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【良質ハードバップを楽しむ盤】Chet Baker & Crew PJ1224 World Pacificラベル

3.5
Chet Baker

このアルバム、本当になかなか手に入らないんですよね・・・

Chet Baker & Crew – Chet Baker & Crew (World Pacific PJ-1224)

基本情報

  • アーティスト: Chet Baker & Crew
  • アルバムタイトル: Chet Baker & Crew
  • カタログ番号: World Pacific Records – PJ-1224
  • シリーズ: Pacific Jazz Series
  • 音源フォーマット: モノラル(リイシュー含む)
  • リリース年: 1957年(録音は1956年7月)
  • レーベル: World Pacific Records
  • ジャンル: Jazz
  • スタイル: Cool Jazz

トラックリスト

  1. To Mickey’s Memory
  2. Slightly Above Moderate
  3. Helema
  4. Revelation
  5. Something For Liza
  6. Lucius Lu
  7. Worrying The Life Out Of Me
  8. Medium Rock

参加ミュージシャン

  • Chet Baker – トランペット
  • Phil Urso – テナーサックス
  • Bobby Timmons – ピアノ
  • Jimmy Bond – ベース
  • Peter Littman – ドラムス
  • Bill Loughborough – クロマチック・ティンパニ(一部曲)

録音詳細

  • 録音日: 1956年7月24日、25日、31日
  • 録音場所: Forum Theatre, Los Angeles(スタジオ録音環境、無観客)
  • プロデューサー: Dick Bock

補足情報

  • ヨーロッパ・ツアーから帰国後、フィル・アーソとの2管編成で新進気鋭のボビー・ティモンズらと録音した作品[2][3][4]。
  • オリジナル盤は黒のWorld Pacificラベル、”Microgroove”表記。
  • 一部の再発盤では「Chet Baker And His Crew」名義がラベルに使われている場合あり[1]。
  • 「To Mickey’s Memory」「Revelation」など、クールジャズらしいリリカルで端正な演奏が特徴。
  • 録音はスタジオながらForum Theatreで行われ、臨場感ある音響が魅力。
  • この時期のChet Bakerは、よりバップ色の強い演奏スタイルにシフトしており、フィル・アーソのテナーやティモンズのピアノがその変化を支えている[3][5][7]。
  • オリジナル録音のプロデューサーはDick Bock、写真はWilliam Claxtonが担当[4]。

アルバムの特徴・評価

「Chet Baker & Crew」は、Chet Bakerがヨーロッパから帰国後に新たなクインテットで録音した、クールジャズからバップへの過渡期を示す重要作です。リリカルなトランペットと、フィル・アーソ、ボビー・ティモンズらのフレッシュな演奏が融合し、1950年代西海岸ジャズの代表的な一枚として高く評価されています。

私の持っている盤、Chet Baker & Crew PJ1224 World Pacificラベル

冒頭でも書きましたが、この盤、なかなか手に入りません。

たぶん、勝手な想像ですけど、チェット・ベイカー絶頂期のアルバムでありながら、比較的価格が「手頃だから」だと勝手に想像しています。

今見てみると、オリジナル盤のPJラベルでのdiscogsでも価格は、

  • 低:¥656
  • 中間点:¥7,290
  • 高:¥25,520
Just a moment...

と表示されています。

ご存じの方は多いと思いますが、今のディスクユニオンやHMVなど、中古レコード店の多くはこのdiscogsでの価格を参考に値付けされています。

そういう意味ではおそらく、高くても25000円前後でオリジナル盤が購入できるということになります。(あくまで推定)

で、私の持っている、このWPラベルにおいては、

  • 低:¥583
  • 中間点:¥5,097
  • 高:¥12,289
Just a moment...

と書かれているわけで、チェット・ベイカーの絶頂期を記録した、パシフィック・ジャズにしては比較的安価に感じます。

だからなのか、結構人気が高く、どこかで出品されると、例えばディスクユニオンなんかで「中級リスト」などで出品されるとすぐに売り切れてしまいます。

こちらもご存じの方が多いように、ディスクユニオンはセール開始後の14時には価格付きリストをサイト内に表示してくれます。

しかし当然のことながら、すでに売り切れてしまっている商品には価格付きリストは表示されず、二重線が示されているだけです。

で、そんなこんなでこのChet Baker & Crew PJ1224においても、ディスクユニオンの販売価格なんてほとんど見たことがありません。見た記憶はありません。

