いやぁ・・・
やっぱり最高ですね。
まるで20年前にタイムスリップしたようです。
1曲目のイントロからワクワクが止まらない。
The Red Garland Trio – Groovy(Status Records – ST-7113, ミッド60年代USリイシュー/オレンジ黒字ラベル)
盤仕様・特徴
- リリース:ミッド60年代(録音:1956年・1957年、ニュージャージー、ハッケンサック Van Gelder Studio)
- レーベル:Status Records – ST-7113(Prestige傘下、オレンジラベルに黒字、カバーは「Records Inc., 203 S. Washington Ave., Bergenfield」表記)
- フォーマット:LP, アルバム, リイシュー(US盤)
- プレス:Abbey Record Manufacturing Co., Inc.
- 録音:Van Gelder Studio(名エンジニアRudy Van Gelderによるホームスタジオ録音)
- マスター・ラッカー:RVG(Rudy Van Gelderサイン入り、マトリクス:「PRLP-7113-A/B AB RVG」エッチング+刻印)
- 出版:Prestige Music
- ジャケット:オリジナルPrestigeではなくStatusリイシュー特有のカラーとアドレス表記、カバーデザイン同一、写真装丁はPrestige期準拠
- ステレオ/モノ:モノラル仕様
パーソネル
- Red Garland – ピアノ
- Paul Chambers – ベース
- Arthur (Art) Taylor – ドラムス
トラックリスト
- C-Jam Blues(作曲:Duke Ellington)
- Gone Again(作曲:Curley Hamner, Curtis Lewis, Gladys Hampton)
- Will You Still Be Mine?(作曲:Matt Dennis)
- Willow Weep For Me(作曲:Ann Ronell)
- What Can I Say, Dear(作曲:Abe Lyman, Walter Donaldson)
- Hey Now(作曲:Red Garland)
録音:
B1・B2…1956年12月14日
B3…1957年5月24日
A1~A3…1957年8月9日
会場:Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey(ホーム・セッションのため独特の音場・響きが特徴)
この盤特有のポイント・コレクター情報
- PrestigeオリジナルではなくStatus盤は、廉価リイシューシリーズ特有のオレンジラベル+黒文字仕様が特徴的。
- オリジナルPrestige盤は1957年リリース(PRLP 7113)、本作は1960年代再発で所有・試聴の導入として人気。
- 録音はすべてRudy Van Gelder宅スタジオで、ウォームなピアノサウンド・肉厚なベースが魅力。
- ガーランド=チェンバース=テイラーの黄金トリオによるスタンダード路線で、”Hey Now”はガーランド自作曲。
- 盤マトリクスに「AB RVG」刻印あり(Van Gelder刻印・リイシュー世代の目印)。
- ジャケットはミッド60年代Statusカバー。「Records Inc., 203 S. Washington Ave., Bergenfield」表記で初期Prestigeと仕様違い。
まとめ
『Groovy』(Status ST-7113, ミッド60年代USリイシュー/オレンジ黒字ラベル盤)は、Red Garlandのもつ温かみのあるタッチとSwing感、Prestige派最強トリオによるスタンダード・プレイのお手本的アルバム。オリジナルPrestige盤より手頃で、特有の音質や盤仕様を持つコレクター/入門者向けの再発盤としても知られる。
情報元Discogs URL:
私の持っている盤、Red Garland Trio Groovy ST-7113 USリイシュ RVG刻印
最高です。良い買い物をしました。
この「アルバム」の存在を知ったのはかれこれ20年くらい前。
まだ20代前半、ジャズの存在を知って、CDで聴くようになって、
