PR

【極上のバラード集】CHET BAKER CHET RLP12299 セカンドプレス/青大DG

4.0
Chet Baker

まぁ、さすがに文句のつけようがない一級品。

Chet Baker – Chet(Riverside RLP 12-299, 1961年USセカンド・モノラル盤)

盤仕様・特徴

  • リリース年:1961年(録音:1958年12月30日、1959年1月19日、NYC)
  • レーベル:Riverside Records – RLP 12-299(米国原盤、ラベル外周「Bill Grauer Productions Inc.」表記のDeep Grooveセカンドプレス)
  • フォーマット:LP, Album, Mono, With Inc.(モノラル盤/”Inc”入り。初回は”Inc”無しのラベル)
  • ジャケット:ラミネート有り/無し両バージョン存在
  • 制作委託元:Bill Grauer Productions
  • 録音スタジオ:Reeves Sound Studios, New York
  • マトリクス・ランアウト:
    • サイドA:RLP-12-299-A
    • サイドB:RLP-12-299-B

パーソネル

  • Chet Baker – トランペット
  • Bill Evans – ピアノ
  • Kenny Burrell – ギター(A3, B2)
  • Paul Chambers – ベース
  • Connie Kay – ドラムス(A1, A2, A3, B1, B2, B3)
  • Philly Joe Jones – ドラムス(A4, B4, B5)
  • Pepper Adams – バリトンサックス
  • Herbie Mann – フルート

トラックリスト

  1. Alone Together – 6:46
  2. How High The Moon – 3:31
  3. It Never Entered My Mind – 4:36
  4. ‘Tis Autumn – 5:12
  5. If You Could See Me Now – 5:11
  6. September Song – 3:00
  7. You’d Be So Nice To Come Home To – 4:38
  8. Time On My Hands – 4:27
  9. You And The Night And The Music – 3:50

この盤特有のポイント・コレクター情報

  • セカンド・プレス仕様は、ラベル外周の「Bill Grauer Productions Inc.」表記およびディープグルーヴ(溝)ラベルが判別点。
  • 有名ジャズメン(ビル・エヴァンス、ケニー・バレル、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズ他)参加の「夢の競演」盤。
  • モダンジャズ・スタンダード中心、バラード〜クール・ジャズの傑作。
  • 価格・希少性はオリジナル初回ラベルに次ぐが、音質・作りともに良好

まとめ

『Chet』(Riverside RLP 12-299, 1961年セカンド・モノラル盤)は、Chet Bakerの傑出したリリカルなプレイに加え、Bill Evans, Pepper Adams, Kenny Burrellらトップ・ジャズ陣が終結したクール・ジャズ名盤。米リバーサイド屈指の高水準録音かつ美音盤です。

私の持っている盤、CHET BAKER CHET RLP12299 セカンドプレス/青大DG

さすがにこの盤はすごいです。

買って聞いたときは、思った以上に単調でちょっと物足りないな、と思ったけれど、あらためてこうして聴いてみると良いアルバムです。

もともとチェット・ベイカーにはそれほど興味はありませんでした。

「チェット・ベイカー?どうせ顔で売っていたアーティストでしょ?CD時代も聴いていなかったし、本物ではないでしょ。聴く必要なし。」

なんて、レコードを買い始めた当初は愚かにもそんな事を考えていました。

要は僻みですね笑

だから、チェット・ベイカーの名盤というのが店頭に並んでいたり、セールで出品されていてもレコードコレクターになった当初は見向きもしませんでした。

思い返すと最初にチェットベイカーのレコードを気にし始めたのが、チェット・ベイカー・シングス。

今はなきディスクユニオンセカンドハンズ店のセールで壁に並んだchet baker singsの55000円という価格を見て驚き。

「え?こんな値段するの?」

と。

だけど、実際みんな手に取らずに他のレコードばかりに集中していたので、

「ほらみたものか。チェット・ベイカーでそんな強気な値段で売れるわけ無いでしょ。」

と思っていました。

しかしそこからしばらくあとのディスクユニオン新宿ジャズ館のセールで、以前にもあったことのあるコレクターの先輩に、

「今日は何を狙っていらしたんですか?」

ときいたところ、今回のこの記事でご紹介している、

「今回はね、chet bakerのchetだね。」

と言われたときに唖然としました。

しかも、中古レコードって本当に不思議なもので、ある時期にあるレコードが集中して出品されることが多く、このchet bakerのchetも全く同様。

その数日、数週間前のセールで、chet bakerのchetが数多く出品されていたのを見て思わずこう聞き返してしまいました。

「chet bakerのchet?でも、あれ、めっちゃいっぱい出てますよね?(そんなセールで目当てにするほどのものなんですか?)」

という質問をしてしまいました。今考えれば、なんて馬鹿な質問をしてしまったと思うのですが、実際先輩コレクターも、

「あ、ああ・・・そうだね・・・」

と反応に困っていました。

それを目当てに来ている先輩コレクターに対して、「それそんなに価値あるんですか?」みたいな聴き方をして、失礼だったなと反省しました。

結局、その後その、先輩コレクターとお会いする機会はなかったため、トラブルに発展したということもありませんし、それをどう思っていたかもわかりませんし、その先輩コレクターがchetを入手できたのかどうかすらわかりません。

