断然良い。・・・と個人的には思ってしまう。
Bill Evans Trio – Everybody Digs Bill Evans(Riverside Records – RM 12-291, US盤モノラルリプレス)
盤仕様・特徴
- リリース年:1959年(録音:1958年12月、ニューヨーク)
- レーベル:Riverside Records – RM 12-291(ラベルはRM 12-291、背・裏ジャケットにはRLP 291やRS 9291表記)
- フォーマット:LP, Album, Repress, Mono(モノラル再プレス、US盤)
- 録音:Reeves Sound Studios, New York
- プレス:Abbey Record Manufacturing Co., Inc.
- レコード会社:Bill Grauer Productions Inc.
- マトリクス・ランアウト:
- Side A:RLP 291 A AB/3/29/5(手書き刻印)
- Side B:RLP 291 B AB/3/29/5
パーソネル
- Bill Evans – ピアノ
- Sam Jones – ベース
- Philly Joe Jones – ドラムス
トラックリスト
- Minority(Gigi Gryce)– 5:20
- Young And Foolish(Albert Hague, Arnold Horwitt)– 5:48
- Lucky To Be Me(Adolph Green, Betty Comden, Leonard Bernstein)– 3:35
- Night And Day(Cole Porter)– 7:12
- Epilogue(Bill Evans)– 0:38
- Tenderly(Walter Gross)– 3:29
- Peace Piece(Bill Evans)– 6:37
- What Is There To Say(E.Y. Harburg, Vernon Duke)– 4:49
- Oleo(Sonny Rollins)– 4:04
- Epilogue(Bill Evans)– 0:38
この盤特有のポイント・コレクター情報
- “RM 12-291”ラベルは後期モノラル再プレスを示す(初版はRLP 12-291表記)。
- 盤には「RLP 291」「RS 9291」等、異なる型番がジャケット/ラベルに混在するので収集の際は注意。
- Philly Joe Jones、Sam Jonesとのトリオ編成による唯一の録音。Evansの代表作「Peace Piece」収録。
- デザインはHarris Lewine、Ken Braren、Paul Bacon。写真はLawrence Shustak。
まとめ
『Everybody Digs Bill Evans』(Riverside RM 12-291, モノラルリプレス盤)は、Bill EvansがSam Jones、Philly Joe Jonesと共演した1958年録音の名盤。ラベル型番やジャケット表記の違いなど、盤の識別性もコレクター要素です。代表曲「Peace Piece」を含み、Evans初期の重要セッションが堪能できます。
情報元Discogs URL:
私の持っている盤、BILL EVANS EVERYBODY DIGS RM12291 青大 片RM 片溝235Wカバー
なんだか知らないけど、ようやく手に入った盤。
この盤、、、
私のビルエヴァンスコレクションの中で、最も手に入りにくかった一枚と言えるのかもしれません。
正確に言えば、値段を気にしなければ、まぁ、いつでも手に入れられた、と言えるかもしれませんが。
でも、「納得のいく値段」で買うという意味では、全然手に入りませんでした。
他のビルエバンスのリヴァーサイドの作品はおおかた集め終わりました。
【ベースソロ、多くない?】Bill Evans – Recorded Live At Shelly’s Manne Hole, Hollywood, California RS3013
こちらの記事でも書いたように、shelly’s manne holeについては、演奏と音が好きになれなかったので手放しました。
それを除けば、リヴァーサイド盤はコンプリートと言っていいでしょう。
今回入手した盤は、diskunion jazz Tokyoのこちらのセールの1品。
◆BILL EVANS / EVERYBODY DIGS (RM12291)
◎外装:B/EX- ◎盤質:B/EX- US盤/青大/片RM規格/片溝/235Wカバー 8/23(土)『今週の廃盤レコードセール』オンライン出品しました : ディスクユニオンJazzTOKYO価格見直し出品
価格は7800円くらい。
決して安くない価格で、しかも、どちらかというとサード盤に近いことを考えたら、discogsの相場通りの価格とは言え、矢張り安いとは言えません。
しかも、セール品がオンラインショップで出品される前に、店舗に直接連絡して通販購入したので、送料もかかっています。(多くのコレクターがご存知のように、ディスクユニオンのアイテムはオンラインショップに出品されれば5000円以上の購入で送料無料となる。ただし、オンラインショップで出品される前に売り切れるリスクもある)
それでも、完全にタイミングを逃したと思います。
たぶん、コロナ禍前だったら、このバージョンのアルバムは3〜5000円くらいだったんじゃないかと予想します。
しかし、とある日に横浜関内のセールに参戦した時に、
「本社でビルエヴァンスのアルバムの価格の見直しが入りました。これから、エヴァンスのアルバムの価格は高騰しますよ。」
と言っていました。
コロナ禍前だったので5年くらい前の話。
