紆余曲折あったけど、改めて聞くとものすごく素敵な音楽。
Wynton Kelly – Kelly Blue (Riverside RLP 12-298, 1963年再発盤)
盤仕様・特徴
- リリース年: 1963年(オリジナルは1959年リリース)
- レーベル: Riverside Records – RLP 12-298(モノラル)
- 録音日: 1959年2月・3月
- 録音場所: Reeves Sound Studios, New York
- プロデューサー: Orrin Keepnews
- エンジニア: Jack Higgins
- マスタリング: Jack Matthews(Components Corp.)
- カタログ番号: RLP 12-298(オールド・リバーサイド・シリーズ)
- プレス: ディープグルーヴなし(No DG)
- ラベル: ブルーリール・トゥ・リール・ラベル(Bill Grauer Productions Inc. 表記)
- ジャケット: 553 West 51stアドレス表記あり、Harris Lewine, Ken Braren, Paul Baconによるデザイン
- ライナーノーツ: Orrin Keepnews
- ライナー写真: Lawrence N. Shustak
収録曲・パーソネル
- 全曲: 全6曲、うち4曲はピアノトリオ、2曲はセクステット(A1, B2)
- パーソネル:
- Wynton Kelly – ピアノ
- Paul Chambers – ベース
- Jimmy Cobb – ドラムス
- Nat Adderley – コルネット(A1, B2)
- Bobby Jaspar – フルート(A1, B2)
- Benny Golson – テナーサックス(A1, B2)
- Kelly Blue (Kelly)
- Softly, As In A Morning Sunrise (Hammerstein, Romberg)
- Green Dolphin Street (Kaper)
- Willow Weep For Me (Ronell)
- Keep It Moving (Kelly)
- Old Clothes (Kelly)
内容・評価
- 1959年録音の名盤で、ピアノトリオの安定感と、セクステットによる躍動感が両立[1][2]。
- タイトル曲「Kelly Blue」はブルース・ベースの名演として知られる。
- スタンダードとオリジナルがバランスよく収録され、Kellyのブルージーでスウィンギーなピアノが全編で光る[1]。
- Nat Adderley、Bobby Jaspar、Benny Golsonの参加により、ハードバップとビバップの味わい深いアンサンブルを形成[1]。
- コレクター的には1963年再発盤(No DG、ブルーリール・トゥ・リール・ラベル)が人気。
まとめ
「Kelly Blue」は、Wynton Kellyのピアノトリオを中心に、Nat Adderley、Bobby Jaspar、Benny Golsonを迎えたセクステットによるハードバップ/ビバップの名盤です。1963年再発盤はブルーリール・トゥ・リール・ラベル、ディープグルーヴなし、Bill Grauer Productions Inc.表記などが特徴で、コレクターにも人気があります。Kellyのブルージーでリズミカルなピアノが全編にわたって輝き、ジャズ・ピアノトリオの名作として高く評価されています[1][2]。
私の持っている盤、Wynton Kelly Kelly Blue RLP12298 青大INC/DGなし
紆余曲折あって、ようやく手に入れたある程度納得のいく、kelly blue。
忘れないうちに先に書くと、このアルバムはやはり名盤のようで、私がジャズレコード購入の際に参考にしている、新宿ジャズ談義でもこのように書かれています。
大人のアルバムだ。静かにこぼれ落ちる様な美しいメロディーはケリーだけのものであり、どの曲も素晴らしい完成度。しかもLPでいうところのA1とB2のセクステットがアルバムに厚みと深みを与えており、フルート、コルネット、テナーとも最高のパフォーマンスを展開、全く無駄の無い名演奏の連続で、毎日聴いていても飽きない名アルバムに仕上がっている!このアルバムでケリーが大好きになった。(ショーン)
1曲目、ベースのボーンボーンから期待できそうな予感のするケリー作ブルース。聞き慣れるとイントロのフルートが鳴る前から聞こえてくる(笑)。ピアノ〜フルート〜トランペット〜テナーがそれぞれ納得がいくまでソロを回すが、全く長いとは感じない名演。2曲目3曲目、B面の1曲目、トリオ曲は、ジャズ界屈指の名演揃い。コンボ2曲目のB2曲は、アップテンポのオリジナル。1曲目同様に素晴らしいソロ回し。(hand)
Wynton Kelly ウィントン・ケリー 名盤ウィントン・ケリーの全リーダー作と主要なサイド参加作を紹介しています。
なるほど。
確かに名盤らしいです。
が、私にはなかなか縁が無い盤で、(不思議と)これまで少し敬遠していた嫌いもあります。
そもそもこの盤は、私がジャズレコードを集め始めた7年前くらいでしょうか。
に案外あっさりと、当時地下にあったディスクユニオン渋谷ジャズ館で手に入りました。
仕事関係で渋谷に来たときに、ふらっと立ち寄ったら、壁掛けにこのkelly blueが飾ってありました。
「どうせ高いんでしょ?」
と、通販番組さながらにお値段に疑いをかけてみたら、確か5,000円代と書かれていたように記憶しています。
「いいいい?!」
と思って手にとってよく見ると、ステレオの(確か)オリジナル。(いや、もしかしたらセカンドだったかもしれない)
で、5,000円?
