なんだかんだで、ビル・エヴァンスのアルバムの中では一番好きかもしれない。
また、別のアルバムを聞いたら意見が変わるかもしれないけれど。
Bill Evans Trio – Portrait In Jazz(Riverside RLP 12-315, 1960年USモノラル Deep Groove青ラベル初回盤)
盤仕様・特徴
- リリース年:1960年(録音:1959年12月28日、ニューヨーク)
- レーベル:Riverside Records – RLP 12-315(モノラル盤/“Deep Groove”ブルーラベル仕様。ラベル下部に「Bill Grauer Productions」のみ記載、末尾に“Inc.”が無いものが完全初回プレス)
- フォーマット:LP, Album, Mono(USオリジナル初版)
- ジャケット:表面ラミネート仕様。エヴァンスの縞ネクタイと鼈甲フレーム眼鏡が鮮明に写り、後年盤に比べ彩度が高く深みのある発色。裏面は未ラミネート。
- 録音スタジオ:Reeves Sound Studios, New York
- 録音エンジニア:Jack Higgins
- マスター:Components Corp.(マスタリング:Jack Matthews)
- レコード会社:Bill Grauer Productions
- マトリクスランアウト例:RLP 12-315 A / RLP 12-315 B(刻印あり)
パーソネル
- Bill Evans – ピアノ
- Scott LaFaro – ベース
- Paul Motian – ドラムス
- Producer, Liner Notes – Orrin Keepnews
- Cover Design – Ken Braren, Paul Bacon, Harris Lewine
- Photography – Melvin Sokolsky(カバーフォト) / Lawrence N. Shustak(裏面写真)
トラックリスト
- Come Rain Or Come Shine – 3:17
- Autumn Leaves – 5:22
- Witchcraft – 4:30
- When I Fall In Love – 4:50
- Peri’s Scope – 3:10
- What Is This Thing Called Love? – 4:33
- Spring Is Here – 5:01
- Someday My Prince Will Come – 4:48
- Blue In Green – 5:18
録音:1959年12月28日、Reeves Sound Studios, New York(スタジオ録音)
この盤特有のポイント・コレクター情報
- 初回Deep Groove青ラベル盤は、ラベル下部に“Bill Grauer Productions”表記があり、“Inc.”が付かない仕様で識別可能。以降のプレスには“Inc.”が追加される。
- ラミネート表ジャケットは発色に深みがあり、Bill Evansの繊細な表情と質感まで鮮明に再現。後年盤は非ラミネートで彩度が低い。
- 録音エンジニアJack HigginsとプロデューサーOrrin KeepnewsによるRiverside黄金期の音像。エヴァンスのタッチとラファロの対話的ベースが高い分離感で収録され、ステレオ盤よりも密度の高いモノラル像を呈する。
- 本作はLaFaro加入後初のトリオ作品であり、“Bill Evans Trio”の革新的相互作用の出発点として位置づけられる。
- 「Blue In Green」はMiles Davis『Kind of Blue』で知られる同曲の再演で、Evans独自のハーモニー構成が際立つ。
まとめ
『Portrait In Jazz』(Riverside RLP 12-315, 1960年USモノラル Deep Groove青ラベル盤)は、Bill Evans Trioにおける革新的アンサンブルの始動点であり、リリシズムと緊張感が共存する歴史的録音である。ベースとピアノが対等に響き合うインタープレイは、以後のモダンジャズ・ピアノトリオの基礎を築いたと言える。
情報元Discogs URL:
私の持っている盤、Bill Evans Trio Portrait In Jazz RLP12-315 USモノラル Deep Groove青ラベル オリジナル
私も、以前までは、かなりオリジナルにこだわっていました。
それもまぁ、8年くらい前の話。
しかも中でも、ビル・エヴァンスへのこだわりは強くて、
「ビル・エヴァンスだけはオリジナルで手に入れたい」
とやたらとこだわっていました。
そして結果的には、ビル・エヴァンスのオリジナル盤を手に入れたら、今度はその欲望の延長線で、
「このアーティストのオリジナル盤だけは手に入れたい」
となってしまいました。
結局、「〇〇だけでも・・・」というのは言い訳で、結局あれもこれもと伸びてしまうのが欲望のサガというものです。
結局紆余曲折して、私が持っているビル・エヴァンス、4部作のオリジナル盤は、
ポートレイト・イン・ジャズ:モノラルオリジナル
ワルツ・フォー・デビー:ステレオオリジナル
サンデイアットヴィレッジヴァンガード:ステレオ・モノラルオリジナル
スクスプロレーションズ:ステレオ・モノラルオリジナル
となりました。
本物の、ビル・エヴァンスマニアからしたら、
「け、全然大したことないな。」
と、鼻で笑われてしまいそうな気もしますけど、私としては、色々ありましたけど、これで十分です。
ワルツ・フォー・デビーは、
【ステレオに軍配】Bill Evans Trio Waltz For Debby RLP9399(VS RLP399 太DG×2・細DG×2)
個人的にはステレオのほうが好きです。
負け惜しみかもしれませんが。
やっぱり、ライブのアルバムなので、ステレオのほうが臨場感があるように感じます。
同じような考えで、僅差でサンデイアットビレッジバンガードも同様。
反面、エクスプロレイションズと、ポートレートインジャズは、スタジオ録音のアルバムなので、モノラルのほうが良いように感じます。
何よりも、ポートレートインジャズのステレオは、モノラル盤と、ベースが違うんですよね。
ソレに対して結構批判が多いです。
まぁ、聞きもしないで事前に判別するのは邪道かもしれませんが。
でもまぁ、ともあれ、個人的には、portrait in jazzは、モノラルで満足をしているのでステレオ盤を聴いてみたいとは特別思いません。
入手の経緯
このアルバムの入手経緯は少し特殊で、
ディスクユニオンや、HMV、その他、有名な?ジャズレコードのオンライン通販ではなくて、日本の古本屋、

