相場より高かったけど、状態ほぼ完璧なので満足(と自分に言い聞かせる・・・)
The 3 Sounds – Moods (Blue Note BST-84044 / 84044 / BLP-4044/84044)
盤仕様・特徴(1975年 All Disc ステレオ再発盤)
- リリース年: 1975年(オリジナルは1960年録音、1961年リリース)
- レーベル: Blue Note – 84044, BST-84044, BLP-4044/84044
- プレス: All Disc Records, Inc.(ランアウトに「114」刻印)
- ラベル: ミッド70年代仕様のブルー地に黒「b」ロゴ(Liberty/UA傘下時代のBlue Note再発特有)
- フォーマット: ステレオ(STEREO表記、ラベルもBST-84044)
- ランアウト刻印: 両面「RVG STEREO」機械刻印あり(Van Gelder Studioカッティング)
- カタログ番号:
- フロントカバー: 84044
- バックカバー: BLP-4044/84044
- ラベル: BST-84044
- グループ名表記:
- フロントカバー/スパイン: The 3 Sounds
- バックカバー/ラベル: The Three Sounds
- 製造元: United Artists Music And Records Group, Inc.(Liberty買収後の時代)
- ジャケット写真: モデルはルース・メイソン(Alfred Lion夫人)、カバーフォトはHugh Bell
録音・内容
- 録音日: 1960年6月28日
- 録音場所: Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
- プロデューサー: Alfred Lion
- 録音エンジニア: Rudy Van Gelder
- ライナーノーツ: Leonard Feather
パーソネル
- Gene Harris – ピアノ
- Andrew Simpkins – ベース
- Bill Dowdy – ドラムス
トラックリスト
- Love For Sale
- Things Ain’t What They Used To Be
- On Green Dolphin Street
- Loose Walk
- Lil Darlin’
- I’m Beginning To See The Light
- Tammy’s Breeze
- Sandu
この盤特有のポイント
- 1970年代半ばのAll Discプレス、ブルー地に黒「b」ロゴのBlue Noteラベル(Liberty/UA時代の再発仕様)
- オリジナルの深溝NYラベルやPlastylite「耳」刻印盤とは異なり、All Discプレス+「114」刻印あり
- 「RVG STEREO」機械刻印(手書きRVGやPlastylite耳ではない)
- ラベルやジャケットのカタログ番号表記が複数混在(84044/BST-84044/BLP-4044/84044)
- ステレオ盤として再発されているが、録音自体はVan Gelderによるオリジナル・ステレオ
- グループ名「The 3 Sounds」と「The Three Sounds」の併用(時期・場所による表記違い)
- ジャケットモデルがルース・メイソンであることがコレクター間で有名
内容・評価
- ブルーノートの人気ピアノトリオによる絶頂期録音で、流麗な演奏からブルージーなスローまでバラエティ豊か
- 「Love For Sale」「On Green Dolphin Street」「Sandu」などスタンダードとオリジナルがバランスよく収録
- スロー・ブルースのアレンジや、イージーリスニング的な親しみやすさも評価されている
- Allmusicでも「スリー・サウンズの魅力が詰まったエンディアリングな主流派ジャズ」と高評価
この1975年All Discプレスの『Moods』は、70年代Blue Note再発の典型的仕様(ブルー地黒「b」ラベル、RVG STEREO機械刻印、All Disc「114」刻印)を持つ盤です。オリジナル盤とは仕様が異なりますが、Van Gelderカッティングのステレオ音質と、コレクターに人気のルース・メイソン・ジャケットが特徴です。
私の持っている盤、The 3 Sounds Moods BST84044 青黒音符 RVG STEREO刻印
この盤にもいつものように色々と思い出があります。
ご存知のように、the 3 soundsは、ブルーノートの中でも「看板プレーヤーズ」と言っていいほど、数多くのアルバムを出しています。
考えるに、horace silverと同じくらい重宝されていたのではないかと感じます。
しかも悲しいかな、多くの方がご存知のように日本ではすこぶる人気がありません。
だから、今回ご紹介する青黒。コレクターの先輩方から言わせると、
「けっ、今さらthree soundsかよ。しかも青黒RVGなんて。何だこのブログ。」
と鼻で笑われてしまいそうです(笑)
でも気にしません。
いいじゃないですか。
鼻で笑われても。
自分で気に入っていれば。
高いお金で(あまり音質の差はないと感じる)オリジナル盤を買って生活がきゅうきゅうになるよりも、(そもそも先輩コレクターたちはある程度資産に余裕がある方だと想像するのでたぶんオリジナル盤を買うのもそれほど痛手ではないんだと思いますが)安いセカンドやサードで満足、気にいるほうが私は良いと思っています。皮肉な話かもしれませんが。
というか、単なる負け惜しみですね(笑)
で、今回ご紹介する私の所有レコードは、しかも上述のように「ステレオ」なんです。
「なんだよ・・・3 soundsで、しかもステレオかよ。」
と思われるかもしれません。
以前は、モノラルオリジナルを持っていたんですよ(笑)
これもまた5年くらい前の話でしょうか。
diskunion jazz tokyoのエサ箱を覗いていたら、3 soundsのmoodsのモノラルオリジナル盤が転がっていました。
値段はいくらだっただろうか・・・
6~7,000円の間だったと思います。
ちょうど、なぜだかthree soundsにハマっていて、かといって、あまり値段が高くないことを知ってえいたので、moodsはほしい!
