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【奥深さを堪能】Chet Baker – Polka Dots And Moonbeams JLP88

4.0
Chet Baker

やっぱりいいですね。

パシフィック時代とは違うチェットの魅力が凝縮されています。

というか、ジョニー・グリフィンが思いの外、良い。

Chet Baker – Polka Dots And Moonbeams(JAZZLAND JLP 88, 1966年USモノラル盤)

盤仕様・特徴

  • リリース年:1966年(録音:1958年9月、ニューヨーク)
  • レーベル:JAZZLAND – JLP 88(オリジナルは1959年Prestigeから、こちらはリプレス盤。ランアウトに“6-28-66”の刻印あり)
  • フォーマット:LP、モノラル、US盤
  • ジャケット:JAZZLANDレーベル仕様のデザイン。モノクロ写真を基調にしたスタンダードなレイアウト。
  • マトリクス・ランアウト:
    • サイドA:PC – JLP-88 A
    • サイドB:PC – JLP-88 B-1
  • 権利管理:ASCAP(A1, A2, B2, B3)、BMI(A3, B1)
  • レコード会社:Orpheum Productions, Inc.(発売元)
  • 出版:Andante Music, Inc. / ABC Music (3) / Jazz Standard (2) / Prestige Music Co / Peter Maurice Music Co. Ltd. / Miller Music Inc.

パーソネル

  • チェット・ベイカー – トランペット
  • ジョニー・グリフィン – テナーサックス
  • アル・ヘイグ – ピアノ
  • ポール・チェンバース – ベース
  • “フィリー”・ジョー・ジョーンズ – ドラムス

トラックリスト

  1. Fair Weather(作曲:ベニー・ゴルソン) – 6:55
  2. Polka Dots And Moonbeams(作曲:バート・バーク、ジミー・ヴァン・ヒューゼン) – 7:57
  3. Hotel 49(作曲:オーウェン・マーシャル) – 8:07
  4. Solar(作曲:マイルス・デイヴィス) – 5:49
  5. Blue Thoughts(作曲:ベニー・ゴルソン) – 7:34
  6. When Lights Are Low(作曲:ベニー・カーター、スペンサー・ウィリアムス) – 6:50

録音:1958年9月、ニューヨーク

この盤特有のポイント・コレクター情報

  • 本作はチェット・ベイカーの東海岸録音作の一つで、1958年Prestigeオリジナル録音をリイシューしたJAZZLAND盤。マイルス・デイヴィス・クインテットでも知られる「フィリー」・ジョー・ジョーンズとポール・チェンバースという豪華リズム隊、そしてジョニー・グリフィンの爆発的なテナーを迎えた希少なセッション。
  • オリジナルPrestige盤と異なり、レーベルやジャケットデザインがJAZZLAND独自となる。1966年リプレスを見分けるポイントはランアウト部「6-28-66」の手書き刻印。
  • ベイカーらしい叙情的でリリカルなトランペット・プレイと、グリフィンによる硬派なブロウ、チェンバース&ジョーンズのタイトなグルーヴが共存。クールジャズとハードバップが交錯する異色アルバム。
  • 音質はPrestige直系の太く力強いサウンドが特徴で、1960年代中期のUSモノラル盤としては厚みと鮮明さがある(盤状態が良好ならば)。
  • 同時期のベイカー作品と比べ、本盤はピアノにアル・ヘイグを配しており、ヘイグの流麗なタッチも注目点。

まとめ

『Polka Dots And Moonbeams』(JAZZLAND JLP 88, 1966年モノラル盤)は、チェット・ベイカーがニューヨーク録音で一堂に会した豪華メンバーによる異色の一枚。クールな叙情性とハードバップの熱量が同居する稀有なセッションであり、盤・ジャケット仕様やランアウト刻印など、コレクター志向のディテールも満載のアルバムである。

情報元Discogs URL:

Just a moment...