古本でジャズ名盤の本を買って、
その中でおすすめされていた一枚。
というよりも、
「ジャズ入門」を探し始めたら、
多かれ少なかれ、
遅かれ早かれ、このアルバムを耳にすることになるのではないでしょうか。
実際、
スイングジャーナルの名盤100選(読者が選ぶ名盤)の中でも86位に入っていました。
確かにCD時代もこのアルバムが好きで、何度もなんども自宅のスピーカーから聞いていました。
今はなき、国立の実家の自分の部屋。
まだ20歳の学生だった僕。
「今日は何を聞こうか。」
CD棚を眺めながらあれこれ思考を巡らせる。
決まらないとき。
たいてい、手にとって選ぶのが、このgroovyかart pepperのmeets the rytme sectionでした。
この辺選んでおけばたいてい間違いないんですよね。
たいてい、荒ぶった僕の気持ちを落ち着かせ、
落ち着いた夜のジャズの世界にいざなってくれました。
言うなれば、「僕」の20代のジャズの基盤となったアルバム。
その中の一つです。
もちろん、15年近く経って、ジャズレコードコレクターになってからも、常に狙いを定めていました。
このgroovyに。
だけど買えない。
やっぱり人間、考えることは同じなのか、
ディスクユニオンやHMVのセールで出品されるとことごとくなくなっていく。
本当に巡り会う機会がありませんでした。
一度、セミナーを受けている最中に、どっかのディスクユニオンのセールで価格付き情報がオープンされて、それがUS盤だったかオリジナル盤だったか、2~3万円くらいでRVG付きで発売されていたことがあり、それを電話で問い合わせて状態などを質問したものの、当時セミナーの休憩時間という限られた時間ということもあり、あまり詳しく検討することもできず、
セミナーが終わって、もう一度ディスクユニオンのそのページを開いたら売り切れていて後悔をしました。
とにかくそのくらい、このred garlandのgroovyは入手が困難。
だけどそのうち、私がジャズレコード購入時の参考にしているcotton clubさんの記事からこのような記事を見つけて、
Red Garlandの代表作として有名なGroovy。Prestigeというレーベルが大好きで入手したオリジナル盤ではあるが、、、、もともとRVGのピアノトリオ録音には優れたものが少ない中でも、本盤はかなり残念な感じ。全体がボヤけている。これをRed Garlandの代表作に選んでジャズ本に掲載したジャズ評論家のセンセイは、音の悪さを気にしないのだろうか。ジャズ本はジャズを聴き始めた人が読むのだから、もっと音がいいレコードを選んでほしいものだ。
C Jam Blues。非常に単純なテーマから魅惑のメロディを紡ぎだすRed Garlandの凄さ。ジャズの歴史の残るような名演奏。このレコードは演奏の素晴らしさに対して、音質の酷さが際立っている。

実際に聞いてみて
うん。文句なし。
確かに、A3の部分にきず?スレ?らしきものが見えて、
それで5回ほどノイズはありますが、まだ本当に「イントロ部分」であることが救い。
それに、「周回ノイズ5回」というのは正直、自分の中で許容範囲を本来は超えているのですが、
オリジナル盤でもめったに手に入らないgroovyのRVG刻印つき
しかもこの値段(クーポン使って送料込みで厳密には3990円)
なら大満足と言えるでしょう。
それに、周回ノイズ5回と言っても実際はそれほど「大きなノイズ」ではない。
まぁ、普通のノイズというレベル。
ステータス盤とはいえ、RVG刻印あるし、
逆にこの盤、状態の良い完璧な盤で出品されたら、7000円くらいするでしょうし、こんなふうに売れ残らずにすぐに亡くなってしまうと思います。
それに、
- Matrix / Runout (Side 1, etched): PRLP-7113-A AB RVG (stamped)
- Matrix / Runout (Side 2, etched): PRLP-7113-B AB RVG (stamped)
と、エッジ部分に手書きでPRLP7113の刻印が両面にあります。
これは実質、PRLPと同じ意味合いを持つらしいです。
これもcotton clubさんからの受け売り。