と思っていたけど、1万円以上は出したくないと苦しい悩みを抱えていました。
そもそも何かのキッカケで、
blp1600のスリーサウンズを購入し、気に入って、「それならもう一枚ほしい。」と思い、moodsが良い盤という噂を聞いて探しているところでした。
しかしいろいろなところで聞く話ですが、結局、使われずじまいになってしまった1600番台の頭を飾るくらいなのだから、ブルーノートの(アルフレッドライオンの?)スリーサウンズへの期待の高さをうかがい知れます。
さて、そんなこんなで、diskunion jazz tokyoのエサ箱でさり気なく手に入れたmoodsのモノラルオリジナル盤。
おそらくなんかのセールのあまりだと思うのですが、その当時、試聴したのかどうか、とにかく気に入って気分ルンルンで購入。
その後、買ってからしばらく聞かなくなっていたんですけど、2年くらい前でしょうか。
「あれ?なんでこれそんなに聞かなかったんだっけ?スリーサウンズの日本での低評価のせい?」
と思って聞き直したら、盤面に1本のキズがあり、耐えず周回ノイズが走っていました。
「おいおい、数年前の自分。いくらなんでもよくこんなの買ったな・・・」
と過去の自分の性にして結局売り払ってしまいました。
結局、演奏そのものが好きじゃなかったわけではなくて、盤面の状態が原因であまり聞かなかったんですね。
で、そんなこんなで、「いつかまたオリジナル盤かそれに近い盤が安く手に入れば買おう」と思っていましたが、その後ブルーノートは高騰の一途を辿り。
それにあわせて、このmoodsも値段がなんだか微妙に上がっていたので買う機会がありませんでした。
「まぁ、そこまでほしい盤じゃないしいよね。」
と思っていたのですが、たまたま先日、録りためていた村上ラジオを聞いたら、
その一曲目にかかっていたのが、このスリーサウンズでした。
私は村上春樹の「ミーハー」なので、村上春樹が好きなアーティストは、結構すぐに手を出してしまいます。
シダー・ウォルトンとか、スガシカオとか、デクスター・ゴードンとかセロニアス・モンクとか。
で、このラジオで取り上げられていたのは、「Live At The Lighthouse」というアルバムなので、厳密には、今回ご紹介している「moods」とは違うんですが、このライブアルバムのレコードは探しても見つからず、代わりに、パッと出てきたのが今回ご紹介している、moodsのステレオRVGでした。
このジャズレコードセール。

のまぁ、売れ残りです。
しかもこの記事を書くに当たって、discogsの相場を見てみたら、たぶん、discogsの相場より高い、3,650円。しかも上記jazz tokyoのページの販売価格よりなぜか200円値上がりしている?
と、あとあとになっていろいろ残念に思わなくないこともあったのですが、聞いてみて満足。
昨日、さっそく買ったレコードを掛けてみたのですが、スタートの一曲目からワクワクが止まりません。
最初、「あれ?なにかケーブルの接触が悪かったかな?」と思うほど、演奏がなかなか始まらない。
と思いきや、ピアノの小さなタッチから演奏が始まり、ベース、ドラマと徐々に揃っていくこの展開。
ワクワクします。
そこから弾けるような、スリーサウンズのトリオ演奏が始まります。
そこからも、スタンダードナンバーを中心に、スリーサウンズ節が炸裂。
やはり中でも、オン・グリーン・ドルフィン・ストリートはいいですね。
全体的に、スタンダードナンバーを中心に耳馴染みの良い演奏が続くので聞いていて心地よい。
A面は1曲1曲をじっくり演奏して3曲。
B面は1曲1曲は短めに5曲。
この組合せがまたすごく絶妙。
ジーン・ハリスのピアノのサウンドもこれまた、とても心地よく演奏されている。
しかも、いわゆるRVG特有の、ピアノのコツコツ音もここにはなく、綺麗に音が鳴り響きます。
「RVG STEREO」と書かれているように、いわゆる、キャノンボール・アダレイのサムシン・エルスのときのように、片方のスピーカーに楽器を閉じ込めることなく、違和感なく自然な広がりで、楽器を綺麗に鳴らしてくれています。
やはりRVG STEREOの刻印になってからのステレオRVGは結構良いです。
当然、今回は「青黒音符」なので、オリジナル盤から比べると、15年以上の後発と思われる盤です。
しかし、少なくとも「劣化」を感じさせるようなことはなく、きれいな音で綺麗な演奏を鳴り響かせます。
ちょっと相場よりも高かったかもしれないけれど、演奏面、音を考えればvery good!な一枚です。
「え~。スリーサウンズかよ・・・」
と、世間の評価に流されずに、セカンドやサードでいいのでRVG盤で安いのでいいので買ってみるのを強くおすすめします。
ちなみに、あまりよくわかりませんが、後期のスリーサウンズはファンキーさがまして、ちょっと違う感じになるみたいですね。
少なくともこのmoodsやblp1600などはおすすめです。
機会があれば、blp1600も、ステレオでいいからRVG盤がほしいです。
以前こちらもオリジナルモノでもっていたけれど、同様に状態が悪くて売ってしまいました。
↓試聴用リンク
ジャケットはそんなにこだわらない私ですが、このレコードのジャケットは印象的でいいですよね。
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