界隈では有名な先輩コレクターだったので、(ブルーノートを全部オリジナルで持っていた)おそらくもう、コレクトを収集して今は聞き専担っているんだと思います。(思い返せば最後にお会いしたときは、tommy flanaganのoverseasのオリジナル盤を買うために、ディスクユニオンの新宿館の前で徹夜して待っていた)

話はそれましたが、そのあたりから少しずつチェットベイカーへの私の中の評価が変わっていきました。

「あれ?もしかして・・・レコードコレクター界隈の中でチェット・ベイカーの評価って、高いの?」

さらに、下北沢にあるフラッシュ・ディスク・ランチでも、なんかのチェット・ベイカーが出品されて(sings and playsだったかな?)すぐに売り切れたのを見てコメントでも「やっぱりチェット・ベイカーの人気は衰えないですね。」という声があり、ますますチェット・ベイカーに興味を持ち始めました。

そんなこんなで、チェット・ベイカーを私の「コレクト対象」にしたのは、レコードコレクターになってから数年後の話。

だからなのか、なかなかチェット・ベイカーは手に入りませんでした。

今はなおさら、チェット・ベイカーは手に入りにくいですよね。

正直個人的には、まるでジャニーズみたいに、なんか神格化と言うか祭り上げられているという印象があったため、敬遠していたものの。

今ではチェット・ベイカーの魅力にどっぷり使っています。

そうして、チェット・ベイカーを集めていく中で、中でも特に手に入りにくかったのが今回ご紹介している、chet baker chet。

冒頭でもご紹介しているように、私の持っている盤はセカンドバージョン。

ちょうどセカンドコレクターになりたてか、足を踏み入れたくらいの状態で、どちらかと言うと、この盤をきっかけくらいに、「お、セカンドバージョンでも十分良い音じゃん」と思った記憶があります。

さっきも書きましたが、中古レコード市場って本当に不思議な回り方をしていて、ある時期に集中してあるレコードが出品されたりします。

このchet baker chetも5年くらい前はなんだか知らないけれどやたらと市場に出回っていました。

もしかしたら、この記事、

『Jazz Vintage Vinyl Want List Vol.14』ジャズのオリジナル盤レコード高価買取リスト|ニュース&インフォメーション|JAZZ|ディスクユニオン・オンラインショップ|diskunion.net
『Jazz Vintage Vinyl Want List Vol.14』ジャズのオリジナル盤レコード高価買取リスト|ニュース&インフォメーション新品CDからレコード、紙ジャケ、中古のレア盤など各種を取り扱う、ディスクユニオン・オンラインシ...

が出始めたくらいの頃だったからかもしれませんね。

でも、そこからしばらくして、いざ、「欲しいな」と思うと全然手に入らないのが不思議なレコード市場です。

このchet baker chetも、

「ビル・エヴァンスとの共演盤。これはなんとしてもほしい・・・」

と思い始めたくらいから、全然市場に出回らなくなりました。

以前はあんなに出回っていたのに。

そんな中、ようや出てきたのがこのセールでした。

12/17(日)「価格入りリスト公開!!新着JAZZ廃盤中古レコードセール」 : ユニオンレコード新宿
12/17(日)「新着JAZZ廃盤中古レコードセール」MODERN JAZZオリジナル盤、和JAZZレア盤ほか新着廃盤レコードを一気に出品いたします。★まずはMODERN JAZZ注目アイテムです。■KENNY DORHAM/QUITET ...

2022年くらいのセールだったかしら?

ユニオンレコード新宿でこのセカンドバージョンが出品されると知って、焦ってセールに並びました。

たしかこのときはすでに、セールは「整理券順」の並びになっていて、私の並びはあとの方になっていて、エサ箱を漁るも、全然このchet baker chetは見つかりませんでした。

「せっかく、朝早く新宿に来て待ったのに、残念・・・」

と思っていたら、ありました。

たぶん、誰かが手に取り、色々見て回っている中で結局買うのをやめてエサ箱に戻したんだと思います。

これを手に取ったときの感動は未だに忘れられません。

・・・ってこれもコレクターあるあるですね。

しかし惜しむらくはこのときに、同時に手に取った、このアルバム。

◆CHET BAKER / POLKA DOTS AND MOONB (JLP988) 4,250円(税込)
◎外装:B/EX ◎盤質:B/EX US盤/STEREO/マルーンORPHEUM

も買っておけばよかったな、という話。

そのときは、「思ったほど状態も良くないし、そんなにほしいと思うアルバムでもないし、chet baker chetの出費(確か1万円ちょっとだった記憶があります)もでかいし、今回はやめとくか。」と言って手放してしまいました。

