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【モブレー、半泣き】Hank Mobley Hank Mobley’s Message PR7661 vangelder

3.0
Hank Mobley

確かにセカンドメッセージのほうがいいかも。

この記事を書いた人

  • ケン

    私自身の苦い後悔を原点に、「レコードの価値を未来へ繋ぐ」という信念で、一枚一枚の記事を執筆しています。収集の喜びも、売却の知識も。セカンドコレクターとして全力で文章を綴ります。 → プロフィール

Hank Mobley – Hank Mobley’s Message(Prestige PR 7661, 1974年USステレオ再発盤/電子処理ステレオ)

盤仕様・特徴

  • リリース年:1974年(録音:1956年7月20日、ニュージャージー州ハッケンサック、ヴァン・ゲルダー・スタジオ)
  • レーベル:Prestige – PR 7661 / PRT-7661(米国/“Jazz Classics Series”)
  • フォーマット:LP, Album, Stereo(リイシュー/リマスター、オリジナルはモノラル録音。本盤は電子処理による疑似ステレオ仕様)
  • ジャケット:1970年代Prestige再発に特徴的な“Jazz Classics Series”統一デザイン。オリジナルのPrestige 7061盤とは異なる装丁。
  • 録音スタジオ:Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey(Rudy Van Gelderによるエンジニアリング)
  • 監修:Bob Weinstock(Prestigeレーベル創設者)
  • マトリクス・ランアウト:
    • サイドA:PR-7661-A / VAN GELDER
    • サイドB:PR-7661-B / VAN GELDER

パーソネル

  • Hank Mobley – テナーサックス
  • Donald Byrd – トランペット
  • Jackie McLean – アルトサックス
  • Barry Harris – ピアノ
  • Doug Watkins – ベース
  • Art Taylor – ドラムス

トラックリスト

  1. Bouncing With Bud(Bud Powell) – 6:50
  2. 52nd Street Theme(Thelonious Monk) – 5:34
  3. Minor Disturbance(Hank Mobley) – 6:08
  4. Au Privave(Charlie Parker) – 7:23
  5. Little Girl Blue(Rodgers/Hart) – 8:29
  6. Alternating Current(Hank Mobley) – 6:22

録音:1956年7月20日、ヴァン・ゲルダー・スタジオ、ハッケンサック、ニュージャージー
オリジナル盤Prestige PRLP 7061はモノラル仕様。本盤PR 7661は1974年リイシューで、電子的なステレオ加工が施されている。

この盤特有のポイント・コレクター情報

  • オリジナルPrestige PRLP 7061(1956年モノラル)に比べ、本盤は1974年の“Jazz Classics Series”再発で、とくに“Electronically Remastered for Stereo”処理が特徴。
  • ラベルとジャケットのデザインは1970年代Prestige再発に共通するもので、コレクター間ではオリジナル盤との差別化ポイントとなる。
  • マトリクスには「VAN GELDER」刻印があり、再発ながらヴァン・ゲルダー・スタジオに由来するマザーからのカッティングであることがわかる。
  • 演奏はハードバップ黄金期の代表的布陣。モブレー、バード、マクリーンといった若手気鋭の管楽器陣に、バリー・ハリスの端正なピアノとワトキンス=テイラーのリズム隊が支える。
  • オリジナル・モノラル盤Prestige PRLP 7061は高額で取引される一方、本盤PR 7661は比較的流通が多く、入手しやすい再発盤としてコレクターの需要が分かれる。

まとめ

『Hank Mobley’s Message』(Prestige PR 7661, 1974年USステレオ再発盤) は、1956年録音の名セッションを電子処理ステレオで再発した“Jazz Classics Series”盤。モブレー、バード、マクリーンらによるハードバップ充実期の記録であり、Prestige初期の熱気を再発盤仕様ながら楽しむことができる作例である。

情報元Discogs URL:

Just a moment...

