以前はドハマリしていたビル・エヴァンス。
今聞くと・・・
Bill Evans Trio – How My Heart Sings (Riverside RM 473, 1964年 モノラル初版/DG)
盤仕様・特徴
- リリース年: 1964年4月(録音自体は1962年)
- レーベル: Riverside Records – RM 473
- フォーマット: LP, アルバム, モノラル(US盤)
- ラベル仕様: ブルー地“Mic & Reels”ロゴのディープグルーヴ(DG)ラベル、下部に「Bill Grauer Productions Inc.」表記(初回モノラルオリジナルの指標)
- カバー表記:
- フロントカバー左下:“Monaural 473”の表記
- バックカバー右下:“Monaural 473”の表記、「Riverside (Mono)」も記載
- 裏ジャケに「Distributed in Europe by Interdisc」「Printed in U.S.A」表記あり
- レコード会社: Bill Grauer Productions Inc.
- 販売: Interdisc(ヨーロッパ流通関連の記載)
- オリジナル盤仕様: 1964年の最後期ディープグルーヴで、モノ初版は特にコレクターズポイント。
パーソネル
- Bill Evans – ピアノ
- Chuck Israels – ベース
- Paul Motian – ドラムス
トラックリスト
- How My Heart Sings (4:56)
- I Should Care (4:53)
- In Your Own Sweet Way (5:57)
- Walking Up (4:55)
- Summertime (5:58)
- 34 Skidoo (6:19)
- Ev’rything I Love (4:13)
- Show-Type Tune (4:23)
この盤特有のポイント/コレクター情報
- 録音は1962年だが、リリースは1964年で、Riverside倒産直前の最後期モノラル新譜。
- モノ盤(RM 473)+DG+Mic & Reels+Bill Grauer表記は初回仕様として最重要ポイント。
- ステレオ盤RS 9473もあるが、音場・ピアノの臨場感は本モノラル盤が極めて高い。
- Matrix/runoutは多様だが、基本「RM-473-A/B」等の手書き/刻印が多い。
- オリジナルジャケットはコーティング無し、一般的なコーティング厚紙(米Riverside標準)。
内容・評価
- 故Scott LaFaro亡き後、Chuck Israels–Paul Motianによる新トリオ初期の名盤。
- 「How My Heart Sings」「Walking Up」「Summertime」など、リリカルかつ端正な美演中心。
- 同セッションの姉妹作『Moonbeams』と並び、穏やかさとスウィング感のバランスが取れた仕上がり。
- 後期リバーサイド定番の柔らかな録音で、Evansの音色が繊細に記録されている。
- 名盤『Waltz for Debby』『Sunday at the Village Vanguard』の熱気とは一味異なる静と静の美学も味わえる。
まとめ
『How My Heart Sings』(Riverside RM 473) は、ビル・エヴァンス中期トリオのリリカルな美しさを堪能できるピアノ・トリオ名盤。1964年モノラル初版はブルー“Mic & Reels”ラベルDG仕様で、コレクターズ市場でも高い需要と評価を受けています。エヴァンスの叙情性溢れる美演が、アナログ盤ならではのあたたかな音質で楽しめる一枚です。
私の持っている盤、Bill Evans Trio How My Heart Sings (Riverside RM473, 1964年 モノラル初版/DGなし)
このアルバムを購入したのは結構前。
たぶん6年前とかそのくらい前の話。
まだそのときはビル・エヴァンスにドハマリしていました。
正確には、まだビル・エヴァンスのアルバムを殆ど持っていなくて、
ビル・エヴァンスのアルバムがディスクユニオンやらどっかのオンラインショップで出品されているとと飛びついて購入に臨み、実際に手に入ったときの感動や、言葉に表せないほどのものでした。
そのくらい、ビル・エヴァンスの購入競争は熾烈を極めます。