だから、ちょくちょくこの盤を探していたんです。

人気だから。チェット・ベイカーの絶頂期と名高いから。

でもこれは本当にコレクターあるあるだと思うんですけど

「ほしい」と思っているときに手に入らないもので、

「なんとも思っていない時」に何気なく手に入ったりするものなんですよね。

いつものように、何気なくsaboten recordsの新着リストを眺めていると、

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今回のアルバムが出品されていました。

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「お!チェット・ベイカーがあるぞ!」

と、gmailで送られてきたリストを見て、興奮したものの、半分は冷めた目線でした。

「まぁ、チェット・ベイカーはすぐに売り切れているだろう。」

と半信半疑でサイトをのぞいたんです。

このサボテンレコードさん、使ったことがある方はご存知のように、人気の盤は出品されるとすぐに売り切れてしまいます。

ところが、このChet Baker & Crew PJ1224 World Pacificラベル、なぜかメールのリンクをたどるとまだ販売中でした。

しかも価格は5,000円台だったと記憶しています。

逆にこれだけナイスプライスだとちょっとなにかネックポイントがあるはず。

状態・・・

ジャケットの状態はさほど良くないみたいだけど、まぁジャケットはそもそも気にしないので問題なし。

板の状態。EX・・・ちょっと気になるけれど、「綺麗なコンディション」というのだから、このアルバムにしてこの価格ならいいでしょう。

World Pacificラベル・・・

ご存知のように、パシフィック・ジャズレーベルは、もとは「pacific records」と、書かれているのがオリジナルのケースが多く、今回もそのご多分に漏れません。

ですが、私自身は、このパフィシックジャズのWPラベルか、PJラベルかはそれほど気にしていません。

RVG有無のような顕著な「音の違い」はないと思っているから。

ましてや、説明欄に書かれているように、マト番がD1だから問題ないでしょう。

いろいろ「ネックとなるポイント」を探してみても、全然見つからないので、

「よし!買おう!」

と焦って購入。

これまでは、「買おう!」と決意して、購入画面を進めている最中に、

「この商品は売り切れました」

というのが、サボテンレコードさんに限らずしょっちゅうあったので、焦る心に、「落ち着け、落ち着け・・・」と言い聞かせながら。

でも今回は、問題なく買えました。

よかった~。

で、無事届いた商品。

実際に聞いてみると、確かに若干のノイズはあるものの許容範囲。

少なくとも、1万円とかの価格で買ったわけじゃなくて5,000円台で購入したので何も問題はありません。

状態はほぼ完璧といっていいでしょう。

音もやっぱり良い。パシフィックレーベルにおける、チェット・ベイカーのトランペットが十分前面に出てきます。

良い買い物をしました。

さて、アルバムそのものの評価を考えるとどうか。

うーん。

確かに、チェット・ベイカーの絶頂期(とされる)アルバムにしては安価で人気ですぐに売り切れてしまうのは頷けるのですが、アルバムそのものがチェット・ベイカーを楽しむのに最適か?

と問われるとそうではない気がしてしまいます。

というのも、テナーサックスのフィルアーソが結構前面に出ている。全体的に。

どの曲も、最初は、フィルアーソのテナーサックスソロから始まり、チェット・ベイカーがソロを任されるのはその後が多い。

だから、というわけではないのですが、他の例えばこういうアルバム

【チェットのTPを堪能するにはピッタリ】Chet Baker The Trumpet Artistry Of Chet Baker PJ1206 WPラベル

に比べると、「チェット・ベイカーを存分に味わう」のを目的にすると、少し肩透かしを食らうかもしれません。

でもじゃあ、このアルバムがダメなのか?と言われるとそうじゃない。

私自身は、昨日あらためて聞き直してそのときに改めて「チェット・ベイカーを聴くためのアルバム」として聞いてしまったので、少し物足りなさを感じてしまったのですが、

この時期のハードバップ盤を楽しむ」ことを目的としたら、十分魅力的なアルバムです。

ピアノのボビー・ティモンズも、後期にあるような「ファンキーさ」はまだ控えめで、しっかりとメロディラインを奏でている。

むしろ結構心地よいピアノ。

フィルアーソのテナーサックスも演奏としてはかなり良い。

そして、その後に「ヒーロは遅れてやってくる」ばりのチェット・ベイカーのトランペットがやってくれば、もう文句なしでしょう。

繰り返しになりますが、「チェット・ベイカーのトランペットを堪能する」ことを目的としたら(ちなみにボーカルはありません)、少し肩透かしを喰らいますが、この時期のハードバップを堪能するには十分魅力的なアルバム。

私のように、セカンドである、「world pacificレーベル」でも十分楽しめるので、購入するのを強くおすすめしたい盤です。

このブログ記事でのアルバム評価は、「チェット・ベイカーのトランペットを味わいたい」ということを目的にしたうえでの評価として、(他のチェット・ベイカーのアルバムとの差別化を図る意味でも)星3.5にしていますが、ジャズとしては良質だと思います。

どちらにしてもあくまでも個人の意見であることをご承知おきください。

P.S.

といいつつ、今あらためて、このアルバムを聞き直していますけど、やっぱりチェット・ベイカーのトランペットいいですね。染み渡ります。

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