phineas Newborn Jr. (piano), Paul Chambers (bass)
- アルバムタイトル: We Three
- カタログ番号: New Jazz – NJLP 8210
- 音源フォーマット: モノラル
- リリース年: 1959年(初出)、1965年(No Deep Grooveリプレス盤)
- レーベル: New Jazz (Prestige傘下)
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Bop, Hard Bop
トラックリスト
- Reflection (Ray Bryant) – 4:24
- Sugar Ray (Phineas Newborn Jr.) – 6:25
- Solitaire (King Guion, Carl Nutter, Renee Borek) – 8:54
- After Hours (Avery Parrish) – 11:21
- Sneakin’ Around (Ray Bryant) – 4:24
- Our Delight (Tadd Dameron) – 4:01
参加ミュージシャン
- Roy Haynes – ドラムス
- Phineas Newborn Jr. – ピアノ
- Paul Chambers – ベース
録音詳細
- 録音日: 1958年11月14日
- 録音場所: Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
- エンジニア: Rudy Van Gelder(RVG刻印あり)
- プロデューサー: Esmond Edwards
- プレス: Abbey Record Manufacturing Co., Inc.(ランアウトにAB刻印)
補足情報
- 1965年リプレス盤はディープグルーヴなし(No DG)、両面にRVG刻印、AB(Abbey Pressing)刻印あり。
- オリジナル盤は1959年リリース、Prestige傘下のNew Jazzレーベルから発売。
- ライナーノーツ: Ira Gitler
- 本作はHaynesの初リーダー作であり、ピアノトリオ編成の名盤として評価されている。
- 「After Hours」は11分を超える熱演で、メンバー3人のインタープレイが堪能できる。
- カバーアートやクレジットはPrestige系らしいシンプルなデザイン。
- AllMusicなどでも「短命なトリオながら、内容は非常に充実している」と高評価。
アルバムの特徴・評価
「We Three」は、ドラマーRoy Haynesの初リーダー作であり、Phineas Newborn Jr.の技巧的なピアノ、Paul Chambersの堅実なベースとともに、ジャズ・ピアノトリオの名演として知られています。録音はRudy Van Gelderによるもので、当時のPrestige/New Jazzらしい生々しい音像が楽しめます。特に「After Hours」や「Solitaire」など、即興性と構成美が両立した演奏が聴きどころです。
私の持っている盤、Roy Haynes With Phineas Newborn & Paul Chambers We Three NJLP8210 溝なし RVG
セカンドコレクターの名に恥じぬセカンド盤(厳密にはサードでしょうか)のアイテム。
roy haynesがリーダーのwe three。
以前からちょいちょい名前を聞いていたものの、「それほどすごい盤なのかしら?」と思い、あまり積極的に集めていた盤、というわけではありません。
正直、手に入ったのも「偶然」です。
1年くらい前でしょうか・・・
なんかのdiskunion jazz tokyoのセールに並んだときに(今では何を目的に並んだかすら思い出せないけれど)
思い出しました。こちらのセール。

というか記録が残っていました。エバーノートに。
このときのセールに参加したときにゲットしたアイテム。
1年前じゃなくて2年前でしたね。
しかし、いまだに何を目的に並んだのかが思い出せない・・・
たぶん、「最近レコードセール行ってなかったし、年末だし、久しぶりに行ってみるかな?」くらいの軽い気持ちで行ったのかもしれません。
ハッキリ覚えているのはこのとき、ラッキー・トンプソンのオリジナル盤レコード。
◆LUCKY THOMPSON / HAPPY DAYS ARE HERE (PR7394) 4,650円(税込)
◎外装:B/EX- ◎盤質:B/EX- オリジナル盤/MONO/右紺/コーティング/裏スタンプ
があって、最後の最後までこれを買うかどうか迷って買わなかったことを未だに後悔しています。
意外とあっさり手に入ったからここで慌てて買わなくても・・・
と逃して1年以上。以降手に入りません。
まぁ、あるにはあるんですけど、相場より少し高いネットショップのみです。
閑話休題。
このときにレコードを数枚漁って、手に取ったうちの一枚が今回紹介しているwe threeだったというわけです。
結論から言うと、買ってよかったと思います。
ラッキー・トンプソン、we three含めて、複数枚手にレコードを持っている時、先輩レコードコレクターの宮◯さんが、
「どれどれ見せてみ・・・」
と、私が手に持ったレコードを査定してくれました。
「うーん、これはまぁ、相場だな。・・・うーん。これもまぁ、こんなもんかな・・・」
と、結局私が手に持っていた盤はどれも(その当時の)相場といえる盤だらけだったみたいです(笑)