というサイトに出品している、秋田の古書店から通販で購入しました。
価格は、75000円。
名前も知らない通販サイトの、名前も知らない古書店が出店しているLPを今考えればよく買ったなと思うのですが、もう、ディスクユニオンとかHMVとかで競争して買うのに辟易していて、
「このアルバムだけは・・・」
と思い切って購入しました。
あとになって、「もう一枚」と思ってそのショップから購入したワルツ・フォー・デビーのモノラル盤は状態が悪く周回ノイズが多かったので、返品する羽目になったのですが、
このportrait in jazzに関しては大当たり。
届いた盤はピカピカでした。ジャケに剥がれがありますが、気にしません。
しかし実際に聞いてみると・・
しかし実際に聞いてみると、この後提供する視聴用音源でどこまで伝わるかわかりませんが、
一曲目の、降っても晴れてもで、少しビビリ音がありました。
極論、針飛び?といえるような。
最初はこれが嫌で嫌で仕方なく返品しようとも思ったのですが、
よく、盤を見ても、キズはない。
で、色々調べた結果、この盤のオリジナル盤、
つまり、RLP12315、portrait in jazzのオリジナル盤には、盤の仕様か、録音の影響なのか、多かれ少なかれこうした「ビビリ音」が混入しているみたいです。
最初は気持ち悪くて仕方なかったんですけど、「そういうもの」とわかってからは問題なく、きいています。
逆にソレを楽しんで聴いているくらいに。
まぁ、それほど回数も多くないし、不快な音というわけでもありませんし。
実際に久しぶりに聞いてみて
毎回思うんですけど、このアルバム。
ジャケットで損していると思うんです。
目の前に堂々とビル・エヴァンスの肖像画が出ていて、これまた硬いスーツで硬いネクタイをsいて、まるでクラシックの演奏をこれからするかのようなジャケット。
どうしてこんなジャケットにしてしまったの?
と問いただしたくなるくらい。
聴く方も「居住まいを正さないとならない緊張感」を聴く前から覚えてしまいます。
で実際に聞いてみると、そのジャケットの見た目通り、ちょっと硬い演奏が始まるんですけど、でもこれが美しい。
演奏そのものはとても美しい。
旋律がきれい。
どうやら、黄金トリオの最初の作品だったみたいなんですけど。
三位一体。
美しい演奏がどこまでも繰り広げられます。
選曲も良い。
往年のスタンダード・ナンバーを絶頂期のビル・エヴァンスが、
ちょっと硬いけど、優しく美しく演奏を繰り広げています。
いい。
しかもA面5曲入りなのが良い。
余計な繰り返しを避けて、最低限の演奏で始終している。
2曲目の枯葉が大好き。
枯葉の短い演奏をビル・エヴァンスが儚く演奏をしています。
正直、今の私からすると、
「無理にオリジナル盤を手に入れる必要はない」
という考えになっていますが、このアルバムは是非、オリジナルに近い盤で聴きたい名演だと感じます。

今はものすごく高騰して、オリジナルはゆうに10万円を超えると思います。
セカンドやサードで状態の良い盤を買って聴くのが一番おすすめです。


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