仮にセカンドだったとしても十分お買い得。
で、当時の耳で視聴をしてみたら、結構状態も良さそうだったので購入。
家に帰って聞いてみても満足した記憶があり、そのまま家においておきました。
しかし・・・
なぜか聞かずにそのまま家に放置されていました。
それから数年たち。
ある程度、盤の状態の「良し悪し」に対しての基準ができ始めた頃。
「そういえば、なぜか聞いていないな・・・」
と、久しぶりにkelly blueのステレオオリジナルだかセカンドだかを取り出して聞いてみて愕然。
「あ、結構ノイズが有る・・・」
正直、もう結構前に売ってしまったのであまり状態は覚えていないのですが(最低でも4年前くらい)、でもなにか大きな線のキズがあり、そこで周回ノイズがありダメでした。
当時、つまりレコードを集め始めた当初は「周回ノイズに対する明確な基準」がなかったので、ある程度周回ノイズがある程度では、気にせずかっていました。
しかし、今は、「周回ノイズが3回以上入るとちょっときつい」という概念ができ始めて、その概念、基準に乗っ取ると、kelly blueのステレオ、NGでした。
しかしやはり名盤なことはあり、「ジャズ」と調べればちょくちょく出てくるこのkelly blue。
そして、廃盤セールを眺めるたびに、たまに、このkelly blueが出てくる度に目がひく。
何よりこのジャケットがいいですよね。
一時期、ディスクユニオン名古屋店ができてまだ1年も立たないくらいのセールで、このkelly blueのオリジナルやらセカンドやらのモノラル盤が破格で出ていて、
「どうしようかな買おうかな・・・」
と悩んでいるうちに売り切れて公開しました。
確か1万円台だったと記憶しています。
そうして、「買い逃したもの」っていつまでも根に持ってしまうものなんですよね。
それが男の悪いサダというべきかコレクターあるあるというべきか。
で、なんとか「セカンドコレクター」になってからは(笑)
セカンド盤でもいいからこのkelly blueがほしいと思っていたが手に入らない。
一度、
ステレオのジャケット違い
でいいからなんとかほしいと思っていたのですが、それすらも手に入らない。
一度、jazz tokyoで出品されたのですが、
5000円台で出品されていて、流石に手が出ませんでした。
そこからというもの、
「そこまで名盤じゃねぇよな!」
と自分に言い聞かせて、買うのを探すのを諦めていました。
(もちろん、単なる自分に対する言い訳です。決して名盤じゃないわけじゃありません)
それにしても話は戻りますが、ステレオのジャケ違いで5000円で出品するとはjazztokyoもなかなか強気です。
今後の指針にするつもりだったのかもしれませんが、事実1ヶ月近くは売れずに残っていました。
で、そんな中。
「そんな大した盤じゃないよ。」
と自分に言い聞かせて目を背けようとしていた、kelly blueですが、やっぱり出品されるたびに気になっていました。
そんな折に、jazztokyoのセールでオリジナルとあわせて、セカンド?サード?盤も出品されていました。

オリジナルはやはり4万円と高価なので興味なし。
私の目を引いたのは、下記の盤。
◆WYNTON KELLY / KELLY BLUE (RLP12298) 3,850円(税込)
◎外装:C/VG ◎盤質:B/VG++ US盤/青大INC/DGなし/上辺全割れ、テープ跡
こういうのいいじゃないですか。
青大で、dgなし。
しかも、ジャケットの状態はcだから相当悪いだろうけど、私はジャケットの状態は気にしない。
ただこういうのは、すぐに売り切れて無くなってしまうだろうな思っていたけど、案外セール終了後、つまり、当日過ぎても残っているようでした。
翌日、diskunionのオンラインショップに張り付いて、出品されたことに気づき慌てて購入。
とはいえ、以前も「購入できた。」と思ったら、店舗から連絡が来て「入れ違いで店舗で売り切れました(booker little time)。」と言われたことがあったので、油断せずに待っていました。
その後、数日経って無事届いたのが、今回紹介しているアイテムです。
やはり、いいですよ。
ステレオの時、もちろん、数によるノイズの影響で、評価を下げていたのも原因の一つなのかもしれませんが、これほどあまり、「響かなかった」記憶があります。
今回のは、モノラル。
オリジナルじゃなくて、まぁ、サード。
でもrlpのリバーサイドなので少なくともオリジナルに近い音。
いいじゃないですか。
カラーの奏でるブルージーな雰囲気を楽しむにはこのアルバム。
モノラルが一番ですね。
当初は、このアルバムによるセクステット、正確にはフルートの雰囲気が好きになれないと思っていたのですが、今聞くとそれもいい。
もちろん、アルバム全体でかかっていたら話は別だけど、アルバムの中でセクステット、つまりフルート入りは2曲のみ。
このくらいなら、ちょうど良い中和となって良い。
このアルバム。
やはり最大の魅力は、ケリーの奏でるトリオでの美しいピアノ演奏だと思います。
だけど、ずっとそれが続くと単調になるかもしれない。
下手すると重くなるかもしれない。
途中2曲だけ、セクステットの演奏が入っているのがちょうど良い。
そしてだからこそ、ケリーのピアノトリオでの美しいピアノが際立つ。
一生大切にしていきたいと思える印象深いアルバムです。
ちなみに状態は、、、
b面最後の曲で、残念ながら小さく周回ノイズが10回程度入ってしまいましたが、それ以外は問題なさそうでした。
少なくともこの価格でオリジナルに近い音で聴けるのだから満足です。
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