というわけで、複数枚・・・
悩んだ挙げ句に、we threeの一枚だけにすることにしました。
金額はあまりハッキリ覚えていないけれど、7~8,000円くらい。
その当時の相場ですね。
でも、今、同じ盤のdiscogsの中間点を見ると(ご存知のように、diskunionやhmvのセールの価格はたいてい、discogsの中間点を基準に値付けされる)、14,362円(2025年4月29日時点)。
そう考えれば、その当時、2023年の12月時点は「相場」だった私の購入価格7~8,000円も、今から考えると相当な「お得値」だったのかもしれません。
まぁ、今もユニオンでは普通に同じくらいの価格で売っている可能性は十分ありますが・・・
で、少し話を変えると、購入と、家に帰って早速聞いてみてガックリしました。
「カゼヒキ・・・?」
と思えるくらい、少し全体的にパチパチします。
購入した盤の出品詳細を見ると、
◆ROY HAYNES / WE THREE (NJLP8210)
◎外装:B/EX- ◎盤質:B/EX- US盤/MONO/紫/DGなし/RVG/STATUSE Cvr./カゼなし
と書かれていたのに・・・
実際に試聴してみたときも問題なかったのに、家に帰って聞いてみると、やたらとパチパチが気になりました。
「これ、カゼひいてるんじゃないかな・・・」
と思い、ディスクユニオンjazz tokyoに電話。
すると店員さんは、
「もしかしたら、カゼを引いていたのかもしれませんね・・・。もしどうしてもということであれば、返品も承ります。」
といってくださいました。
しかし、せっかく購入した商品手放すものな・・・
と思い、結局そのまま持っておくことにしました。
結果的には大正解。
しばらく聞き続けていたら、全くノイズは気にならなくなりました。
レコードあるあるかもしれませんね。
で、そんな。因縁深い?思い出深い?決してもともと探していた盤というわけではなかったけれど、もともと有名で知っていたこの盤を昨日久しぶりに聞いてみたんです。
ジャズ談義では、
技巧派的な演奏が特徴だったフィニアスが、情感たっぷりの味わいを表現するに至った至高の傑作。
(中略)
このトリオがなぜこんなに素晴らしいのか?前作までスタイルに迷いの感じられたフィニアスがリーダー役をロイに任せ、
(中略)
トリオの演奏だが、フィニアスの演奏には幾層もの顔があり厚みを感じる。また一音一音に無駄が無く、チェンバースのベースとハモリながらシンクロすることで、曲の一体感が感じられる。
Phineas Newborn Jr. フィニアス・ニューボーン おすすめ名盤フィニアス・ニューボーン のおすすめCD+全作品を網羅的にレビューしています。
このように大絶賛されているアルバムです。
たしかに良いです。
「セカンド」とはいえ、音は十分よくむしろ「オリジナルとそんなに違うのかな?」と思うほど、RVGの音を十分に堪能できます。
(ちなみにご存じの方は多いと思いますが、new jazzレコードの溝なしは「カゼヒキ」が多いことで知られています。そのため、音は違わない、値段は高いとわかっていてもあえて「オリジナル」にてを出す人が多いレーベル。そういう意味ではオリジナルを買う理由もわからなくないのですが)
ちなみに私の盤は、溝なしですが、さっきも書いたように最初は気になったものの聞き続けるに連れ、ノイズは目立たなくなりカゼヒキなし。
というか私は過去のレコードの中で「カゼヒキ」といえる盤にであったのは1度か2度位しかありません。
たしかにその時は聴くに耐えず売ってしまったのですが・・・
いわゆる「カゼヒキ」と書かれている盤でも、勝手家で聞いてみると大したことなかったりするケースが多いので案外「カゼヒキ」はお買い得だったりするのかなと感じたりします。
ただし、diskunionやhmv以外だと様々なリスクがあるのでおすすめできません。
さて話を戻して、音は最高のnjlp8210。
演奏ももちろんすごい。
一曲目のレイ・ブライアントの曲からまるで、「針の穴に意図をぶっ刺し続けるような繊細さ」が表現されている。
この1曲目でまずノックアウトされる。
2曲目は打って変わってリラックスできるようなシュガーレイ。
3曲目も美しい旋律を奏でます。
個人的にはA面は名曲ぞろいで好きです。
ですが、正直、B面になると・・・
もちろん、全曲良いには良いんですけど、正直、A面とあまり変わり映えしなくて少し「単調」に聞こえてしまいます。
うーん、私がまだ、このアルバム「全体の良さ」をわかる年齢に達していないだけなんでしょうか・・・
しかしB面に私の好きなピアニストレイ・ブライアントの曲をまた採用しているところは嬉しいところ。
でもそれにしても、全体として聴くと、私の駄耳のせいで、「一辺倒」に聞こえてしまいます。
すごくシンプルな言葉に置き換えると「ちょっと飽きてくる」というのが正直なところ。
まだまだ修練が足りませんね。
少なくとも現時点での私のこのアルバムの評価としては、もちろん、名盤。
ですが、2~3万円以上出して、DGありのオリジナル盤を買う価値があるのかと言われると・・・私はちょっと答えに窮してしまいます。
繰り返しになりますが、あくまでも私の駄耳によるいち感想です。
また、繰り返しになりますが、音は良いですよ。
RVGでよく言われるピアノのコツコツ音は殆ど目立たず、洗練されたピアノトリオの音色を綺麗に再現してくれています。
やはりこの盤を買うなら最低でもRVGは必須だと思います。
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