【この最高のアルバム】Ray Bryant Trio  Piano Piano Piano Piano… NJLP8227 RVG PRLP7098刻印消し

5.0
piano

持っているだけで自慢できそうなジャケット。

だけど残念。セカンドです。

だけど十分でしょ?

刻印消しだし。

Ray Bryant Trio – Piano Piano Piano Piano… (New Jazz NJLP 8227)

基本情報

  • アーティスト: Ray Bryant Trio
  • アルバムタイトル: Piano Piano Piano Piano…
  • カタログ番号: New Jazz – NJLP 8227(Prestige 7098のリイシュー)
  • 音源フォーマット: モノラル、ディープグルーヴ
  • リリース年: 1960年(オリジナルは1957年録音)
  • レーベル: New Jazz (Prestige傘下)
  • ジャンル: Jazz

トラックリスト

  1. Golden Earrings (Young, Livingston, Evans)
  2. Angel Eyes (Dennis, Brent)
  3. Blues Changes (Ray Bryant)
  4. Splittin’ (Ray Bryant)
  5. Django (John Lewis)
  6. The Thrill Is Gone (Brown, Henderson)
  7. Daahoud (Clifford Brown)
  8. Sonar (Wiggins, Clarke)

参加ミュージシャン

  • Ray Bryant – ピアノ
  • Ike Isaacs – ベース
  • Specs Wright – ドラムス

録音詳細

  • 録音日: 1957年4月5日
  • 録音場所: Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
  • 録音エンジニア/ラッカー盤カッティング: Rudy Van Gelder(RVG刻印あり)
  • プロデューサー/監修: Bob Weinstock
  • プレス: Abbey Record Manufacturing Co., Inc.(ランアウトにAB刻印)

補足情報

  • Prestige 7098のリイシュー盤で、New Jazzパープルラベル、ディープグルーヴ仕様、コーティングカバー。
  • ランアウトには「NJLP 8227 A/B AB RVG」などの刻印あり。
  • ライナーノーツ: Ira Gitler
  • 「Golden Earrings」や「Angel Eyes」などのバラードから、「Blues Changes」「Splittin’」などRay Bryantのオリジナルも収録。
  • AllMusicでは「ブルース、ゴスペル、スピード感、解釈力が光る傑作」と評価されている[6]。

アルバムの特徴・評価

「Piano Piano Piano Piano…」は、Ray Bryantの初期代表作であり、ブルースやゴスペルの影響を感じさせるピアノトリオの名盤です。Specs Wright(ドラム)、Ike Isaacs(ベース)との息の合ったアンサンブルと、Ray Bryantのソウルフルかつリリカルなタッチが魅力。録音はVan Gelder Studioによるもので、Prestige/New Jazzレーベルの黄金期の音が楽しめます。

私の持っている盤、Ray Bryant Trio  Piano Piano Piano Piano… NJLP8227 RVG PRLP7098刻印消し

このレコードを紹介するときが来ました。

いや、前の、前身ブログ(このブログのはじめの方にある記事は、以前・このドメインを手放す前に作った記事で、それを無理くり復旧させた記事)では書いた気もしなくないような気もするんですけど・・・

まぁ、それはいいでしょう。

私の持っている盤は、上述のようにセカンドです。

オリジナル?とてもじゃないけど手が出ません。

以前、diskunion新宿中古センターがオープンしたときに、そこの責任者?の中村さんが、

「このray bryantのtrio!買わなくてもいいんで、ぜひ見てみてください!こんな美品は長いこと私も勤めていますが見たこともない・・・」

と驚嘆の声を上げていました。その価格は確か、15万円以上・・・

うーん、流石に私は、見るのも恐ろしくてそそくさと退散しました(笑)

昨日、あらためてこのray bryantのピアノトリオを聞いてい思ったんですけど、オリジナルの10万円以上という価格。確かに高いには高いんですけど、(discogsでは最高額22万円!)

でも、聞きながら思いました。

「たぶんこれが、ベースがポール・チェンバース、ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズでリバーサイドとかだったら、余裕でkenny drew trioのリバーサイドオリジナル(販売価格4?万円以上)くらいにいったんじゃないかな。」と。

いや、よく何も知らない素人が言うべきじゃないことはわかっています。

しかし、あらためて聞いていると、やっぱりRVG独特の「コツコツ音」はかなり目立つレコードです。

それが「ちょっと合わない」という人には合わないのかもしれません。

さらにメンバーも

  • Ike Isaacs – ベース
  • Specs Wright – ドラムス

と、少なくとも私は殆ど知らないんですよね・・・(私の知識不足のせいだと思いますが)

これで、音が、リバーサイドのような洗練されたピアノの音で、メンバーもこのときの油の乗った人たちだったら、このレコードの価値はこんな価格じゃなかったんじゃないかな?と勝手に邪推してしまいます。

