美しい演奏についうっとりするアルバム。
だけどなかなか納得する状態の盤には出会えない不思議。
Art Farmer – Art (Argo LPS-678 / LP-678)
基本情報
- アーティスト: Art Farmer
- アルバムタイトル: Art
- カタログ番号: Argo – LPS-678(ラベル) / LP-678(カバー)
- 音源フォーマット: ステレオ
- リリース年: 1960年
- レーベル: Argo Record Corp.
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Hard Bop
トラックリスト
- So Beats My Heart For You – 4:38
- Goodbye Old Girl – 4:24
- Who Cares – 5:15
- Out Of The Past – 5:20
- Younger Than Springtime – 5:38
- The Best Thing For You Is Me – 4:06
- I’m A Fool To Want You – 5:27
- That Ole Devil Called Love – 4:14
参加ミュージシャン
- Art Farmer – トランペット
- Tommy Flanagan – ピアノ
- Tommy Williams – ベース
- Albert Heath – ドラムス
録音詳細
- 録音日: 1960年9月21, 22, 23日
- 録音場所: Nola Penthouse Studios, New York City
- プロデューサー: Kay Norton
- カバーデザイン: Ernest Fiene
補足情報
- Argoオリジナル盤は深溝ブルーラベル、銀文字、「Stereo Odyssey By Argo」表記あり[1][5]。
- コーティング・ジャケット仕様[4]。
- 「Meet The Jazztet」に続くArt Farmerのワンホーン・カルテット名盤で、Tommy Flanaganトリオとの共演が大きな魅力[5][6]。
- ジャズ・スタンダードからバラード、オリジナルまで幅広い選曲。
- マトリックス/ランアウト(例):LO8Y-5635-1 LPS-678 S-1 10587 β 7 1-(A面)、LO8Y-5636-1 LPS-678 S-2 10588 β 1 A 1(B面)[1]。
アルバムの特徴・評価
「Art」は、Art Farmerがトランペット一本でリリカルかつ繊細な表現力を発揮したワンホーン・カルテットの傑作です。Tommy Flanaganのピアノ・トリオがしっかりと支え、全体的に落ち着いた雰囲気と深い抒情性が特徴。バラードやスタンダードを中心に、Farmerの美しい音色とフレージングが堪能できるアルバムとして、ジャズ・ファンから高く評価されています[4][5][6]。
私の買った盤、Art Farmer Art Argo LPS678
この盤にはどうも不思議な縁がある。
先日も書いたんですけど、
【ディスクユニオン2025GWセール】参戦せず。セール開始5時間後の町田ユニオンセールに顔だけ出した結果
2025年のゴールデンウィークセールには参戦しませんでした。
特に朝早く並んででもほしいと思える盤がなかったから。
あえて並ぶ必要はないけれど、全く持ってほしい盤がなかったというわけでもない。
例えば今回ご紹介する、art farmerのargo盤。
前々から何回か購入しては売って勝手を繰り返している不思議な盤。
すごく演奏が素敵なんです。
art farmerのワンフォーンで、有名なスタンダードナンバーをしっとりと吹きこなす。
それでいて、名盤請負人、tommy flanaganのサポートも最高。
リリシズムな彼のピアノがまた、art farmerのトランペットをさらに美しく洗練させる。
最高のアルバムだと思います。
最初にこのアルバムと出会ったのが6年前くらい?
