とても美しいアルバム。
だけど、やっぱり私にはfaithfulyのほうが上。
ジョニー・マティス with パーシー・フェイス・オーケストラ – Swing Softly(Columbia CL 1165, 1958年USモノラル/ハリウッドプレス)
盤仕様・特徴
- リリース年:1958年(ジョニー・マティスのスタジオ6作目)
- レーベル:Columbia – CL 1165
- フォーマット:LP, Album, Mono(US盤/Columbiaハリウッド工場プレス)
- ジャンル:ジャズ/ポップス
- スタイル:ビッグバンド、スウィング
- プレス:Columbia Records Pressing Plant, Hollywood(工場ID “H”)
- マトリクス・ランアウト:
- サイドA:x “Lp” 43281
- サイドB:x “Lp” 43282
- ジャケット:1950年代後期Columbia特有のシングルスリーブ仕様。表面はアーティスト写真を主体としたシンプルなデザイン、裏面には曲目と解説を掲載。
- 録音背景:1950年代後半、クロスオーバー的なポップス歌唱とスウィングジャズの融合期。ジョニー・マティスの若々しいテノールが、パーシー・フェイスの豊かなオーケストレーションと組み合わされている。
パーソネル
- ジョニー・マティス – ヴォーカル
- パーシー・フェイス – 指揮
- パーシー・フェイス・オーケストラ – 管弦楽伴奏
トラックリスト
- You Hit The Spot(Harry Revel, Mack Gordon)
- It’s Delovely(Cole Porter)
- Get Me To The Church On Time(Alan Jay Lerner, Frederick Loewe)
- Like Someone In Love(Jimmy Van Heusen, Johnny Burke)
- You’d Be So Nice To Come Home To(Cole Porter)
- Love Walked In(George Gershwin, Ira Gershwin)
- This Heart Of Mine(Arthur Freed, Harry Warren)
- To Be In Love (A Fantastical Love Song)(Bart Howard)
- Sweet Lorraine(Cliff Burwell, Mitchell Parish)
- Can’t Get Out Of This Mood(Jimmy McHugh, Frank Loesser)
- I’ve Got The World On A String(Harold Arlen, Ted Koehler)
- Easy To Say (But So Hard To Do)(Jack Segal, Marvin Fisher)
録音:1958年(米国)
Columbia CL 1165(モノラル)。Hollywoodプレスはラベル下部に識別用マークがある。
この盤特有のポイント・コレクター情報
- ジョニー・マティスのカタログの中では、ポピュラー・スタンダードに寄ったアレンジが多く、ビッグバンド~スウィング的伴奏が前面に出ている。
- ハリウッド工場プレス(工場ID “H”)は同じCL 1165でもニューヨーク/テルテックス工場プレスとは刻印やラベルの細部が異なるため、収集上の識別ポイントとなる。
- オーケストラはパーシー・フェイスが全面的に指揮・アレンジを担当し、Columbia黄金期の音作りを象徴する密度の高いサウンドが特徴。
- マティスの伸びやかなヴォーカルが、当時のラジオ/ハイファイ再生向けにバランス調整されており、モノラル盤特有の芯のある音像もコレクターに人気。
- 選曲はアメリカン・ソングブックを中心に、当時ミュージカル作品からのナンバーも含むため、戦後ポップスのレンジを広くカバーしている。
まとめ
『Swing Softly』(Columbia CL 1165, 1958年USモノラル盤/ハリウッドプレス)は、ジョニー・マティスの初期キャリアにおけるスウィング色の強いアルバムであり、パーシー・フェイス&オーケストラによる緻密な伴奏とともに、50年代末のポップス/ジャズ融合の時代性を刻んだ作品。工場ごとのプレス違いも含めコレクション的価値を有している。
情報元Discogs URL:
私の持っている盤、Johnny Mathis with Percy Faith & His Orchestra Swing Softly CL1165たぶん、オリジナル
johnny mathis??
