やっと手に入った・・・
噛めば噛むほど美しい味のする名盤。
The Buddy DeFranco Quartet – In A Mellow Mood (Norgran MG N-1079)
盤仕様・特徴
- リリース年: 1956年
- レーベル: Norgran Records – MG N-1079
- フォーマット: LP, モノラル
- 国: US
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Cool Jazz
- プロデューサー(監修): Norman Granz
- カバーフォト: Phil March
パーソネル
- Buddy DeFranco – クラリネット
- Sonny Clark – ピアノ
- Gene Wright – ベース
- Bobby White – ドラムス
トラックリスト
- The Bright One
- Sonny’s Idea
- Laura
- Everything Happens To Me
- I’ll Remember April
- Willow Weep For Me
- Minor Incident
- A Foggy Day
内容・特徴
- バディ・デフランコのクラリネットをフィーチャーしたクール・ジャズの名盤
- ソニー・クラーク(ピアノ)、ジーン・ライト(ベース)、ボビー・ホワイト(ドラムス)とのカルテット編成
- スタンダードナンバーとオリジナルがバランスよく収録され、クラリネットの流麗な音色とクールなアンサンブルが魅力
- プロデュースはノーマン・グランツ、録音もNorgranらしい高音質
- ジャケット写真はPhil Marchによるもの
まとめ
『In A Mellow Mood』は、バディ・デフランコのクラリネットを中心としたクール・ジャズの名盤です。ソニー・クラーク、ジーン・ライト、ボビー・ホワイトとのカルテット編成で、リラックスしたムードと洗練されたアンサンブルが特徴。Norgranレーベルらしい高音質と、ノーマン・グランツのプロデュースによる名盤として、ジャズ・ファンに愛されています。
私の持っている盤、The Buddy DeFranco Quartet In A Mellow Mood Norgran MGN1079 オリジナル
このアルバム。
本当に不思議なほど手に入りません。
ずっと欲しかったんです。
というのも、もともとバディデフランコなんて全く知りませんでした。
しかしたまたま聴いた村上ラジオの中で、バディデフランコが紹介されていました。
バディ・デフランコは、スイング時代のクラリネット演奏と、戦後のモダン奏者たちの橋渡しのような役割を果たした人です。もしこの人がいなかったら、ジャズ・クラリネットの世界はもっと日の差さないものになっていたかもしれません。彼はグッドマンやアーティ・ショウに強い影響を受けていますが、まだ無名だったソニー・クラークやケニー・ドリューといったモダン派の若手ミュージシャンを積極的にサイドメンとして採用し、時流におもねるところのない独自のサウンドを展開しました。 「Softly As In A Morning Sunrise(朝日の中にいるように心優しく)」を聴いてください。バックの印象的なギターはバーニー・ケッセル、1957年の録音です。
それからというもの、
・・・と思ったけどなんか違和感があり。
違いました。
私が村上ラジオで初めてバディデフランコの存在を知ったのはこちらでした。
- 村上 バディ・デフランコいいですよね。僕もコレクションしてるんです、ずっと。
- 北村 もうたまらないですね、あの人。人間がまたすごくいいんですよ。ベニー・グッドマンって嫌われるところがあるんですけど、バディを悪く言う人は誰もいないです。ベニー・グッドマンは、みんなにさんざんズタボロに言われるでしょ?
- https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/index_20190825.html
村上ジャムの一回目での村上さんの発言。
村上さんが熱心にコレクションしているなんて聞いたら欲しくなっちゃうでしょ笑
そこから集めようと思ったんですけど、意外と集まらないんです。
最初はジャケットがいい、こちらの作品。
cooking the cluesを買おうと思ったんですけど、(こっちなら結構ちょくちょく中古レコで出てくる)
ジャズ談義のこのコメントを見て、
デフランコの名盤として扱われてきた一枚。アルバムタイトルはブルース集みたいだが、収録曲であるジーンライトのオリジナル曲からつけられたタイトルで、アルバム全体ではスローなスタンダードナンバー集である。しっとり系デフランコのソロをバッキングするクラークのオルガンはブルージーなテイストはなく、室内楽的でハッキリ言ってクラークらしくない。タイトルナンバーではシッカリピアノを弾いていてジャズらしいし、アップテンポの「ハウ・アバウト・・・」や「インディアンサマー」などもジャズっぽく、デフランコのソロもそのような曲のほうが快調に聴ける。(しげどん)
主役デフランコとタル・ファーロウのギターはいい感じだが、クラークはオルガンを多く弾いていて、クラークの良さが消えている。ピアノは少ない。美女ジャケと言われるが、金色のクラリネットも含めて、私には悪趣味なジャケに思える(笑)。(hand)
SONNY Clark サイド作レビュー 1ソニー・クラークのサイド参加作CDアルバムを網羅的にレビュー。ここではバディ・デフランコ時代など初期の作品を紹介
買う気がなくなってしまいました。
確かにどうせ買うなら、ソニー・クラークが全編ピアノで参戦している作品が良い。