ただ・・・。

でも、私はこのレコードが一番好き。

今持っているレコードの中で一番好き。

よく、名古屋のラジオデイズレコードさんが「無人島レコード」という記事を投稿しますけど、無人島に一枚レコードを持っていっていいと言われたらこれか、モブレーのソウル・ステーションか迷う。

たぶん。こっち。そのくらい、良いレコードです。

そしてその演奏は、このメンバー、このRVGだからこそ実現できたんじゃないかと思います。

 

ちなみにこのレコードを購入したのにもちょっとしたドラマがある。

ふとした理由で下北沢に行き、なんとなくとある店に入店する。

そこでジャズの在庫を見て、気づく。

「やたらと目立つ在庫が多いな・・・あ、そうか。数日前にセールがあったのか。」

そう、たまたま入る数日前にジャズレコードセールがあったようで、ジャズレコードの在庫が充実していました。

その中で目に止まったのが今回ご紹介している、ray bryant trio NJLP8227。

正直、そのときの販売価格はあまり覚えていないのですが、少なくとも2万円以上しました。

今では、このNJLP8227。いわゆる、PRLP7098(オリジナル)のセカンドは値段が結構上がっています。

4/19(土)『今週の廃盤レコードセール』追加分込みで出品リストUP : ディスクユニオンJazzTOKYO

2025年4月19日のジャズトーキョーのセールでは、

◆RAY BRYANT / PIANO PIANO PIANO PIANO (NJLP8227) 25,000円(税込)
◎外装:B/EX- ◎盤質:B/VG+ セカンドプレス/MONO/紫/太DG/RVG/背有コート/砂キズ散見、B1B2キズ

こちらが出品されていました。

確かに、そのセールは私も参加していて、実際に手に取ったことを記憶している。

そのときは、「25,000円か・・・(このセカンドの価値を知っている私にとっては)これでも安いな。」と思いつつも、コメント欄を見て絶句。「うわ!砂傷散見、B1B2キズのVG+か・・・このレコードでキズはちょっとNGだな。それでむしろこの価格か・・・」なんて思っていました。

しかも今見たら、もう出品終了。つまり売れてました。

PIANO PIANO PIANO PIANO/RAY BRYANT/レイ・ブライアント|JAZZ|ディスクユニオン・オンラインショップ|diskunion.net
PIANO PIANO PIANO PIANO/RAY BRYANT/レイ・ブライアント/JAZZの商品詳細ページです。新品CDからレコード、紙ジャケ、中古のレア盤など各種を取り扱う、ディスクユニオン・オンラインショップです。

私が下北沢でこのレコードを見た時も、もしかしたら同じくらいの価格だったかもしれません。

でも、状態は、EX表記だった気がしています。

少し話が脇道にそれてしまいますが、このレコード。正直無理にオリジナル盤を購入する必要はないと思います。

NJLP8227のスタンパーとなっていますが、でもデッドワックス部分を見ると、「PRLP7098」の刻印が消されています。

あまり最初はよくわからなかったのですが、これは、

dead waxにある刻印の部分を見ると、元にあったはずの記号PRLP7098が、エンピツで塗りつぶすように消されて、その外側にNJLP8227が手書きで入れられています。

(中略)

(コメント欄より)この記事で言いたかったことは、オリジナルのPrestige盤のマザーディスクが使い回されているので、セカンドのNew Jazz盤もオリジナルと同じ音がするはずだ、ということでした。

厳密にはビニール材質の影響も受けるので、マザーディスクが同じなら、オリジナルとセカンドが必ず同じ音質になるとは限りませんが、新聞や本の印刷の場合、版が違っても個体差がほとんどないのと同様に、レコードも同じものができるという理屈です。

『Ray Bryant』
Ray Bryant Trio(New Jazz NJLP8227)12inchNew Jazzのレイ・ブライアント?ヘンですよね。オリジナルはPrestig…

ちなみに上記コメント欄に質問を投げかけたのも私です。

で、そんなのはどうでもいいとして。

こんなふうに「PRLP7098刻印消し」の意味は「理論上はセカンドでもオリジナルと同じ音がするはず」ということでした。

なので、このレコードを買うのであれば、(相当お金に余裕があるなら話は別として)セカンド版で(もちろんRVGは必須)十分だと私は思っています。

しかし「状態」は絶対条件です。

とにかく美しいピアノの旋律が流れるアルバムなので「状態」が悪かったら仮に安くても絶対に買う価値なしだと私は思っています。少なくともこのアルバムに関しては。

そのため、あくまでも私の個人的な観点ですが、砂キズ、B1B2キズ盤を買うのはちょっともったいなく感じてしまいます。(読んでくださっている方の中にその購入者の方がいたらすみません)

 