誰それ?
という声があがってきそうですが、私がジャズボーカルの中で一番気に入っているアーティストがこの人。
この作品、ではないんですけど、このアーティストがジャズボーカルの中で一番好きです。
「男性ジャズボーカル」と聴いて誰もが一番最初に思い浮かべるのがチェット・ベイカーではないでしょうか。
基本的に私もそれには異論はないんですけど、先日傷物のチェット・ベイカー・シングスを入手して、あまりにも周回ノイズが目立って、とてもじゃないけれど聴くことができないので手放してしまった、盤。
「まぁ、どうせ手放すけれど、せっかくなら一度聴いてみるか。」
と思い、オリジナル盤をかけてみたんですけど・・・
うーん・・・
なんか、最初にセカンドバージョンを買って聴いたときの感動が全く来ない。
価格の問題?状態の問題?
とにかく、はじめてこのレコードのセカンドバージョンを買って手に入れたときはあまりの美しさに惚れ惚れしたのですが、今回あらためて聴いていると、
「うーん、そこまでかな・・・」
と感じてしまいました。
たぶん、状態の問題。
それから、私がレコードを購入するときに参考にしているcotton clubさんのこの意見の問題。
Chet Bakerの歌はステキだな、と思う反面、ムシズが走るような嫌悪感を感じる
『Chet Baker』Russ Freeman and Chet Baker, Quartet(World Pacific PJ1232)12inchPacific Jazzは12…
まぁ、この意見は以前から承知していたので直接的に関与したのかどうかは不明ですが、とにかく、チェット・ベイカー・シングスのオリジナル盤を聴いてみて、
「うーん、そこまでかな・・・」
と思い、とりあえず、チェット・ベイカー・シングスのオリジナル盤は「よほど状態の良い盤が出るまで」、コレクションはいったんお預けにすることにしました(セカンド盤も同様)。
だいぶ話がそれましたが、そんなわけで、私の中で「チェット・ベイカー」は、俗に言う「ジャズ男性ボーカルのナンバーワン」ではなくて、私の中ではやっぱり「ジョニーマティス」は欠かせない存在です。
かといって、そんなに聴くわけではないんですけど、以前たまたま入手した「Faithfully」があまりにも美しすぎて、その歌声にベタ惚れしました。
で、たまたま直近見ていたcotton clubさんの記事でまさかのjohnny mathisの記事が書かれていました。
筆者の宝物。ebayで10ドル。安いレコードだけど、とことん惚れている。男性ボーカルで最高のお気に入りレコード。
ドリーミーな歌声、切れ味の良い歌いっぷり。Johnny Mathisのレコードは色々入手したけど、ほとんどポップスで、ジャズは本盤だけ。
『苦手な男性ボーカルを克服したいけど、いまだによく分からない。』55才の頃からボーカルが好きになって、結構な枚数のボーカル盤を入手してきた。でもほとんど女性ボーカル。男性ボーカルの手持ちは非常に少ない。これは筆者だけの話で…
で、あまりにも、驚いてその記事にコメントしてしまったわけですが・・・
「そんなにcotton clubさんが推奨するならなんとしてもこのレコードがほしい・・・」
と探してみたものの、当たり前のことかもしれませんが、
「ほしい」と思ったときに手に入らないのがレコードの不思議。
ディスクユニオンでは販売していませんでした。
正直、johnny mathisなんて、知っている人も少ないから、あまり売れておらず。
すぐにみつかるかなとおもったのですが、存外見つかりませんでした。
でも、たまたまヤフオクやメルカリを見れば、それなりに売っているのですが、明らかに相場より高い。
「うーん、どうしたものか。」
と思ったのですが、レコードシティというショップを見たら、送料込みで1000円くらいで売っていたので、ちょっと心配ではあったものの買ってみました。
しかし結論から言うと、もうこのショップではよほどのことがない限り買いたくないと思いました。