そこから、確かにエヴァンスのディスクユニオンの価格が高騰し、同時に、discogsでの価格も高くなっていき、全然手が出せなくなりました。
正直、市場価値的には、黄金トリオ4部作に比べると初期のビル・エヴァンスということで、評価は低めです。
有名なリヴァーサイドのビル・エヴァンスの作品としては、下から数えたほうが、知名度は早いくらいじゃないでしょうか。
そうこうしているうちに、入手機会を完全に逸脱したこの盤。
実際に聞いてみたところ、正直100点満点というわけではありません。
僕がそこまで好きになれない、new jazz conceptionsに近い、速弾きなどもあり、ちょっと耳障りが良くないように感じるときもあります。
だけどどうでしょう。
全体的にはリリシズムでエレガンスな演奏が、そっと私達の優しい夜を包んでくれる名盤だと思います。
今この文章を書きながら聴いているのは、当盤の2曲目Young And Foolish。
とても美しい演奏じゃないですか。
全体的にこのような曲で占められていたらよりよかったなと思う反面、逆にこうしたゆったりとした曲ばかりだったら、カクテルピアノになってしまうから、ちょうど良いバランスでテンポの速い曲、ゆったりした曲が織り交ぜられていて良いように感じます。
しかしたまに、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムスがうるさく感じることもありました。
全体的には、とても美しい、知的なアルバムで、このような意見も気になりました。
ソロピアノのPeace Pieceには強く心癒されます。
たった二つのコードをメインに、ところどころにインスピレーションを混じえて演奏するスタイルは、リスナーがその音楽風景にたやすく浸り切ることが出来る環境を作り出します。
元々は、バーンシュタインがミュージカルの作品として書いたSome Other Timeをエヴァンスがソロで演奏するはずだったのですが、エヴァンスの豊かなインスピレーションでPeace Pieceという曲名でリリースされたのだとか・・・。
私の場合、この様な静謐で情景美を伴った音楽には強く惹かれます。自分のインスピレーションが、ゆったりと演奏と共に展開できることがとてもありがたいのです。
名作Waltz For Debbyよりも、私はこのゆったりと情景を想像できるPeace Pieceの方が好みに合っている様です。
『今夜のJAZZ Bill EvansのEverybody Digs』B級ジャズミュージシャンが好きな留五郎ですから、ビル・エヴァンスや、マイルス・デイヴィスを聴くことは本当に僅かです。 基本的にイージーなスイング感のある音源…
まさにその通りなんですよね。
今、耳で聞いているアルバムの演奏曲は、3曲目Lucky To Be Meに変わりました。
こちらもとても美しく、清らかな演奏に心を惹かれます。
もちろん、上記のブログで語られているように、このアルバムの最大の見せ場は、Peace Piece。
ですが、それ以外の曲も、全体的に美しくて、とても可憐で良い。
良いです。
正直、
【状態が鍵】Waltz For Debby RLP399 細DG オリジナル
【ステレオに軍配】Bill Evans Trio Waltz For Debby RLP9399(VS RLP399 太DG×2・細DG×2)
この辺で書いたwaltz for debbyよりもよく感じます。
私の中で、ビル・エヴァンスは「絶対的なピアニスト」というわけではないんですけど、ひとつだけ気に入っている点が。
本来完璧なピアニストのはずのビル・エヴァンス。
おそらく、想像にすぎませんが人生で困ったことなんてほとんどないんじゃないかと思うくらい優雅で完璧な生活を送ってきたんじゃないかと思っています。
ですが、今聞いている、Lucky To Be Meのように。
たまに「弱い部分」が彼のピアノには見え隠れする時があるんです。
贅沢をして、欲しいものも欲しいままに手に入れた自由な完璧な人生を食ってきたビル・エヴァンス。
だけど、「Lucky To Be Me」のようなどこか弱々しい、どこか可憐な演奏を聴いていると彼の心の何処かには拭いきれない「孤独」がずっと潜んでいたんじゃないか。
などと勝手に想像をしてしまいます。
それはwaltz for debbyでも、Sunday at the Village Vanguard、ポートレイト・イン・ジャズでも感じるのですが(個人的にはエクスプロレイションズではあまり感じない)、こういうちょっと弱い部分、孤独な部分、可憐な部分をたまにさらす、ビル・エヴァンスのピアノは好きです。
なんだか、心にそっと染み入るように感じます。
その後の4曲目、Night And Dayからまたハイテンポ?よりの曲に戻りますが、でも全体的にそういうゆったりとした心に染み入るバラードからハイテンポの曲までバランスよく統合されて良いアルバムだと思います。
状態について
最後に、状態については正直、完璧とは言えません。
気になる箇所がいくつかありますが、まぁ、ギリギリ聞ける範囲という感じでしょうか。
自分の中で。
でも高騰を続けるビル・エヴァンスのアルバムで、比較的市場の評価は低めとはいえやはり高騰中のeverybody digsをサード以降?とはいえ、1万円以内で買うことができたのだから大満足です。
これからも聞き続けていきたいと思える貴重なアルバムです。
追記
しかしその後、定番となる「Epilogue」が聞けるようになったのはこのアルバムからなんですね。
このEpilogueだけでも美しいですよね・・・
個人的にはat town hall のアルバムでのエピローグが印象的でした。
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