だいぶ話がそれましたが、下北沢のあるレコード店で(お店の名誉のため店名は伏せています)、セールで出品されたはずのこの商品を手に取り、悩みました。

「うーん、セカンドでこの値段か・・・どうしようかな。」

当時このアルバムの価値は知っていましたが、別にそれほど「ほしい」と思っていたアルバムでもなかったため迷いました。

実際、セールから数日たったにも関わらずまだ在庫が残っていたのは(当時としては)セカンドなのに値段が高かったからだと思いました。

とりあえず試しにヘッドフォン試聴してみたら愕然。

「うわ!ノイズひど!」

全体を通して、サーッと、まるでカゼをひいているかのようなノイズが走っていました。

どの部分を聞いても全く同様。

 

「これはひどい!だから売れなかったのか・・・」

とあるしゅ納得。

でもどうしても気になったので店員さんに、

「すみません、このレコード、ノイズが酷いんですけど、スピーカー(モノ針)で聞いたら違ったりするんですかね?スピーカーでかけてもらうことできますか?」

と聞いたところ、

「少々お待ちください確認します。とバックヤードに。」

なかなか戻ってこなかったので不安になったのですが、しばらくしたら責任者?

らしき方が戻ってきてこう言いました。

 

店員さん「うーん、確かにこれ、私も今聞いてみましたけど、ノイズひどいですね・・・」

私「ですよね。モノラル針でかけても同じでしたか?」

店員さん「あ、うちモノラル針の用意がないんですよ。」

私「そうなんですね。買い取りのときは気づかなかったんですか?」

店員さん「そうですね・・・あまりにも状態がきれいだったので試聴せずにそのまま買い取ってしまったんです。だからこのカゼヒキには全く気づきませんでした。」

 

とのこと。確かに、見た目はものすごくきれいなんです。

一切にキズは目視では確認できない。

たしかにこれならそのまま買い取ってしまうのも頷ける。

どうしようかな・・・

と考えていると、

 

「この価格までなら下げられますよ。」と言ってくれました。

おそらく店員さんにとってもそのノイズはあまりにも想定外で、

たぶん店員さんにとってもこのレコードが売れ残っていたことに対して疑問があり、

そこに対して納得できたからの発言なんだと思います。

とはいえ・・・

これだけノイズが酷いレコードを買ってもな・・・

と悩んでいると、

「この価格なら・・・もうこれが最終価格です。」

と言ってくれました。

とはいえ、正直、「価格の問題じゃないんだよな・・・」

と悩んでいて、結局、「わかりました。」少し検討させてください。

と保留することに。

 

で、さんざん悩んだ挙げ句、

「もう失敗してもいいや!とりあえず買ってしまおう!」

と思って購入しました。

まぁ、多少安くしてもらったといっても、1万円以上はしていますからね・・・

それで「ノイズザーザー」なレコードだったら後悔してもしきれません。

 

で、結果は・・・

ご試聴ください。

ちなみに私のこのケースは本当に「たまたま」です。

決して値下げしたくてしたわけでもありません。(実際値下げ交渉は一切していません)

こういう値下げ交渉は、どの店であっても絶対にしてはなりません。

 

で、結論。

長々と書きましたが。

このレコード。とにかく最高です。

美の極致。

静の局地。

これ以上のピアノトリオはないんじゃないかと思います。

もちろん、ビル・エヴァンスの黄金トリオ4部作もありますが、

あれらは私の中では、どうしても「正座しながら」聞かないとならない、

気軽に聞けない作品という印象があります。

 

このレイ・ブライアントトリオは、もちろん、同様にあるいは甲乙つけがたいほど美しいピアノ取りアルバムなんですけど、それだけじゃない。

下手をすると「カクテルピアノ」になってしまいそうなところを、綺麗に美しく流れる川のように綺麗にまとめてくれている。

さらに合間合間に入る、少しテンポアップした曲でまた聞き入ってしまう。

これらが決してアルバム全体のバランスを崩すことなく、程よいスパイスになっているからとてもいい。

(マイルス・デイヴィスのラウンド・アバウト・ミッドナイトの2曲目やThe Blues and the Abstract Truthの2曲目のようにアルバム全体の流れを壊しかねない曲とは違う)

とにかく文句なしの最高のアルバム。

ピアノの音は、RVG特有のコツコツ音です。

コロンビアやリバーサイドのように自然で美しいピアノの音ではありません。

でも、だからこそ、この最高のアルバムが出来上がったんじゃないかと思います。

 

メンバー、音、録音、どれをとっても文句なしの一級品です。

繰り返しになりますが、購入するならセカンドでもいいと(RVG付きなら)私は思いますが、でも絶対に状態が良いものに限定するのがおすすめです。

この作品で状態が悪いのは価値なしだと思います。(厳密にはどんなジャズレコードでもそうですが)

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