たぶん、ずっと在庫としてとっておいてずっと売れなかった商品なのかもしれませんが。
届いて開けたレコードを見てみたら、カビだらけ・・・
レーベルから溝の部分までカビがいっぱいあって、明らかにクリーニングされていませんでした。
「もうずっと売れ残っていた商品だから、倉庫の奥にしまわれていた商品で安物のレコードだからそのまま適当に送ってしまえ。」
という感じがあからさまに受け取れて嫌な気分がしました。
もうこのお店では買いません・・・
とにかく、アルコールスプレーでシュッシュッと滅多にやらないクリーニングをやって、ピカピカにして、早速聴いてみました。
うん。・・・
演奏はやはりすごく良い。
やっぱり、ジョニー・マティスの歌声は本当にドリーミーで美しい。
これを聴くと、たしかにチェット・ベイカーのボーカルもいいけれど、やっぱりジョニー・マティスのほうが「本物のヴォーカル」という感じがして良い。
確かに、基本、ジャズの曲が多く、
like someone in loveやYou’d Be So Nice To Come Home Toなど、往年の名曲、スタンダードナンバーをジョニー・マティスの歌声で聴くことができるのは本当に嬉しい限りです。
だけど・・・
私の無知が原因なのかもしれませんが、そんなに、知っている曲が多くない。
ジャズ・スタンダードナンバーが多いんだとは思いますけど、
「ん?これなんの曲だ?」
と首を傾げてしまう。
ジャズにある程度詳しい方ならご存知のように、ジャズの楽しみ方の一つは、
「このスタンダードナンバーをこの人だったらどう演奏するのか?」
楽しみに聴くのが楽しみ方の一つです。
ある意味では落語に近いのかもしれません。
だけど、このアルバム、繰り返しになりますが、私の無知が原因で、
「この曲なんだろう・・・」
と思うのが多いです。
というか、大半がわからなかったです。
そのため、cotton clubさんが言っていたように、
ジョニー・マティスのジャズアルバムという印象はそれほど大きくはありませんでした。
なので。
「ジョニーマティスが唄うジャズスタンダードナンバー」
を楽しみに聴くと少し肩透かしを食らうかもしれません。
しかし、ジョニーマティスを楽しむアルバムとしては十分。
惜しむらくは、一曲一曲がとても短く、しかも、レコードA面B面、ともにかなり「エッジ部分」が広く溝部分が狭い使用。
つまり、だいぶ、収録曲が、レコードの限界に比べて少なく作られている印象を受けます。
そういう意味では、そう。
やっとしっくり来る言葉が見つかった。
「物足りない。」
というのが正直な印象です。
でもジャズ好きの人がジョニーマティスに入る「入口」としてはちょうどよいかもしれません。
それでもやっぱり、私はジョニーマティスなら「faithfully」を推薦します。
アッチのほうが、じっくり腰を据えて、ジョニー・マティスの魅惑のボーカルの世界にハマることができます。
このアルバムも安く、状態がよく手に入るなら買っていいと思います。
しかし、cotton clubさんも仰っているように、
YouTube動画にあるのは別ジャケ。ジャケが気に入らないので筆者は処分したけど、ひょっとしたらこっちがオリジナルかもしれないと思う。でもジャケの出来が違い過ぎるので、オリジナルとかセカンドとか関係なく、所有盤のジャケ一択だと思っている。
『苦手な男性ボーカルを克服したいけど、いまだによく分からない。』55才の頃からボーカルが好きになって、結構な枚数のボーカル盤を入手してきた。でもほとんど女性ボーカル。男性ボーカルの手持ちは非常に少ない。これは筆者だけの話で…
確かにジャケットに関しては、オリジナルよりもセカンドバージョンの方が良いかもしれませんね。
でも、セカンドバージョンのほうがオリジナルよりも入手困難?
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