それは6年前も今も全く同じで。
今もディスクユニオンのオンラインショップなどでビル・エヴァンス関連のアルバムが出品されると飛ぶ鳥を落とす勢いでソールドアウトになります。
もちろん、私もビル・エヴァンスが「嫌い」なわけではありません。
どちらかというと好きな部類に入ります。
しかし、もうある程度「集め終わった立場」からすると、それほど情熱がわかないのは事実です。
だからこそ、このブログにおいてビル・エヴァンスについて触れる機会は極端に少ないんだと思います。
「ジャズブログ」などであれば、マイルスは当然なこと、ビル・エヴァンスのことについて触れたほうが注目を集めやすいのはわかるんですけど、どうしても、ビル・エヴァンスはあまり触手が伸びないと言うか、ターンテーブルに乗る機会が少ないのが事実です。
というのも、すごく美しく洗練されたアルバムの数々なんですけど、どうしても、佇まいを正さないとならないと言うか、聞き手に「緊張を強いる」部分があるように感じてしまうんですよね。
確かに美しいし、価値も高いアルバムなんですけど、
「さーて、今日はこれでも聞こうかな。これでゆったりしよう」
という感じでゆったり聴くことはできないんですよね。
だからどうしても、いつもRVG盤とか自分の中で、「珍しい盤」というのを中心に紹介してしまいがち。
でも昨日は「さて今日は何を聞こう」と考えて久しぶりにビルエヴァンスを聞いてみたいという衝動に駆られました。
実際に聞いてみてやっぱり、以前のようなワクワクは感じませんでした。
そもそもこのアルバムを購入したのはさっきも書いたように6年前くらい。
まだジャズレコード集めはじめの頃くらいに、ハルズレコードのオンラインストアで出品されて急いで購入しました。
この頃のこのアルバム「How My Heart Sings」はなぜか価格が安く、そのときに購入したのも確か25000円くらいだったと記憶しています。
そしてその当時は、配送料をケチるために「店舗受取」にしていたのですが(今考えれば結局交通費の分で余計にお金がかかっている)、たまたま妻と一緒に受け取りに行って、25000円という価格を聞いて驚いていました。
「そんなに高いレコード買っているの!」
と。
失敗しました。
そこから、妻にあまりバレないようにレコードを買うようにしています。
まぁ、それは余談なんですけど、
久しぶりに聞いてみて。
やはり、最初の1曲目と2曲目辺りまでは、美しい旋律に聞き惚れる。
(とはいえ寝る準備を「しながら」とながらで聞いていたのであまり聞いていない)
だけど3曲目4曲目、さらにB面と入って、なんだか少し疑問が浮かぶ。
うーん・・・なんだか同じように聞こえる・・・
いや、すごく良い演奏です。
しかもピアノの音がやっぱりリバーサイドだからすごくきれい。
「やっぱりピアノの音はリバーサイドが一番」と改めて思わされる。
一音一音はすごくきれい。
だけど、・・・
うーん、なんか少し単調に感じています。
まぁ、黄金トリオのときとメンバーが違うからというのもあるかもしれません。
そして、この6年前に購入したレコード、それほど状態が良いというわけではないからかもしれません。
ちょくちょくノイズが目立ち、最後には「針飛び?」と思えるようなノイズもありました。
しかしそれを除いても、ちょっと全体的には以前のような「感動」は覚えませんでした。
自分の気持ちや立場が変わったり、手に入れたときの喜びが薄れたからというのもあるかもしれません。
良いアルバムは良いアルバムなんですけど、そんなに必死になって手に入れるほどではないかな・・・
なんて、ビル・エヴァンスファンの方からはお叱りを受けるようなことを考えてしまいました。
ちなみに私が持っている盤はDGなしですが、それほどDGありと音は変わらないでしょう。
むしろ同じだと思います。
この頃のリバーサイドはDGありとDGなしの転換期みたいな時期で、それほどDGありとなしでプレスの時期の差は出ないはずです。
なので音の問題ではなくて演奏的な部分で。
個人的にはあまり、それほど惹かれはしなかったというのが正直なところです。
購入当初は貪るように気に入って聞いていたんですけど、気持ちが変わるとこんなにも評価も変わるんですね。
しかしさっきも書いたように、1曲目の出だしや2曲目くらいまでは美しい名盤だと思います。
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