ディスクユニオン下北沢店でエサ箱を何気なく漁っていると、この盤が混じっていた。
「お?!」
と思い、試聴もしたけれど問題なかったのでそのまま購入。
たしかその当時は4,000円~6,000円くらいの破格だった気がします。
(今ではそんな価格で販売されていることはないですよね。トミフラのサポートもあってか、最低でも価格は1万円以上するのが日本の相場になっています)
で、家に帰って聞いてもしばらく気に入っていたのですが、しばらく放置して再度聞き直したら、
「あれ?こんなにノイズあったっけ?」
と思うくらいに周回ノイズを感じて残念ながら売却。
たぶん、コレクターあるあるだと思うんですよね。
購入当初は、大してジャズレコードの枚数も多くなくて、比較対象もないから、
「まぁ、こんなものかな?」
と思って買ったものの。
しばらく経って、いろいろなレコードを買い漁っていくと、比較対象が出てくる。
「こんなに状態の良い盤があるのに、この盤は状態よくないぞ?」
と。まさにその当時購入したart farmerのargoもそう。(たぶん当時はモノラルオリジナルで買った)
最初は良かったもののそれから枚数が増えていき、他のレコードと比較することで知識というか、自分の中でボーダーラインができて、あとになって聴くに堪えなくなってしまったということは、たぶんコレクターあるあるです。
でも、アルバム自体は好きなので、ちょくちょく探していたものの、なかなか見つからず。
ディスクユニオンのセールで出てもすぐに売り切れるので手に入る機会がありませんでした。
その後、あるオンライン専門のレコードショップで、同盤のステレオオリジナルが安く売っていることを知り、悩んだ挙げ句購入しました。
今はもう閉店してしまったオンライン専門のレコード店。
楽しみにしていたそのレコードを聞いて愕然。
なにせ、そのレコード店では、スタンリー・タレンタインのthe manを買って聞いて大満足したから。
ところがこのart farmerのargoに関しては「針飛び」がありました。
ということであえなく返品。
で、今回三度目の正直として購入したのがこの、Art Farmer Art Argo LPS678。
ディスクユニオン新宿のゴールデンウィークセールで出品された商品で、実店舗では売れ残ってオンラインで出品された商品。
たまたまお風呂に入る直前にちょろっと覗いてみたら出品されていて、
「スレあるも影響なし。状態概ね良好」と書かれていたので買ってみました。
で、実際に届いた盤を聴いてみたら・・・
確かに、A面はスレあるもほぼ影響なしです。
ちょっと気になる箇所もあったけれども許容範囲内。
ところが、パッと見きれいに見えるB面に問題が・・・
昨日の夜。
うっとりと、art farmerの奏でるトランペットとtommy flanaganの美しい旋律のピアノに酔いしれて、ちょっとウトウトし始めていたら、
「パチパチパチ・・・」
周回ノイズ。
約10回。
ああ・・・
こりゃああかん。
結局、この盤とも御縁がなさそうです。
cottonclubさんの影響も大きいのですが、
「パチパチの周回ノイズが3回続くともう聴く気がなくなってしまう」
ということを書かれていたと思うのですが、その影響もあってか、
さすがに3回くらいまでは堪えられるものの、5回10回と周回ノイズが続くと、もう僕も聴く気がなくなります。
少なくとも、安い値段で手に入ったならまだ堪えられるものの、1万円を超える(art farmerのARGO盤ではだいたいそのくらいが相場)ものを買ったという意味ではちょっと堪えられない。
・・・というのは建前で、いくらで買った盤でも、周回ノイズが5回10回なると堪えられない。
特に、tommy flanaganの美しいピアノソロのところでパチパチなるんじゃもう・・・
ということで、今回もこの盤とは縁がなさそうです。
演奏とアルバムは好きなんですけどね。
あ、ちなみに、音は良いです。
Art Farmerの高音質盤にして人気盤。個人的にはステレオ盤の方がやや好みだが、もちろんモノラルも素晴らしい
『Argoレーベルの変化について』Argoレーベルというと、筆者が連想するのはRamsey Lewis、King Fleming、John Young、Armad Jamalあたりのピアノ。特…
こう書かれているように、音質はステレオ十分によく、いわゆる左右に偏ることもなく、全体の演奏を十分に堪能することができます。記憶の中にあるモノラルオリジナルと比較しても、負けず劣らずの良い音です。(記憶の中との比較ですみません)
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