ボーカルとして聴くなら素敵。
クリフォード・ブラウン目当てだとちょっと物足りない名盤。
Sarah Vaughan – Sarah Vaughan(EmArcy MG-36004, 1955年USオリジナル・モノラル盤)
盤仕様・特徴
- リリース年:1955年4月(録音:1954年12月16日・ニューヨーク)
- レーベル:EmArcy – MG-36004(マーキュリー傘下のジャズ名門レーベル)
- フォーマット:LP, Album, Mono(オリジナル / モノラル録音盤)
- レコード会社:Mercury Record Corporation, U.S.A.
- マトリクス・ランアウト:
- Variant 1: Side A – MG-36004-A / Side B – MG-36004-B
- Variant 2: Side A – MG 36004 A MF5 MSV I A[sideways] / Side B – MG 36004 B MF5 MS L2
パーソネル
- Sarah Vaughan – ヴォーカル
- C. Brown – トランペット
- P. Quinichette – テナーサックス
- H. Mann – フルート
- J. Jones – ピアノ
- J. Benjamin – ベース
- R. Haynes – ドラムス
トラックリスト
- A1 Lullaby Of Birdland – 3:55
- A2 April In Paris – 6:30
- A3 He’s My Guy – 4:10
- A4 Jim – 5:50
- B1 You’re Not The Kind – 4:43
- B2 Embraceable You – 4:48
- B3 I’m Glad There Is You – 5:06
- B4 September Song – 5:40
- B5 It’s Crazy – 4:55
この盤特有のポイント・コレクター情報
- EmArcy MG-36004はサラ・ヴォーンの初期EMARCY録音を代表する1枚。「Lullaby Of Birdland」など彼女の名唱を収録。
- 全曲1954年12月録音のニューヨーク名門セッション。名手Paul Quinichette(ts)、Clifford Brown(tp)ら豪華陣が参加。
- オリジナルプレスは黒・銀EMARCYドルフィンロゴ/溝付きラベルが識別点。
- ジャズ・ヴォーカル黄金期〜哀愁漂うバラード/スタンダードを中心に、表現力溢れる歌唱を堪能できる名作。
まとめ
『Sarah Vaughan』(EmArcy MG-36004, 1955年USオリジナル盤)は、Sarah Vaughanのエポックメイク的名唱とトップ・ジャズメンの伴奏による不朽のヴォーカル・アルバム。1950年代EmArcy最高峰の逸品です。
私の持っている盤、Sarah Vaughan MG36004 銀環大ドラマー YMGスタンパー USオリジナル
この盤は、正直そこまで深い思い入れがある盤というわけではありません。
実際、このレコードを聞いたのは相当久しぶりで、1年ぶり以上くらいだったと思います。
以前、ディスクユニオンのセールに並んでいたのコレクターの先輩もいっていましたけど、
「ボーカル盤にはほとんど興味ないね。聞くとしても、管楽器目当てだね。」
と言っていました。
実際私自身、その言葉を聞いたうえでの先入観なのか、あまりボーカル盤を積極的に聞こうという気になりません。
そのため、家でかかるレコードの多くが管楽器者やピアノ・トリオものです。
ではなぜ、このレコードをオリジナルで持っているのか?
セカンドコレクターのくせに。
・・・と問われると、「コレクターのサガ」と答えるかもしれません。
この盤を手に入れたのは3~4年くらい前でしょうか。
たしか、ちょうどクリフォードブランの演奏に魅了され始めていた頃。
vinylplanetで結構安く、clifford brown with hellen merrillが出品されていて、そのコレクターの先輩から、「これなら売れ残るから落札できるよ。」と言われていたものの、そのとき落札せずに、売り切れたことを激しく後悔していました。
それから、クリフォード・ブラウン関連の名盤を手に入れようとしていたのですが、(もちろんwith hellen merrillも)なかなか手に入らず。
それならばと、探し求めたのが今回ご紹介する、sarah vaughan with clifford brownでした。
ヘレン・メリルとの共演盤に比べると遥かに入手しやすいこの盤。
いつかの新宿ジャズ館でのセールで、記憶の限りでは確か、john coltraneのヴィレッジヴァンガードのステレオオリジナルを目当てで並んで、結局何故か入手したのがこの盤でした。
とはいえ、「ジョン・コルトレーン目当てで来たわけだから(目当てのヴィレッジヴァンガードは手にできなかったかなんだか忘れました)、このサラ・ヴォーン買ってもな・・・」
と悩んでいたところ、別のコレクターから、
「それ、悩んでいるんだったら他に、今回それ目当てに来た人がいるみたいだからその人に譲ったら?」
と言われました。
で、そう言われるとなんだか欲しくなってしまうし、その目当てに来た人というのが以前、僕がそのディスクユニオン新宿でzoot sims in parisを私の手から奪い取っていった人だったので、譲る気にならずそのまま購入しました。
買ってしばらくは聴いていましたが、それからしばらく聴いていませんでした。
改めて昨日聴いてみると、やはり、銀環YMGスタンパー大ドラマーだけあって音は良いんですけど、想定以上にボーカルと他の楽器へのフォーカスが強い。
なんといっても、管楽器が3管編成なんだから当然と言えば当然かもしれませんが、その上、
他の2枚のボーカル盤と比べると、ブラウンのソロは少な目で、若き日のサラ自身の頑張りで名盤になっていると思う。
Clifford Brown サイド作ライブや歌伴などにも重要作が多いブラウニーのサイド参加作CDを紹介
と書かれているように、クリフォード・ブラウンのソロが比較的少なめなのも悲しいところ。
音はよし。演奏はよし。
だけど、クリフォード・ブラウン目当てに買うとちょっと物足りなく感じます。
正直なところ、この盤に関しては、セカンドコレクターにしては珍しく、オリジナル盤で持っているわけですが、今は私が入手したときのおそらく2倍位に相場は上がっているでしょうし、アルバムの総評的にも正直、無理にオリジナルを買う必要はないんじゃないかと思ったりします。
状態の良いセカンド盤。MGスタンパー、小ドラマーがあれば、それで十分なんじゃないかと思います。
しかし、helen merrillのクリフォード・ブラウンとの共演盤、mg36006はいつか欲しいな。・・・
ただ、どちらにしてもよく、YMGスタンパーのオリジナルとMGスタンパーのセカンドでは音が違うと聴くけど、そんなに違うのかな・・・明日、別のアルバムのMGスタンパーを聞いて、聴き比べてみたいと思います。
でもやっぱり、クリフォード・ブラウンの伴奏は短いけれど、美しいなと感じるアルバムです。
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