私の持っている盤、Chet Baker – Polka Dots And Moonbeams JLP88

はじめに断っておくと、今回ご紹介するアルバムは「再発盤」です。

あたりまです。

セカンドコレクターにはオリジナル盤を買う経済的、時間的余裕なんてありません。笑

厳密にはこれを書いている現在、chet baker in new yorkというタイトルのオリジナル盤もディスクユニオンには販売されているようですが・・・

IN NEW YORK/CHET BAKER/チェット・ベイカー|JAZZ|ディスクユニオン・オンラインショップ|diskunion.net
IN NEW YORK/CHET BAKER/チェット・ベイカー/JAZZの商品詳細ページです。新品CDからレコード、紙ジャケ、中古のレア盤など各種を取り扱う、ディスクユニオン・オンラインショップです。

なんといっても、58,000円ですよ。

さすがにちょっと手が出ませんよね。

ただ、このchet baker in new york。

昔からこのタイトルのことを知っていて、

私はどちらかと言うと、チェット・ベイカーの「トランペット」が好き。

というのも、きっと、先輩コレクターの影響だと思うのですが、

以前、ディスクユニオン新宿店のセールに並んでいたときに、

先輩コレクターに、

「今日は何を目当てにいらしたんですか?」

と聴くと、

「今日はね、chet bakerのchetだよ。」

「え?ボーカルものじゃないんですか?」

「うん。そう。僕はボーカルよりもトランペットが好きだから、こういうチェットのトランペットものを買うんだよ。例えばクリフォード・ブラウンウィズヘレン・メリルなんかもブラウンのトランペット目当てで聴いているよ。」

というこの言葉を聞いて、

「あ、そうなんだ。熟練コレクターは、ボーカルものをボーカル目当てではなくてそのサイドメンである管楽器目当てに買うんだ。」

と思うようになり、たしかにそう聴いてみると(あきらかに影響を受けて流されているけれど)、チェット・ベイカーのトランペットっていいな。と思うようになっていました。

今になって思えば、チェット・ベイカーのsingsにおける歌声はたしかに魅力的。

ですが、そのときは、

「そうなんだ。じゃあ、これからチェット・ベイカーのトランペットを中心に集めてみよう」と思い始めました。

それから5年近く経ちましたが、

なかなかチェット・ベイカーは手に入りづらい。

どこかに出品されると、ものすごい勢いで売り切れるから。

ディスクユニオンで出品されたと思ったらすぐになくなってしまいます。

だから、本当にチェット・ベイカーは入手が困難です。

そして、「チェット・ベイカーのトランペットもので優れた盤」を見つけるのもすごく難しいです。

 

なぜなら、チェット・ベイカー作品の多くが、ボーカルを混じえたり、2管編成以上が多いから。

そして、なぜかチェット・ベイカーは、2管編成以上のアルバムを出すと、「後ろに下がる」傾向にあります。

なぜか、先にサイドの方々を演奏させて自分は2番手3番手で演奏することがあります。

そのためか、どちらかと言うとベイカーの演奏は「控えめ」に聞こえるアルバムが多いように感じます。

しかし、その「控えめ」な2番手3番手の演奏でも、やっぱりチェット・ベイカーのトランペットってなんかいいんですよね。

「なんか」としか形容できない、自分の語彙力のなさに呆れ果てるのですが、

なんか、マイルスやフレディー・ハバード、さらにリー・モーガンのトランペットともまた違う魅力が彼のトランペットには隠されているように感じてなりません。

 

で、なんとかチェット・ベイカーの「トランペットもの」でおすすめのアルバムを手に入れたいと調べた結果、

 

chet baker in new york

chet baker quartet

chet baker in millan

 

この2つがおすすめアルバムとしてあげられていることがわかりました。

chet baker quartetに関しては、僕がいつも参考にしているコットンクラブさんのブログから。

 

Chet Bakerの歌はステキだな、と思う反面、ムシズが走るような嫌悪感を感じる筆者ですが、トランペットに集中した本盤は、Chet Bakerのレコードの中で一番のお気に入り。

『Chet Baker』
Russ Freeman and Chet Baker, Quartet(World Pacific PJ1232)12inchPacific Jazzは12…

 

chet baker in new yorkとin millanはどのブログだったかは失念しました。

そしてin millanは、3管編成なので自分の中で優先順位を下げて、

この

 

chet baker in new yorkとchet baker quartetを、チェット・ベイカーの「当面の終着点」として探し続けました。

 

・・・が、とにかく見つからない。

セカンドコレクターである私は、chet baker in new yorkに関しては、セカンドである、「Polka Dots And Moonbeams」で十分と考えていたのですが、これがまぁ、出ない。

