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レコードの価値を下げないクリーニング&保管術|初心者でも簡単な基本とNG例

レコードのメンテナンス

レコードの価値を下げないクリーニング&保管術|初心者でも簡単な基本とNG例

こんにちは!ジャズLPのセカンドコレクター、ケンです。大切なレコードを久しぶりに取り出したら、ホコリや指紋がついていてガッカリした経験はありませんか?レコードは非常にデリケートで、間違ったクリーニングや保管をしてしまうと、音質が劣化するだけでなく、買取査定時の価値を大きく下げてしまう可能性があります。

この記事では、レコード初心者の方でも安心して実践できる、レコードの価値を維持するための正しいクリーニング方法と保管の基本を、具体的な手順とやってはいけないNG例を交えて分かりやすく解説します。正しい知識を身につけて、あなたの大切なコレクションを未来へ繋いでいきましょう。

この記事を書いた人
  • ケン

    私自身の苦い後悔を原点に、「レコードの価値を未来へ繋ぐ」という信念で、一枚一枚の記事を執筆しています。収集の喜びも、売却の知識も。セカンドコレクターとして全力で文章を綴ります。 → プロフィール


この記事の監修者
  • 鈴木 誠

    大学時代に大手リサイクルショップ「ブックオフ」で4年間アルバイトとして勤務。メディア部門のリーダーとして、CD・DVD・レコードなどの査定・買取・商品管理を担当する。その経験から、マニュアル査定の限界と専門性の重要性を痛感。卒業後は、都内の老舗レコード専門店に就職し、現在はジャズ部門のチーフとして、日々レコードの価値を見極めている。

なぜレコードのクリーニングと保管が重要なのか?

レコードの価値は、単に音楽の内容だけでなく、その「状態(コンディション)」に大きく左右されます。特に、買取査定においては、盤面の状態が査定額を決定づける最も重要な要素の一つです。

  • 音質への影響: 溝に詰まったホコリやカビは、再生時に「パチパチ」というノイズ(チリノイズ)の原因となります。ひどい場合は針飛びを引き起こし、音楽を楽しむこと自体が困難になります。
  • 資産価値への影響: 盤面のキズ、指紋、カビ、そしてジャケットの日焼けや歪みは、すべて査定時の減額対象です。適切なメンテナンスを続けることで、将来的に手放す際の価値を最大限に保つことができます。

つまり、日々の丁寧なクリーニングと正しい保管は、最高の音質で音楽を楽しむためだけでなく、大切な資産を守るためにも不可欠なのです。

【準備編】最低限揃えたいレコードクリーニング用品

本格的なクリーニング用品は数多くありますが、まずは初心者でも手軽に揃えられる基本的なアイテムから始めましょう。これらがあれば、日常的なメンテナンスは十分可能です。

アイテム名 役割と選び方のポイント 価格目安
レコード用ブラシ 盤面のホコリを取り除くための基本アイテム。静電気を除去できる、カーボンファイバー製のものがおすすめです。 1,500円〜3,000円
レコードクリーナー液 指紋や頑固な汚れを落とす際に使用。アルコールを含まない、レコード専用のクリーニング液を選びましょう。 1,000円〜2,500円
クリーニングクロス クリーナー液を拭き取るための布。盤面を傷つけない、マイクロファイバー製の柔らかいクロスが最適です。 500円〜1,500円

【実践編】初心者でもできる正しいレコードクリーニング手順

道具が揃ったら、実際にクリーニングしてみましょう。焦らず、丁寧に行うのがポイントです。

Step1: 乾式クリーニング(再生前のホコリ除去)

再生前に毎回行いたい、最も基本的なクリーニングです。

  1. レコードをターンテーブルに乗せ、回転させます。
  2. レコード用ブラシを盤面に軽く当て、内周から外周へ、または外周から内周へとゆっくり動かしてホコリを集めます。
  3. ブラシに付着したホコリを取り除き、盤面がきれいになるまで繰り返します。

Step2: 湿式クリーニング(指紋や汚れの除去)

指紋や乾拭きで取れない汚れがある場合に行います。頻繁に行う必要はありません。

  1. クリーニングクロスにレコードクリーナー液を少量(1〜2滴)染み込ませます。
  2. レコードの音溝に沿って、円を描くように優しく拭いていきます。ゴシゴシと強く擦るのは絶対にやめましょう。
  3. 汚れが落ちたら、乾いたクリーニングクロスのきれいな面で、残った液体を優しく拭き取ります。
  4. 盤面が完全に乾くまで、直射日光の当たらない場所で自然乾燥させます。

【要注意】絶対にやってはいけないNGなクリーニング方法

良かれと思ってやったことが、レコードに致命的なダメージを与えてしまうことがあります。以下の方法は絶対に避けてください。

  • 水道水での洗浄: 水道水に含まれる不純物(カルキなど)が乾燥後に白い跡として残り、ノイズの原因になります。
  • ティッシュや普通の布で拭く: 硬い繊維が盤面に細かいキズ(スレ)を付けてしまいます。必ず専用のクロスを使用してください。
  • アルコールや洗剤の使用: レコードの主成分である塩化ビニールを傷め、盤面を劣化させる原因になります。
  • 息を吹きかける: 唾液が溝に付着し、カビの原因となります。

レコードの価値を守る正しい保管方法

クリーニングと同じくらい重要なのが、日々の保管方法です。以下の3つの基本を守るだけで、レコードの寿命は大きく変わります。

1. 「縦置き」で保管する

レコードは必ず垂直に立てて保管してください。平積み(重ね置き)は、盤面に圧力がかかり、「反り」の最大の原因となります。反ってしまったレコードは再生が困難になるだけでなく、査定額も大幅に下がってしまいます。

2. 高温・多湿・直射日光を避ける

レコードは熱と湿気に非常に弱いです。直射日光が当たる場所や、押し入れの奥、エアコンの風が直接当たる場所などは避けましょう。風通しの良い、涼しい場所が理想です。

3. 保護袋(内袋・外袋)に入れる

レコードをホコリやキズから守るため、内袋と外袋に入れて保管しましょう。特に、静電気を防止する効果のある丸底の内袋や、厚手の外袋(ビニールカバー)を使用すると、より良い状態を保てます。

よくある質問(FAQ)

Q. レコードにカビが生えてしまったらどうすればいいですか?

A. 軽度のカビであれば、レコード専用のクリーナー液で優しく拭き取ることで除去できる場合があります。ただし、カビが根深い場合や広範囲に広がっている場合は、無理に自分で対処しようとすると盤面を傷つける可能性があります。専門のクリーニングサービスを行っているレコード店に相談することをおすすめします。

Q. 少し反ってしまったレコードを元に戻す方法はありますか?

A. レコードの反りを修正するための専用の機材(ディスクフラッター)がありますが、非常に高価です。家庭で平らな板に挟んで重しを乗せるなどの方法も紹介されていますが、圧力をかけすぎて盤面を傷つけるリスクが高く、おすすめできません。軽度の反りであれば再生可能な場合もありますが、基本的には一度反ってしまったものを完全に元に戻すのは困難と考えましょう。

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