ということで、ずっとこの、
in a mellow moodをレコードで買いたかったんです。
ジャズ談義での評価も悪くない。
雰囲気は前作「枯葉」と同様だが、選曲はスィング時代のスタンダード中心なので、リラックスして聴ける反面、ややスィング時代的なテイストの古さもあり、これは好みが分かれるだろう(私は大好きな雰囲気だが・・・)
クラークもオリジナル「Sonny’s Idea」を提供しているが、そのような雰囲気に合わせた感じなので、そのあたりは彼の柔軟性を改めて感じてしまう。クラークファンなら聴いておくべき一枚だ。(しげどん)
①⑤などやや激しい曲もあるが、全体としてはくつろぎのある落ち着いた盤。クラークのソロも多く聞ける。特に⑥柳のソロは素晴らしい。デフランコ盤の中ではオススメできる盤だと思う。(hand)
SONNY Clark サイド作レビュー 1ソニー・クラークのサイド参加作CDアルバムを網羅的にレビュー。ここではバディ・デフランコ時代など初期の作品を紹介
ということで、これ、ずっと買い求めていたんですけど、みんなやっぱり同じことを考えるのか、なかなかこの盤に縁がなかったんです。
ディスクユニオンで出品されると、
「どうせ欲しがる人なんてそんなにいないでしょ?」
と油断して待っていたらあっという間に売り切れてしまったり。
他にも、一度あるネットショップで買ったんですけど、状態があまりにも悪く鑑賞に堪えなかったり。
とにかくこの盤。
ずっと縁がなかったんですけど、たまたまディスクユニオンのオンラインショップを見たら、出品されているのを発見。
僕の持っているデータベースでも、
2020年に御茶ノ水のディスクユニオンで、
◆BUDDY DEFRANCO / IN A MELLOW MOOD ((MGN1079)【盤質:B /オリジナル盤/EX-/EX)MONO/黄NORGRAN/DG/SONNY CLARK参加名盤/ジャケ書込・裏染み/盤質概ね良好】12,000円(税込)
こちらが出品されましたが、当然売り切れ。
2023年にも出品されたようですが、
◆BUDDY DEFRANCO / IN A MELLOW MOOD (MGN1079)
【盤質:B /オリジナル盤/黄NORGRAN/DG/キズ複数/ジャケ傷み・天,背割れ】3,850円(税込)
このようにキズ複数。
激しいアップテンポの演奏部分はともかく、今聞いているA面の3曲目と4曲目は静かでしっとりとしたバラード。
「聴かせる」、「泣かせる」美しい演奏です。
これを状態の悪い、「キズ複数」で聴いたら台無しです。
そう。この盤。
めったに出てこないし、出てきても、状態の悪い盤が多くて本当にむずかしいんです。
discogsの情報を見ればわかるように、
まずもってバージョンが圧倒的に少ないんです。
再発が多いverve系列なのに、オリジナルに関連している、あるいは近いバージョンは2バージョンのみ。それ以外はすべて日本の再発です。
このことから鑑みるに、buddy defrancoは日本以外の国ではあまり人気がないのかもしれませんね。
まぁ、ジャズクラリネットと言ったらベニーグッドマンでそれ以外はあまり知られていないのかもしれません。
前述のように、私自身村上ラジオでその名前が出るまでは存在自体を知らなかったのだから・・・
とにかく。
この、Buddy DeFrancoのin a mellow mood。オリジナルに近いバージョンを手に入れようと思っても2バージョンしかないんだから、そうそう手に入らないのは当然ですよね。
私みたいに根気強くオリジナル(MG N-1079)かセカンド(MG V-8169)が出てくるのを待つしかありません。
なので本当に手に入らないのですが、今回はディスクユニオンのオンラインで、盤の状態VG++(スリキズあり)という盤を買ってみました。
値段は6800円。
オリジナルとしては破格。
本当はセカンドコレクターとしては、別にセカンド盤で十分なのですが、そのセカンドすらめったに見ないので、とりあえず買ってみました。
ちなみにオリジナルなのに6800円とやすいのも、購入を躊躇した理由です。
それだけスリキズがひどいのかな?
と思い。
でも結果は。
こちらで試聴していただければわかるように悪くないです。
確かに、ところどころチリパチが入って、最後の曲当たりでは、ちょっとピアノソロでノイズが目立ったのが残念ですが、まぁ仕方ないかなと。
これがこの価格なら、我慢できる。
という感じです。
というか多分、これ以上状態の良い盤には出会えないんじゃないかと思います。
レコードのレビューをすると、
やはりA面1曲目2曲目、B面1曲目のアップテンポな曲は、ジャズ談義で書かれていたような「スィングテイスト」が多くあり、好みは分かれそうです。
しかしそれ以外のしっとりとしたバラードは、かなり沁み入る。
まるで噛めば噛むほど味のする美しい演奏のように。
特に、「Everything Happens To Me」なんて本当に泣きそうになります。
もちろん、これよりも状態の良い盤があったらほしいというのが本音ですが、でもしばらくこれで、このレコードがほしいという欲求はなんとか抑えることができそうです。
買ってよかったと思える名演、名盤のレコードです。
音もやはり、オリジナルだけあって良いと思います。しかしRVGのような圧倒的な音圧とか、リバーサイドやコロンビアのようなきれいな旋律とかなにか尖った特徴がある音とは、私の駄耳ではわかりません。
普通に良い音。という感じ。でも好きなレコードだから文句なし。
セカンドでも十分良い音がするんじゃないかと勝手に想像しています。
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