 

ずっとディスクユニオンのオンラインショップを絶えず覗いていたわけではないのですが、

 

◆CHET BAKER / POLKA DOTS AND MOONB (JLP988) 4,250円(税込)
◎外装:B/EX ◎盤質:B/EX US盤/STEREO/マルーンORPHEUM

12/17(日)「価格入りリスト公開!!新着JAZZ廃盤中古レコードセール」 : ユニオンレコード新宿
12/17(日)「新着JAZZ廃盤中古レコードセール」MODERN JAZZオリジナル盤、和JAZZレア盤ほか新着廃盤レコードを一気に出品いたします。★まずはMODERN JAZZ注目アイテムです。■KENNY DORHAM/QUITET ...

これ以降、出品されたのを見たことがありません。

というかこのとき、手にまでとったのに手放してしまったことを未だに後悔しています。

 

とにかくめったに出品されない。

もちろん、オリジナルのin new yorkはしょっちゅう出品されるのですが、このセカンドバージョンが本当に手に入りません。

きっと同じことをみんな考えているのであまり手放さない&出品されたらすぐに売り切れるんだと思います。

かといって、いつまでもこれをおい続けていたら、

結局他のレコードを見てしまって、その他のレコードを買ってしまう。

という終わらないジレンマに陥ってしまうと思い、結局ちょっと別の店で購入することにしました。

 

CHET BAKER ‎ / Polka Dots And Moonbeams | anchorrecord
バップ・チューン「Hotel 49」「Solar」など収録のアル・ヘイグトリオ、ジョニー・グリフィンとの共演アルバム。58年レコーディング、63年発売JLP88 オリジナル盤。レコード: JAZZLAND ‎– JLP 88 MONO マル...

 

前からこのお店で売っていることは知っていたんです。

だけど、相場より3~4,000円ほど高いし、状態の質問を送っても2年くらい返信、音沙汰なし。

だったので、

「ここでは買わない」

と決めていたのですが、もう仕方ない。

ここでしか手に入らない!

と思って、結局このショップで購入した。

・・・めっちゃ前置きが長くなりましたが、それが今回の盤を購入した経緯です。

 

とにかくあくまでも私の所感ですが、このセカンドバージョン、むしろオリジナルより入手困難な気がしているので、もし見かけたら(状態が良ければの前提ですが)購入するのをおすすめします。

 

で、実際のアルバムの内容はどうか。

うん。かなり良いです。

 

なるほど。確かに、パシフィックのときとは一風変わったチェット。

よくいろんなサイトで、「ハードバップに傾倒したチェット」と書かれているけれど、前提としてハードバップの何たるやをわからない筆者が語る限りでは、「それほどブイブイハードバップしていない印象」を受けます。

いわゆるものすごい、スピード重視の演奏という感じではなく。

しっかりとチェットの良さを残した、チェットのトランペットの「奥深さをじっくり堪能」することができる、素敵なアルバムだと感じます。

特に多くの方が語られているように、

Polka Dots And Moonbeams

がいいのですが、ただそれ以外の曲もかなり良い。

When Lights Are Lowでもかなり美しいチェットの、良い意味で力の抜けたトランペットを楽しむことができます。

というか、冒頭でも書いたんですけど、ジョニー・グリフィンがかなり良い働きをしています。

グリフィンのソロが、しっくり耳に入ってくる。

しっかりと土台を整えて、グリフィンの演奏自体を楽しむこともできるし、そのあとにくるチェットベイカーをより際立ててくれます。

アル・ヘイグのピアノも安定していて綺麗。

全体的に、とてもハイレベルで、確かに「チェットのトランペットを堪能するにはぴったりな一枚」と言えると思います。

ただし、私の中でやはり、チェット・ベイカーのトランペットを楽しむという意味で、今のところの1位は変わらず、

【チェットのTPを堪能するにはピッタリ】Chet Baker The Trumpet Artistry Of Chet Baker PJ1206 WPラベル

です。

このアルバム、本当に値段が上がらないし、市場にも結構出回る。

だけど、個人的にはチェットのトランペットを楽しむにはこれが一番のように感じる。

なんだか難しいところだなと感じます。

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