待っていました。仕事の時間。
やっぱりこれ、最高のレコードだと思います。
Sonny Rollins – Worktime (Prestige LP 7020)
基本情報
- アーティスト: Sonny Rollins
- アルバムタイトル: Worktime
- カタログ番号: Prestige LP 7020
- 音源フォーマット: モノラル
- リリース年: 1956年
- レーベル: Prestige Records Inc.
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Bop, Hard Bop
- ジャケット: ピンクカバー(オリジナル)
トラックリスト
- There’s No Business Like Show Business (Irving Berlin)
- Paradox (Sonny Rollins)
- Raincheck (Billy Strayhorn)
- There Are Such Things (Baer, Adams)
- It’s All Right With Me (Cole Porter)
参加ミュージシャン
- Sonny Rollins – テナーサックス
- Ray Bryant – ピアノ
- George Morrow – ベース
- Max Roach – ドラムス
録音詳細
- 録音日: 1955年12月2日
- 録音場所: Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
- 録音エンジニア/ラッカー盤カッティング: Rudy Van Gelder (RVG刻印あり)
- スーパーバイザー: Bob Weinstock
補足情報
- Prestigeオリジナル盤はピンクの額縁カバーが特徴。
- 深溝(Deep Groove)ラベル仕様。
- マトリックス/ランアウト情報:
- Side A: PRLP-7020-A RVG(手書きエッチング)
- Side B: PRLP-7020-B RVG(手書きエッチング)
- ライナーノーツ: Ira Gitler
- 本作はRollinsがMax Roachと共演した名盤で、ハードバップ期の代表的なワンホーン・カルテット作品。
- 「Paradox」はRollinsのオリジナル曲で、即興性と構成美が際立つ。
- 「There’s No Business Like Show Business」など、スタンダード曲の独自解釈も聴きどころ。
アルバムの特徴・評価
“Worktime”は、Sonny RollinsがPrestigeレーベルで発表した代表的なカルテット作品で、特にMax Roachのドラムとのインタープレイが高く評価されています。ピアノにはRay Bryant、ベースにはGeorge Morrowを迎え、Rollinsの力強いテナーサックスが全編で冴え渡ります。オリジナル盤はピンクカバーと深溝ラベルがコレクターズアイテムとしても人気です。
私の持っている盤、Sonny Rollins Worktime PRLP7020 手書きRVG ピンクカバーオリジナル
このアルバムは、ご存知のように、ソニー・ロリンズが(確か第一次)休業明けに作ったアルバムで、「そろそろ仕事の時間だ。」とでも言わんばかりの「worktime」というタイトルが目立つアルバムです。
私が買ったのは、4~5年前くらい。
ここ最近、セカンドやサードのレコードを集める私にしては珍しく、オリジナル盤です。
HMVで、当時新宿店のセールで出品されてどうやら売れ残ったようで。
オンラインで在庫があるのを見つけて、とりあえず店舗に電話かメールかして取り置いてもらいました。
状態はいいだろうなと思ったんですけど、なにせ価格が・・・
確か55,000円くらいだったと思います。
というわけで、ほしいな・・・
とは思ったんですけど、
もともと前から欲しかったアルバムというわけでもなかったので、
とりあえずキープくらいの軽い気持ちで取り置いてもらいました。
実際に店舗に行き、試聴に伺ったところ、状態もよく、いつものようにしばらく悩んで結局買うことになりました。
今から考えれば、オリジナル盤とはいえ、5万円もの大枚をはたいて買うのは、正直、自分の中では信じられないのですが・・・
でも当時は、「セカンド」や「サード」じゃダメという思い込みにとらわれていて、買うならオリジナルと決め込んでいました。
結局買ってしまったもののまぁ、たぶん、今、このオリジナル盤(しかも状態はNMに近い)を買おうとしたら10万円前後だと思うので、まぁ良かったんじゃないか?と自己納得。
で、そんな私のよもやま話はおいておいて。
このレコード、さっきも書いたように、確かロリンズの第一次休業明けのレコード。
これも「たしかそうだったはず」の話しで申し訳ないんですけど、このアルバムの次に、かの有名な、サキソフォン・コロッサスを出すに至ったはずです。
言うなれば「完成形の一歩手前」なんて評されるこのワークタイム。
だけど、私は、時と場合によっては、このworktimeのほうが良いんじゃないかと思ったりします。
なにせ、私が、ジャズピアノプレーヤーの中で一番好きなレイ・ブライアントが参加しているから。
やっぱりね・・・
いいんですよ。
レイ・ブライアントは。
もちろん、レイ・ブライアントでいちばん有名なピアノと言えば、「pianopianopiano・・・」
のプレスティッジのトリオのアルバムですよね。
もちろん、このアルバムも私は大好きで(むしろ今私が所有しているジャズコレクションの中で「無人島」レコードに選ぶとしたらこれかと思っている)所有しているのは、new jazzの紫レーベルですけど、十分に音は良くて気に入っています。
で、そんなレイ・ブライアントが参加しているworktime悪くなろうはずがない。
やっぱりね・・・
いいんですよ。レイ・ブライアントが。
いい塩梅で弾いてくれています。
変に目立つことなく、それでいてただしおらしく控えているかと言うとそうではなくて、適度にピンポイントにきれいな演奏で心を洗ってくれる。
ロリンズの豪快なプレーでノックダウンされそうな心を、レイ・ブライアントの美しい旋律で癒やしてくれる。
だからこそ、このアルバムが成り立っているように感じます。
ああ・・・レイ・ブライアントのピアノアルバムをもっと欲しくなる。
ロリンズといえば、サキソフォン・コロッサスで、もちろん、私もそのアルバムは好きですが、サキソフォン・コロッサスに負けずとも劣らず、このworktimeのアルバムが好きです。
ただ、難点を言うとすれば、ちょっと、マックス・ローチのドラムが大きいです。
ちょっとうるさいです。
もちろん、サキソフォン・コロッサスもマックス・ローチなんですけど、なんだかそのときのマックス・ローチは結構聞いてて楽しくなるんですけど、worktimeでのマックス・ローチはちょっと叩きすぎなように感じてしまいます。(あくまで私の所感ですが)
そして、問題は音。
このRVGの音、もちろん、良いんですけど、例えば昨日だっけか?
書いたこのレコード
【感情の吹き上げ】John Coltrane Lush Life MONO PRLP 7188 RVG(たぶんオリジナル)
に比べると、なんだか少し音が曇っているように感じます。
ロリンズの豪快なプレーやともかく、なんだかレイ・ブライアントのピアノが少し奥にいるように感じます。
言うなれば、ロリンズ、マックス・ローチ、ジョージモローが前面にいて、レイ・ブライアントが少し後ろで弾いているようなそんな錯覚を覚えます。
いわゆる、この頃の録音は、RVGでよく言われる「コツコツ音」の典型のように感じます。
まぁ、人によっては「そんなことはない」と思われるかもしれませんが、そうした「音」に関しては若干気になるところがありますが、演奏はすごいですよ。
B面はわずか2曲ですが、1曲目の
There Are Such Things (Baer, Adams)
で、心癒され、
It’s All Right With Me (Cole Porter)
で、ハッとさせられる。
このアルバムの真骨頂だと感じます。
正直、今の私から言うと、別にオリジナル盤にこだわって買う必要はない(高騰している!)と思うのですが、ジャケ違いのNJレーベルや右紺レーベルが安く、適正価格で出品されていたら迷わず買うのをおすすめします。
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