私の持っている盤、Hank Mobley Hank Mobley’s Message PR7661 vangelder

ディスクユニオンのオンラインショップを見ているときに、たまたま見つけて買った盤。

正確には、最初にオンラインで見つけて、

「お、1500円なら安いな。しかもvangelder刻印つき。」

と思って買おうかと思ったけど、しばらく悩んでいたらなくなってしまったので、

「あ、売り切れたんだ。まぁいっか。」

と思った盤。

そこから4~5日して、もう一度オンラインショップを覗いたら、普通にまた売っていた。

おそらく、誰かがオンライン上で購入して、「ん?なんだこれ。ステレオリマスターか。じゃあいいや。」といって、キャンセルしたのではないかと考える。

でも、このブログでは何度も書いたように、

【モブレー、泣かせます】Hank Mobley Hank Mobley’s Second Message PRST7667 van gelder

基本、私は、このプレスティッジ盤の「ステレオリマスター」を好みます。

なぜなら、「疑似ステレオ」ではないから。

コロンビアのレコードやリバーサイドのレコードの「ステレオリマスター」、もしくは、「(This Album Has Been ELECTRONICALLY REMASTERED For Stereo)」といった表記の盤は絶対に買いません。

なぜなら本当に、「モノラルを無理やりステレオに引き伸ばしている感じ」がするから。

もうかれこれ、「ホントの疑似ステレオ盤」は買っていないし聴いていないので、記憶に頼るしかないんですけど、本当にひどい。

例えば、round about midnight。かの有名な、マイルス・デイヴィスのコロンビアの名盤ですが、これも、疑似ステレオ盤。

ディスクユニオンなどではなぜか「高音質」などと書かれていることが多いものの、そういうのに騙されてはいけない。

いや、音質は確かに「良い」のかもしれない。

だけど、疑似ステレオなので、かなりの「違和感」を覚えます。

そういうわけで、私は基本、疑似ステレオのレコードは買わないようにしているのですが、プレスティッジの、正確には「vangelderの関わった、(This Album Has Been ELECTRONICALLY REMASTERED For Stereo)」は話が別。

全く疑似ステレオ感はありません。

むしろ、せいかくにはこれ、ステレオカートリッジで流しても、モノラルで鳴り響きます。

なので、高価なオリジナル盤を買うくらいならこれで十分。

実際、今回購入したのも1500円。もちろんvangelder刻印付き。

オリジナル?

買えません。直近で言うと、

◆HANK MOBLEY / MOBLEYS MESSAGE ((PRLP7061) 128,000円(税込)
◎外装:B/EX- ◎盤質:B/VG+ オリジナル盤/黄NYC/DG/447Wコーティング/角傷み、裏シワ/盤一見まずまずですが細かいキズで拾う箇所複数あり

4/26(土)『ジャズUS廃盤レコードセール』オンラインショップ出品 : ディスクユニオンJazzTOKYO

20205年4月のセールでこのような出品がありました。

12万!しかも、売り切れています。・・・うーん。

だったら、エレクトリックチェンジドといいつつも、オリジナルで聞こえるしかもvangelder刻印つきで1500円で買える、これで十分だと思いませんか。

いや、私は勝手にそう思っています。

実際、昨日このレコードを聞いてみて改めて思いました。

私は自分のことを「セカンドコレクター」と称していますが、なにも「オリジナル反対派」というわけではありません。

オリジナル盤は本当は大好きです。

だけど値段の高いオリジナル盤を買うくらいなら、音質が全く一緒なセカンドやサードを買うほうがいいと言うだけの話。

なので本当にほしい盤はやっぱりオリジナル盤でほしいです。

とはいえ、このレコード。正直な話、いくらモブレーの盤だからといって、オリジナルで12万円を払って買う価値があるのかな?と感じてしまいます勝手に。(このレコードが好きな方、すみません。素人の無知なボヤキと許してください)

実際、私がレコードを購入するときの参考にしている、jazzdangiでも、このように語られています。

軽快な演奏だが、なんとなくバラバラとした印象。一週間後に演奏したとされる2nd MESSAGEの方がかなり良い。メンバーも多少違うが、暖機運転中といったところか?

Hank Mobley: ハンク・モブレー 主要リーダー作 CDレビュー 1
ここではハンク・モブレーのデビューから1957年までを一つの区切りとして掲載しています。 初録音は1953年のマックス・ローチのデビュー盤。 しかし!いきなりワンホーンです。

うん・・・

そうなんですよね。

悪くはないんです。

個人的にはこの軽快な演奏が多いのがちょっと気になりますが、全体的に悪くはない。

だけど確かになんか、チグハグな印象が強いんですよね。

なんていうか奏者みんなに「一本の軸が通っていない」というかなんというか。

それぞれがそれぞれ、好き勝手に演奏してそれをアルバムにしましたみたいな(本当すみません勝手な解釈です)印象を受けてしまいます。

もちろん、個々はいいんです。モブレーのテナーはさすがの安定感。

ドナルド・バードのトランペットもよく、若干、ジャッキー・マクリーンのアルトサックスが控えめなのが気になりますが、個々の演奏はすごくいい。バリー・ハリスのピアノもすごく快適な好サポートで耳障りも良い。ソロもまた良い。