dead waxにある刻印の部分を見ると、元にあったはずの記号PRLP7098が、エンピツで塗りつぶすように消されて、その外側にNJLP8227が手書きで入れられています。
(中略以下コメント欄抜粋)
この記事で言いたかったことは、オリジナルのPrestige盤のマザーディスクが使い回されているので、セカンドのNew Jazz盤もオリジナルと同じ音がするはずだ、ということでした。
厳密にはビニール材質の影響も受けるので、マザーディスクが同じなら、オリジナルとセカンドが必ず同じ音質になるとは限りませんが、新聞や本の印刷の場合、版が違っても個体差がほとんどないのと同様に、レコードも同じものができるという理屈です。
『Ray Bryant』Ray Bryant Trio(New Jazz NJLP8227)12inchNew Jazzのレイ・ブライアント?ヘンですよね。オリジナルはPrestig…
このように、基本刻印が同じなので、同じマザーディスクを使われている?ということらしいです。
ちなみに、この記事にコメントしたのも私。
だから、つまり。
今回入手した、ステータス盤も、原理的にはオリジナルと音は同じということになるみたいです。
で、実際の音は。
うーん・・・
私のようななんの知識もない、「駄耳」には普通に良い音に聞こえる。
確かに、1曲目の冒頭のピアノはなんかモワモワしていると言うか、モコモコ?ボワボワ?している印象がある。
cotton clubさんのいう「全体がぼやけている」というのもわからなくはないんだけど、たぶん、「そう」言われていなかったら、普通に気づかない。
確かに、他のRVG録音の盤と比べると、「なんか音が違う気がする」のはわかる。
顕著なのはベースの音。
なんだかやたらと全面に押し出されている割に、モコモコボワボワ鳴り響いている印象がある。
だけど、ピアノの音は相変わらずRVGのいつもの、ポコポコ音だし(最近これはこれで味なのかなと思うようになってきた)、これが「良し悪しなのか」が私のような素人にはわからない。
むしろ全体的に、演奏の良さも相まってか、「良いレコード」だという印象を感じます。
確かに、20代前半の頃にCDで聴いていた「きれいな音」とは違うものの、アナログならではの温かみのある音、RVGのなんといったらわからない、うまく表現できないけど、「人間味のある音」にとても惹かれます。
この辺はcotton clubさんもおっしゃっていますね。
とんでもなく素晴らしい音を聴かせるけど、たまにどうしようもなくダメな時もある。その人間臭さがRVGの魅力だと思っている。
だからRVGの音はオリジナル盤で聴きたい。少なくともRVG(VAN GELDER)刻印がある盤でなければ音質を語れない。
続・公爵備忘録cotton clubさんのブログです。最近の記事は「レコードのライナーノーツを読みながら、Barbara Leaを聴いてみよう。(画像あり)」です。
これはすごく本質をついていると思います。
とにかく、私には、このgroovy。
私には、私のような安物の装置を使っている人間には、「音の善し悪し」までは判断できませんでしたが、
20代前半のまだ、社会のなんたるや、粋も甘いも何も知らない若造が、夜のしじまにひっそりとこのgroovyを聴いて、一歩大人の世界に背伸びしていた頃の、初々しい記憶や記憶、感情、恋の甘く切ない気持ちが蘇ってきて、とても嬉しくなりました。
オリジナル盤じゃないし、A3に5回の周回ノイズも発生するけど、一生大切にしていきたいと思えるレコードに出会えました。
ありがとう。
繰り返しになりますが、私のような駄耳にとっては、このgroovyのRVG録音。「良し悪し」ではなくて、あくまでも「違い」だと感じました。少なくとも私の中では十分名録音、(cottonclubさんの言うような人間臭い良い録音という意味)、名盤だと感じます。
全体的にどちらかと言うとアップテンポの曲が多いですが、2曲目のGone Againなんかはついうっとりしたくなるようなスローテンポの名曲、名演です。
というか全部良いです。
オリジナルで常軌を逸した価格で買うよりかは、こうしたステータス盤などで手頃な価格で手に入れるのがおすすめです。(ヘタをしたらオリジナルよりも競争が激しいですが)
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