ブックオフのレコード買取は評判悪い?がっかりする理由を元店員が暴露
ご実家の整理などでレコードを売却しようと考えたとき、全国どこにでもある「ブックオフ」は真っ先に思い浮かぶ選択肢の一つかもしれません。しかし、手軽さだけでブックオフを選ぶと、大切なレコードの価値を正しく評価されず、がっかりしてしまう可能性があります。
この記事では、元店員という立場から、なぜブックオフのレコード買取では高価買取が期待しにくいのか、その構造的な理由と査定の裏側を具体的に解説します。
結論:ブックオフは「とにかく早く、手間なく処分したい」人向け
最初に結論からお伝えします。ブックオフのレコード買取は、「価格は気にしないから、とにかく手間をかけずに今すぐ処分したい」という方には便利なサービスです。しかし、少しでも高く売りたい、価値を正しく評価してほしいと考える方には、残念ながらおすすめできません。
その理由は、ブックオフのビジネスモデルがレコード専門店とは根本的に異なるからです。
元店員が語る!ブックオフでレコードが高く売れない3つの理由
私がメディア部門で働いていた経験から、ブックオフでレコードが高く売れない主な理由を3つご紹介します。これは特定の店舗や店員を批判するものではなく、あくまでシステム上の問題です。
理由1:専門知識を持つ査定スタッフがいない
最大の理由は、レコードの価値を正確に判断できる専門スタッフが、ほとんどの店舗にいないことです。ブックオフのスタッフは、本・CD・ゲームなど幅広い商材を扱いますが、その多くはアルバイトであり、レコードのジャンル、希少盤、初版といった専門知識は持っていません。
そのため、数万円の価値があるかもしれない希少なジャズレコードも、一般的なレコードも、見た目の状態でしか判断されず、一律の安価な価格で買い取られてしまうケースが頻繁に起こります。
理由2:全国共通のバーコード・マニュアル査定
ブックオフの査定は、基本的に商品のバーコードを読み取り、本部が作成したマニュアルに基づいて行われます。しかし、古いレコードの多くにはバーコードがありません。その場合、盤面の傷や汚れといったコンディションのみで、非常に低いランクの買取価格が機械的に適用されてしまいます。
帯の有無や付属品、プレスの違いといった、コレクターが重視する細かな価値は、査定基準にほとんど含まれていないのが実情です。
理由3:店舗の主なターゲット層と販売価格
ブックオフの店舗を訪れるお客様の多くは、「安くて状態の良い中古品」を探しています。高価なコレクターズアイテムを求めて来店する方は稀です。そのため、店舗側も「数百円で販売できるレコード」を主な在庫として求めています。
数千円、数万円で販売できる見込みのないレコードは、店舗にとって在庫リスクとなるため、そもそも高く買い取ることができないのです。
こんな人はブックオフで売ってはいけない
以上の理由から、以下に当てはまる方は、ブックオフでのレコード売却を避けるべきです。
- ジャズ、ロック、ソウルなどの専門的なジャンルのレコードをお持ちの方
- 帯や付属品が揃っている、状態の良いレコードをお持ちの方
- 亡くなったご家族が大切にしていたコレクションを整理したい方
- 1円でも高く、その価値を理解してくれる人に売りたい方
これらのケースでは、この記事の親記事で紹介しているような、専門の査定士が在籍するレコード買取専門店に相談することを強く推奨します。
逆にブックオフでの売却がおすすめなケース
もちろん、ブックオフの利用が適している場合もあります。
- 価値がつくか分からない、大量の歌謡曲やアイドルのレコード
- ジャケットや盤面に傷や汚れが多いレコード
- 引越しなどで、とにかく即日・無料で引き取ってほしい場合
価格よりも「処分の手軽さ」を最優先する場合には、ブックオフの全国ネットワークと運営システムは非常に便利な選択肢と言えるでしょう。
まとめ:レコードの価値に見合った売却先を選ぼう
ブックオフは、手軽に不要なものを売却できる優れたサービスですが、レコードのような専門的なアイテムの価値を正しく評価する場所としては設計されていません。
あなたの大切なレコードが、単なる「中古品」として扱われるのか、それとも「価値あるコレクション」として評価されるのか。それは、あなたがどの売却先を選ぶかにかかっています。この記事を参考に、ご自身の目的やレコードの種類に合った、後悔のない選択をしてください。
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