だけど、全体を通して聴くと、なんか物足りない・・・

正直この物足りなさみたいのは、セカンドメッセージでも感じなくはありません。

ですが、このmessageほどではない。

しかも私の中では、「セカンドメッセージ」の方には、「i shoul care」という圧倒的なキラーチューンがある。

ですが、このアルバムにはそれもない。

強いて言うなら、little girl blueは、モブレーのワンホーンで、セカンドメッセージの「i should care」の「泣き」の要素が入っている。

こちらの記事でも述べましたが、

【モブレー、泣かせます】Hank Mobley Hank Mobley’s Second Message PRST7667 van gelder

i shoul careは、最高の名演だと思うのですが、モブレーのソロが最後のほんのちょろっとだけで、そこだけが物足りない、惜しい。

ところがこのmessageでは、little girl blueで、モブレーがワンホーンで歌っている。

「よっしゃ!なぜだか知らないけれど、セカンドメッセージの汚名をこのファーストメッセージで返上だ!」

と思ったら、肩透かしを食らう。

「あれ?」

と感じる。

うーん・・・

曲が悪いのか、何が悪いのか、ちょっと単調に感じる。

セカンドメッセージであれほど、

「もっとモブレーのソロを長くしてくれ!」

と思ったけれど、モブレーのワンホーンはそれはそれで、なんだかちょっと飽きてくる?

と感じました。

少なくとも「message」の段階でのモブレーのソロの感想です。

決してモブレーのソロを否定しているわけではありません。

ご存知のように、

【この盤に出会えて良かった】Hank Mobley Soul Station BLP4031は永遠の名盤

でのモブレーは最高ですよ。

でも、このファーストメッセージでのワンホーンは、セカンドメッセージのときよりもちょっと弱く感じる。

この当時のモブレーのソロはなにか物足りなかったのか、ファーストからセカンドに至るまででモブレーが成長したのかわかりませんが、個人的には、「モブレー、半泣き」みたいな感じです。

泣きのテナーかなと思ったら、あれ?涙がひこんだみたいな感じを受けました。

最後の曲も、全体を通してもちょっと、「軸」というか、何かが足りない気がする。

けれどそれを言語化できないことにもどかしさを感じます。

総じて。

正直、高価なオリジナルを入手する必要はなく。

この千円程度で手に入る、ステレオvangeldere刻印バージョンを強くおすすめします。

このくらいの価格で、ステレオvangelderで買えるなら大満足の盤です。

個人的な見解が強くてすみません。

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追記。いや、いいんですよ。little girl blue。やっぱりモブレーのソロは最高だなと思うんですけど、ちょっと中だるみしてしまうように、個人的には感じてしまうというだけの話です。

追記2。そういえば、このレコードのオリジナル盤には少しだけ因縁?があります。7~8年くらい前。はじめてか2回目のhalzの訪問。

Hal's JAZZ ビンテージジャズレコードの店
HAL'S RECORD 中古レコード店です。ホットな話題を提供。通信販売用レコードリストも充実しています。

なんの目的で訪ねたが忘れましたが、先客がいて、なんだか店主と話していました。

そのうち、壁に飾ってあった、モブレーファーストメッセージ。別名、電柱のモブレーの話しをし始めました。

その先客の方は、ちらほらこちらの方を見ながらなにやらその電柱のモブレーの話しをしている。私は全く興味がなかったので、自分の餌探しに没頭していたのですが、ついに最終的にその先客は、「取り置きってできますか?」と質問し、電柱のモブレーを取り置いて返っていきました。

たぶん、モブレーの電柱が壁に飾ってある

珍しい

ほしい

だけど値段が・・・

そのあとに別の客が来た

取られる心配・・・

とりおきしよう・・・

ということで取り置いたんだと思いますが、当時の私は(今もですが)全く電柱のモブレー、つまりmobley’s messageには全く興味ありませんでした。

基本的に、取り置いたら買わないといけないというのが暗黙のルール。

おそらくその人は結局買ったのでしょう。

それで満足したのかどうかはわかりませんが、記憶の限りでは、確かその当時で5か6万くらいだった気がします。

当時はまだ安かったほうでしょう。

結果的にはその人、そこで取り置いてよかったと言えるのかもしれませんね。

私は、このvangelderステレオで十分ですが・・・

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