あとになって、チェット・ベイカーのTrumpetに限定しているアルバムの中では「一番好き」と言っている人の評価を見て欲しくなったものの、もう今では全然手に入りません。chet baker in new yorkでもいいんですけどね(同じ盤なので)

ただ、セカンドコレクターとしては、セカンド盤を安く買いたいというのが希望です。(今もオリジナルで売ってはいるけれど58,000円と超高額)

で、とにかく。

そのときユニオンレコード新宿でなんとか買えたchet baker chet。

家に帰って聴いたときの喜びもひとしおでしたね・・・

だけど、冒頭にも書いたように。

「うーん・・・ちょっと物足りない?」

とも感じてしまいました。

基本、リバーサイドレーベルでのチェット・ベイカーは、パシフィックレコードのときと違って、「売り出そう」という感が結構強く・・・なんていうか、言葉にするのが難しいんですけど、パシフィック・ジャズのときのような「演奏感重視」というよりもリバーサイドレーベルのチェットは「作品感」重視の傾向が強く全く違う色を出しています。

このchet baker chetにおいてもやはり同様で、なんだか同じようなテンポでずっとしっとり?まったりとした演奏が続きます。

「バラード集」なんだから当然なんですけど、はじめ、きいたときは少し物足りない感じがしました。

なんというかchet baker singsやsings and playsのように、バラードもありながら、軽快なリズムやテンポで楽しませるチェット・ベイカーのような「お気楽さも織り交ぜた演奏」が好きだった私にはちょっと「違和感」のようなものを覚えました。

それからしばらく経ち。

昨日久しぶりに聴いてみたら、

「うん。これはこれでいいな。」

と改めて感じました。

三管編成なので、チェットのTrumpetを存分に楽しめるアルバムか?と問われたらそうとも言えないのですが、それでも「chet baker chet」というアルバムタイトルがついているくらいなので、チェット・ベイカーが主役です。

今ではチェット・ベイカーが大好きになった私としては演奏の途中でチェット・ベイカーのソロがきたら、

「おし来た。じっくり耳を傾けるぞ。」

と居住まいを正したくなります。

さらにそれだけではなくてビル・エヴァンスのピアノの伴奏も良い。

cottonclubさんもおっしゃっていましたが、ビル・エヴァンスは、伴奏のスタンスを取ると、なおさら良くなるように感じたりします。

(4部作は別物)

また、kenny burrellのサポートもぴかいち。

というか、昨日、なんの予備知識もなく聴き直していたから、「このギター、誰だ?」と思って聴いていたのですが、kenny burrellだったんですね。

どおりで、好サポートなわけだ。

フルートはハービー・マンで、バリトーンサックスはどうしても聴きながら名前が思い出せなかった、ペッパーアダムズ。

これもまた良い。

どの曲も、スタンダードナンバーで聴きやすい。

You’d Be So Nice To Come Home Toなんかは、頭の中で記憶に残っている、hellen merrillの歌声と織り交ぜながら聴き比べることになり、これもまた良い演奏。

どの曲も凄まじく良いです。

何より良いのがこの時期にしては珍しく、1曲1曲が短く、収録されている曲目が多いこと。

A面4曲。

B面5曲。

なんだか1枚のアルバムで2枚分のアルバムを味わっているような充実感がありました。

「そろそろ片面終わりかな?」

と思って立ち上がると、また演奏が始まる、あのコレクターあるあるの嬉しさが味わえます。

まとめ

総合的に考えると・・・

まぁ、今、オリジナルはものすごく高騰している

https://diskunion.net/jazz/st/pdf/JVVWL14_web0306as.pdf

こちらの2019年時点ですでに買取額が、30000円台。

参考までに現時点でのdiscogsでのオリジナル盤の販売価格は以下の通り。

  • 低:¥14,725
  • 中間点:¥33,134
  • 高:¥176,712
  • まさかの最高17万・・・)

ので、オリジナル盤を買うことはあまり推奨できませんが、状態の良いセカンド盤サード盤、あたりが出たら購入するのを推奨します。

ただし、記事本文でも書いたように、全体的にかなりゆったりとしたバラード集なので、状態が悪いのは絶対ダメ。

演奏によるマスキング効果は一切期待できません。

他の盤以上に「状態の悪いオリジナル」よりも「状態の良いセカンドサード」を強く推奨します。

ちなみに私の買った盤について、状態について下記忘れていましたが、一番下にある試聴用リンクで聴いてもらえればわかるように、目立つ周回ノイズはなく、理想的な状態の盤です。セカンドやサードでも状態が良ければ十分満足できます。

音も、オリジナルと比較したわけではないのですが、チェットのTrumpetもエヴァンスのピアノも美しく鳴り響く、リバーサイドの良音を十分に堪能できます。

created by Rinker
ユニバーサル ミュージック
¥1,500 (2025/08/26 11:23:37時点 Amazon調べ-詳細)
Evernote

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました